どうしても自白が出来ず、大手ローファームの組んだ計画は水泡に帰す・・・
そんなスヒョンに待っているのは刑務所内の手荒い洗礼だ。
しかし、そんなスヒョンを庇うのはやはりド・ジテだ。
「俺は借りを返す男だ」という言葉にどんな意味があるのか。金があればなんでも解決できるというのを体現している彼だ。裏が無いわけがない。「怪我をして外の病院に行ってくれるだけでいい」と言われても、残念な事にスヒョンは毎日を生き抜くのが精一杯でその意味を考える暇もない。
大手ローファームの代表は、スヒョンの自白から手を引く事にするも、ただでは済まさないと、経験の場としてスヒョンの裁判を裁判未経験の新人に引継ぎ、新人弁護士はスヒョンの弁護をジュンハンと共同で請け負う事にするのだ。
二人は、法に訴えるのではなく、情に訴える陪審員裁判を選択し、ジュンハンの元妻にも手伝って貰い、もう一度現場を確認し新たな戦略を練り始めるのだ。
分からなかったら現場に戻るというように、現場に答えがあるのは確かなようで、現場前に飾られている写真の中の殺された女性の友人に興味を持つジュンハン。
スヒョンの誠実さをアピールする手法で裁判を進めようとするジュンハン達と、真面目そうな青年の持つ激情が今回の事件を起こしたという視点で裁判を進める検事サイド。
検察側は、刑事の勘を信じ、検事の威信をかけてスヒョンの有罪を確定させようとする。
アルコール摂取、薬の摂取が重なれば記憶がないのは仕方のない事だが、「記憶がないのに無実を連発するのはおかしい」という検察はなんと現場での裁判継続を申請。その日の午後に場所を現場に移して裁判を継続するのだ。刑事が現場を仕切り、若手の刑事がスヒョンの替わりに当日の様子を再現するというかなり悪意を持った展開。
裁判は、ジュンハンの替わりに弁護を請け負った新人弁護士の若々しい弁護でスヒョンの若さと若さゆえの失敗もあるという点から、失敗があっても犯人とは決めつけられないという情に訴える方法で流れを引き寄せるも、検事の執念はすごい。「誠実な方だと思う」というスヒョンが、現場を立ち去ってしまったこと、女性のために救急車を呼ばなかった事、自分の保身のために行動したことを逐一上げ、「そんな人は誠実でない」だから「犯人である」というロジックを滔々と語るのだ。
「誠実なので犯人ではない」と弁護するなら、こっちもそれに対抗だという勢いの「誠実でないイコール犯人だ」という検察側の言い分もかなり無理があるように思うが、とにかく検察側はロジックの立て方がプロだし、その上「彼を犯人にする」という熱意が凄い。
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「裁判で彼を犯人と認定する」事に検察が力を注ぐ中、当日の防犯ビデをを見て殺された女性を付け回す男性の存在に気づいたジュンハン。殺害後の友人の動きがおかしい事にも気づいた彼は、麻薬と男性の関係にも気づくのだが・・・・検察が刑事の勘に頼り過ぎた替わりに、弁護士が捜査をしているではないか・・・