地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

過渡期の安中貨物・EF510+黒タキ

2011-07-06 00:00:00 | 貨物列車


 東日本大震災から間もなく4ヶ月。今も様々な危機はおさまらず、傷跡は今後も容易には癒えないでしょうが、何はさておきヒトとモノの流れを回復することが重要だということで、これまで払われてきたあらゆる努力に敬意を表したく存じます。とくに、被災した鉄道が少しずつ復旧し、元通りに列車が走り始めるたびに、ファンとしても拍手喝采を送りたいもの (逆に、あの○クザな口調の大臣は一体……-_-メ ←この点についてのコメントはご遠慮を)。
 このうち常磐線は、周知の事情ゆえ全通まであと何年かかるか分かりませんが (JREは津波不通区間の復旧に1000億円を見込んでいるとか。加えて放射能・・)、それでも旅客に続いて貨物列車も少しずつ息を吹き返しているようです。とくに、津波の被害を受けた福島臨海鉄道で先月から泉~宮下間の運行が再開され、名物列車「安中貨物」が再び常磐線を闊歩しているのは大いに注目に値するでしょう。



 しかも牽引機は、ダイヤ改正前から徐々に進んでいたEF81からの世代交代が完全に終わってEF510-500! 「北斗星」をも牽引する最新鋭のブルトレ塗装機と、既に相当な年代物となっている亜鉛焼鉱用タキ15600との組み合わせは……これはこれで非常に格好がよろしく、1日1本の超お楽しみ列車としての貫禄に満ちているように思います (*^^*)。こんな列車を的確に仕留めることが出来ればそれだけでも十分ガッツポーズものですが、肝心のタキ15600が高速対応の新型車・タキ1200への置き換えを目前に控え、既に先月下旬にタキ1200の試運転も行われているともなれば、この組み合わせを撮影する機会が如何に期間限定で貴重なものであるかを痛感せずにはいられません。それにもかかわらず、ひたちなか海浜鉄道訪問ついでに勝田で撮影した際には撮り鉄は他に2名のみ、そして都内から至近のスポットで撮影した際には私一人だけ……(^_^)。
 まぁ何はともあれ、タキ15600の長年の活躍を労いたいと同時に、専用貨車のみで構成された貴重な車扱貨物列車であるこの列車が、震災という大打撃を乗り越えて今後も末永く走り続けて欲しいものです。

常磐線の地味な王者・安中貨物

2011-03-12 00:00:00 | 貨物列車


 【午前0時55分・おことわり】地震で大変な被害が生じている中、この記事の内容はふさわしくないものと存じます。アップするべきではなかったかも知れませんが、私自身がPCを操作出来ない中、予約投稿で午前零時に自動で更新されてしまったため、そのままとしておきます。午後6時に怪社近くのお茶の水界隈を出発し、大渋滞で車が全く前に進まない国道246号線をひたすら西に向かって歩き、運転を再開した直後の田園都市線に江田駅で乗ることが出来 (23時30分過ぎ)、午前零時に運行を再開した小田急に乗って先刻帰宅したばかりです。
 何はさておき、今回の大震災で被災された方々に心より哀悼とお見舞いを申し上げます m(_ _)m そして、世界史上最大級とされるこの地震で各地の断層が刺激され、明日は我が身かも知れません。皆様もくれぐれも防災にご留意を……。

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 いよいよ本日はJRグループのダイヤ改正当日ですが、東日本エリアに限って見てみますと、新幹線では先週E5系がデビューし、南武線で快速が登場することになるのを除けば基本的に波静か (?) なようですので、最も顕著な変化は貨物列車とその牽引機において現れるのでしょう。
 


 このうち直流機陣営につきましては、EF65PFやEF66 0番台が少しずつEF210に置き換えられていますが、それは漸進的に進みつつある変化だということで……。むしろ既に様々な雑誌やネット上でも取り上げられている通り、昨年EF510北斗星・カシオペア罐が田端区に投入されたことに伴って、常磐線のEF81運用が短期間のうちに大幅に減ったという変化は、やはり時代を画する意味があるのでしょう。
 そんなEF81が牽引する名物列車・安中貨物 (福島臨海鉄道から安中まで亜鉛焼鉱などを輸送) につきましても、恐らくスピードアップのためかと思われますが、タキ15600がタキ1200に置き換えられることとなり、しばしばEF510牽引となることもあってまさに過渡期の状況を呈していたようです。しかし、先日タキ1200の量産車が大量に落成し、認可を経て近いうちに正式に投入されることが予想されることから、EF81とタキ15600の組み合わせはついに見納めとなるのでしょう。
 ……しかしそんなことより、小名浜をはじめ常磐線沿線が大津波に襲われている中、安中貨物用貨車及び出荷施設・線路・そして機関車が無傷で済むとはとても思えず……。あらゆる人的・物的被害が最小限であることを祈るより他にありません……。

 【お知らせ】3月下旬まで更新を休止させて頂きます……たぶん。(成田空港までのアクセスが通じず、かねてから計画していた旅行が全く不透明になりました)。

EF64 1000番台・JRF新更新色の悦楽

2010-04-24 00:00:00 | 貨物列車


 先日中央東線を訪ねた際、EH200ばかりが姿を現す状況を目にして、思わず「EF64来ねぇ……」とつぶやいてしまった私ですが (^^;)、0番台の貨物定期運用は確か中央西線に残るのみですのでまぁ致し方ないのでしょう。せめて1000番台には、もう少々中央東線にも来て欲しいものだと思うのですが、『貨物時刻表』によると現ダイヤでは、夕方八王子を出発する89レ、及び夜間に中央東線を通過する88レのみ……。これでは他の路線で撮った方が手っ取り早いのかも知れません。
 そこでそういえば、昨年の黄金週間明けに長野を周遊したついでに撮影したカットがあるのを思い出しました (^^;)。屋代から上田までしな鉄で移動していたところ、坂城にて1000番台の重連を発見! 思わず下車し、まぶしいほどの新緑と重厚な姿の組み合わせを満喫したのでした……(*^^*)。



 いっぽう、武蔵野線あたりでも時間帯によってはEF64 1000が立て続けに現れる時間帯がありまして、岡部発根岸行の3094レが↑こんな感じで現れたときには思わずガッツポーズ (笑)。鮮烈な印象のJRF新更新色とENEOS緑タキ1000の組み合わせは、今後しばらく貨物列車のスタンダードの一つであり続けることが予想されると同時に、写真映えするMy favoriteとなることがほぼ決定……(*^^*)。これはいずれ、根岸線内でもきっちり撮りためなければ……(笑)。
 という私はこんな感じで、秘かにEF64 1000・JRF新更新色の精悍な雰囲気を大いに絶賛しております。一般的には原色派の方が多いと思われ、いささか変人・ひねくれ者扱いされそうですが……どちらも大好きということで (^^;;)。既に1両持っているKATOのEF64 1000 JRF新更新色が、来月には目出度く再生産販売されるようですので、買い足して重連にするのが今から楽しみであります。
 ともあれEF64 1000は、高崎と岡山を拠点に運用されているにもかかわらず一律に愛知機関区所属となり、「高」に代えて「愛」と記された所属区表示が目を惹きますが、いつまでも精悍な表情とともに頑張って欲しいものです。

ブルサンEH200の天下となった中央東線貨物

2010-04-20 00:00:00 | 貨物列車


 ちょんまげシングルアームパンタつながりで、約10日前の中央東線ネタの続きをちょいとアップ……山岳貨物の主力の座をすっかり占めるに至ったEH200です。
 『貨物時刻表』の中央東線のページを見ていると「土・休日運休」という表示が結構目立ちまして、今回は土曜日の訪問ということで、とりあえず南松本行の2083レと竜王行の85レを撮影出来るのかなぁ~という感触を事前に得ていたのですが、なかなかどうして、計3本の貨物列車をバッチリ撮影出来ました (笑)。恐らく、この春は非常に寒冷で燃料需要が依然旺盛なため、土曜休日運休の根岸発竜王行83レが運行されたという次第……(とか何とか言いながら、83レはドピーカン逆光につき、1枚目の画像はコキオンリーの2083レだったりするのですが ^^;)。



 さて、そんな中央東線貨物、今やEH200が主力になったと言いながらもある程度はEF64で来るかなぁ……と期待したのですが、結果は見事にハズレ。すっかり中央東線はブルサン天国となっていたのでした(苦笑)。まぁ、基本的にEH200は高性能で良くできたカマなのでしょうが、やはり個人的にはEF210・EH500・EF510と同じようなボリューム感のある顔で作って欲しかったなぁ……というのが正直なところです。何と申しますか、ブルサンってスリムに圧縮され過ぎたような印象があるんですよね……(私だけかも知れませんが)。側面のBlue Thunderのロゴも、桃太郎・金太郎と比べて今ひとつインパクトに欠けるような気がしますし(むしろ大雄山線のコデ165のように、もっと思い切った稲妻を描くとか ^^;)。まぁともあれ、今は生まれたてホヤホヤの優男という雰囲気ですが、今後年月を重ねるにつれてシブい役者に変わってくれるでしょうか。
 ※時間によってはEF64 1000で来る列車もあります (^^;

廃れ行く鶴見線貨物・扇町駅の石炭入換

2010-03-02 14:44:00 | 貨物列車


 やや旧聞に属するかも知れませんが、地味~に京浜工業地帯の貨物列車を楽しむ向きにとってはショックな話題が先月の新聞紙上に載っておりました。景気の低迷や消費者の石油離れ(電気・ガスへの移行)により、ここのところ石油精製元売り各社は精油能力の余剰に苦しみ、製油所の統廃合による経営の効率化は待ったなしといわれておりますが、その結果昭和シェル石油は傘下の東亜石油京浜製油所のうち扇町工場を閉鎖し、運河を隔てて向かい側にある水江工場に統合するとのこと……。扇町よりも水江の方が設備が新しく精油能力が高いとの由ですが、これは同時に昭和駅脇 (浜川崎駅側線扱い) から発送されるタキ輸送の全滅を意味するわけで、最近扇町・大川での化成品扱いが消滅して随分と寂しくなった鶴見線末端部がますます寂しくなって行きそうですね……。既にこの側線を撮っている私としては、今年か来年あたり予想される廃止を前に今さら「このシーンを残しておかなければ」と焦るわけではないのですが、何はともあれ浜川崎~扇町間の電車本数激減と相まって、鶴見線末端部での鉄活動は極めて効率が悪いものになって行くのでしょう。
 (なお、これを受けて当面注目しているのは、果たして今後神奈臨水江線の定期貨物が復活するのかどうか……ということ。現在昭和駅脇から発送されている分の輸送が全てトラックに移行してしまう可能性も否めませんが……)



 というわけで、昭和~扇町界隈で最後に残る定期貨物は、扇町駅の先にある三井埠頭に陸揚げされた石炭を秩父・三ヶ尻に運ぶホキ10000のみとなりそうです。まぁ最近は、某与党のインフラ整備への極めて消極的な姿勢がさらに景気を冷やしまくっている現状に鑑みて、国内に残るセメント工場がいつまで持つか分からない……という暗い気分しか湧かないのですが、まぁ建築業そのものが消えるという事態は絶対にないはずですので、何とか三ヶ尻と東藤原には頑張って欲しいもの(武州原谷は先日セメント生産停止が決まったとか。既にここからの鉄道セメント輸送は終焉し、余剰ホキが放置されていた光景は悲しいものがありました。今後もし、影森と武州原谷からの石灰石発送→三ヶ尻での生産が終了するなんてことになったら……)。三ヶ尻のセメント生産が続く限り、扇町駅の貨物シーンも残るでしょう。
 しかしまぁ……以前は三ヶ尻から扇町に到着する列車は高崎のEF65が牽引していたものですが、今や往復ともDE10となり、時間も午前中に集約されてしまいました (業務委託しているかなりん側の都合を考えれば当然ではありますが)。扇町駅前踏切から撮ろうにも、かつて線路があったスペースには駐車場のフェンスが立ってしまい (2枚目画面左)、踏切で入換を撮る楽しみは減少……。踏切から三井埠頭側を眺めても、かつて化成品タキの入換に使われていた線路(最もJR発電所側) が剥がされていますし……。それでも、いずれは扇町の入換もHD300に移行するでしょうから、これはこれで過渡期の記録としてちょうど良いのかも知れません (←撮ったのは最近ではなく昨年夏 ^^;)。DE10は原色ですし……(*^^* →ナンバープレート部の塗り分けはJRF風ですが ^^;)。


 JP-8 (米軍規格ジェット燃料のこと) を表記した米タンも、ついにタキ1000に移行するようで……。先日RF誌サイトに載っていた、日車落成車の甲種輸送シーンを見て思わず絶句。つい最近NRSのタキ35000からJOTのタキ38000に変更されたばかりだと思っていたのですが……。まぁそりゃ、南武線内でのダイヤに支障しないようにするならば、75km/h制限の黒タキを早々に廃車とするのが良いのかもしれないという理屈は分かるのですが。