妻の治療費を捻出するために、兄に連絡をする元軍人のウィル。犯罪者の父親の元で幼い頃一緒に過ごすも、兄が悪事に手を染めたことで疎遠になっていた2人。カリスマ銀行強盗である兄ダニーは愛する弟が自分を頼ってきてくれたことが嬉しく、いつも通りに誰も殺さずにやり遂げる予定の銀行強盗にも弟を連れて行くのだが、予定は大幅に狂い、怪我をした警官を助けるために女性の救急救命士を脅し救急車を乗っ取り、殺人を犯さずに銀行強盗だけを成功させる為にロサンゼルス中を救急車で爆走するのだ。
銀行強盗から救急車乗っ取りまではあっという間で、救急車に乗り込んでからが本番だ。爆走する救急車に並走する何台ものパトカー。路地に入り込まれても見失わないように上空から追跡するヘリコプター。追跡同様、カメラもありとあらゆる角度から忙しなく救急車を狙う。銃撃戦の音、車が追突する様、サイレンの音、ヘリコプターのプロペラ音、そして救急車の中で始まる兄弟喧嘩。カメラアングルは激しく代わり、爆発音、タイヤが軋む音は止むことはない。更に時速100キロで爆走する救急車の中、携帯電話でビデオ通話をしつつ警察官のオペまで始まるのだ。
仲の良かった兄弟の再会(2人が大声で歌うのはクリストファー・クロスのセイリング、そしてアクションシーンの中でも切なく流れるカリフォルニアドリーミング)女性救急救命士の仕事に対するプライド、犯罪を前にしても張り合う警察とFBI。それらの事情をさらっとまとめ、見ている私も一緒に救急車に乗りこんで2時間半爆走するような映画だ。
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アカデミー賞が話題になる時期、賞とは関係ない映画だけれど、大音響と大きなスクリーンで楽しめる映画も大事だと実感。救急車で約2時間半近く爆走したにも関わらず、エンドロールはびっくりするほど短い。これもマイケル・ベイ監督のこだわりなんだろうか。。。。