私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

続・韓国カルチャー 描かれた「歴史」と社会の変化

2023-08-28 21:38:20 | たまに読んだ本

「韓国カルチャー 隣人の素顔と現在」の続編との事だが、残念な事に私は未読。しかし、カバーのそでの部分の『本著では歴史に重点を置き、韓国社会の変化を考察する』という文章を目にして購入。

韓国ドラマや韓国映画は好きだが、あくまでも自分のその時の気分や好きなジャンルの物を見ているだけなので、順序立てて考えた事もない。ポイントを絞ってまとめてある本は、自分の視聴したドラマの事を思い出すのに手助けになりとても有難い。又タイミングが合わなかったりして見るチャンスのなかったドラマについて改めてポイント等を解説してもらうと「遅まきながら見てみようかな」という気持ちも湧いてくる。

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第9章「ベトナム戦争と韓国ドラマ、そして映画」では、ドラマ「シスターズ」が取り上げられている。ベトナムからは「戦争を歪曲している」という理由からネットフリックスに放送中断を要請した事で話題になっていたが、私は、戦争とお金の関係が非常にリアルに分かるドラマだと思って熱心に見ていた。お金が権力と繋がり、お金が更にお金を生みだすその汚さとリアルさが非常に恐ろしかった。権力を手にした者が悪事に手を染める様を、記者である三姉妹の次女が「1970年代の韓国の黒歴史のオンパレード(多分こんな内容のセリフだったと思う)」というニュアンスで話していた事を思い出す。ドラマを見ている際に、韓国軍がベトナム戦争に参加した理由が少しでも分かっていたらもっと興味深くドラマを楽しめた事だろう。

第3章では「マイ・ディア・ミスター ~私のおじさん~」が取り上げられている。

このドラマは私も大好きだ。人から「お薦めの韓国ドラマは?」と聞かれたら、このドラマを薦める事にしている。この本を読みながら、切ない思いでこのドラマを見た事を思い出した。

この本を読むと、未見のドラマは見たくなり、既に観たドラマはもう一度見たくなる。そんな気分になる。

 

*****(以下、「マイ・ディア・ミスター ~私のおじさん~」ドラマを見た時の感想)*****

社内でのパワーゲームには乗り切れず、閑職に追いやられながらも仕事に励む男性の前に現れたのは、同じ職場で働く契約社員の若い女性。

職場が一緒でも、正社員と契約社員では、キチンとした線引きがされており交流らしいものもないはずなのだが・・・人違いから男性が職場で巻き込まれたトラブルを彼女がこっそりと助けた事から、関わるはずの無かった二人が少しずつ相手の事を知っていくようになるのだ。

肉親、友人同士の行き来が濃い韓国でも驚かれるくらい兄弟愛に溢れる生活を送る男性と、過去の出来事から誰とも打ち解けず、更には借金を返すためにいくつも仕事を掛持ちし、身体の弱い祖母と二人でこっそりと暮らす彼女。

友人同士の行き来が濃いお国柄といっても、それは家庭状況や学歴が一緒であってこそ。そこから一旦外れてしまうとリカバリーは難しい。黙々とダブルワークをこなす彼女のような立場では、どんなに頑張ろうとそこから抜け出すことは不可能に近く、誰に助けも求めることは出来ないのだ。

しかし偶然が重なり、そんな彼女の状況を知ってしまう男性と、少しでも借金返済の足しになればと、彼のやさしさを知りつつも請われるままに彼の身辺調査をすることになる彼女。

妻、兄弟、友人と大切な人に囲まれながらも、時折感じる孤独に向き合う男性と、社会から孤立しながらも、寂しさを感じる余裕さえもなく、生活に追われる彼女。幸せそうな男性がこっそりと抱く投げやりな思いと、投げ出したいような現実に押しつぶされそうになりながらも、それでも生きようとする彼女の強さ。そんな二人が次第にお互いを静かに思いやる気持ちにも泣けてくる。

二人のやりとりも切なくて泣けてくるのだが、それ以外の登場人物一人ひとりにも語るべき話、聞かなければならない話がキチンとある。

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