犯人を捕らえる事に執念を燃やす刑事を邪魔に思った犯人本人が取った方法は、彼の弱みを手に入れ、その情報を使って彼を刑務所に放り込む事だった。捜査中のやり過ぎと思われる手法の数々が公のものとなり、職を失い収監される事になる元刑事のルーサー。
意味もなく失踪し、更に何かに怯えるように自ら命を落とす人々。彼らは何か弱みを握られ、その弱みが公になることよりも、自らの死でその秘密を守る道を選択するのだ。自らは手を汚す事なく、弱みを握った事で人をコントロールする姑息な手法で人々を支配する男。
ルーサーは、塀の中にいるにも関わらず犯人逮捕に異常な執念を燃やし続け、警察はそのルーサーを利用して犯人逮捕に結びつけようとするのだ。お互いにそんな駆け引きを行いながらも、犯人の手がかりを辿っていく。
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ルーサー自身の発する言葉は非常に短い。多くを語らず、自らに課している何かを重荷に感じている風でもある。そんな彼が脱獄を企ててまで犯人逮捕に執念を燃やすのだ。ストーリー故、夜の場面が多く、何が行われているか目を凝らさないと分からない。身を挺して犯人を捕まえようとする元刑事の行動の数々に否が応でも緊張感が高まる。
犯人は相手を情報で支配し、罪を犯させる事で更に支配力を高めようとする。警察内部でも犯人の手法はパラサイトと呼ばれるも、彼自身は他人をコントロールすることで自らの支配力を過信し、異常な喜びを感じているのだ。その手法は非常に怖い・・
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ドラマから派生した映画との事だが、私はドラマの存在をまったく知らず、見終わってからドラマの存在を知った次第。ドラマの存在を知らずとも楽しめるきっちりしたストーリーだ。
Netflixで鑑賞