地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

JRF、DE10の後継機HD300を発表

2010-02-16 09:10:00 | 貨物列車


 既に先週の話題となってしまいましたが、このたびJR貨物から、登場以来44年を経たDE10の後継機として、ハイブリッドDL・HD300を新造する旨の発表がありました。もっとも、DE10のかなりの部分が1980年代に断行されたヤード系貨物輸送の全廃とともに廃車となって久しく、現役のDE10は製造年次が新しい後期機(かつ機関も更新済み)が中心となっていたわけですが、やはり経済の先行きが不透明で二酸化炭素の一層の排出削減が求められている時代にあっては、先手を打って思い切った省エネルギー車を開発・投入しようということなのでしょう。JRFの思い切った施策とモーダル・シフトがうまく噛み合えば……と思うのですが、与党がああいうようではJRFの企業努力だけで終わってしまいそうな悪い予感も……(-_-;)。
 ともあれ、901号機が3月下旬に完成するということで、実物がJRF発表のイラストと比べてどれだけイケているか楽しみですが、最近の臨海鉄道系新型機と同じ60トンという重量であるにもかかわらずセミセンターキャブを貫いているのには少々オドロキでした (^^;)。センターキャブであれば「新時代のDD13」という感じか?と思うのですが、JRF自身がセミセンターキャブに思い入れがあるのか、はたまたハイブリッド関連機器の配置の関係でセミセンターキャブの方が有利なのか……。



 こうして新世代DLへの期待が高まる一方で、これまで長らくJRFの入換・小運転シーンを彩ってきたDE10が退場してゆくことが決まったことにつきましては、やはり時代の流れを感じ寂しいですね……。まぁ、同時代に製造された国鉄型ELが続々と置き換えられつつある現状を考えますと、DE10とて全く例外ではないことは百も承知なのですが……国鉄型車両の影が薄くなった首都圏にあって最も濃厚に《国鉄》を代表し続けている車種のひとつであるだけに、貨物スポットからDE10の姿が消えたあかつきには多分大きな喪失感を味わうことになりそうです(それでも何のかの言って、DLが貨車や甲種車両を牽引しさえすれば気分は盛り上がるのは間違いないのですが ^^;;)。
 それにしても、最近ネット上をウロウロするにつけ個人的に痛切に感じるのは、車両の引退そのものによる寂しさや切なさを押し流して嫌気しか残らなくなってしまうほど、引退間際の駅や車内・沿線の雰囲気が悪化しすぎているのではないか……ということ。そこで最近は個人的に「引退・激減しそうな車両を、多くの撮り鉄・乗り鉄・にわか鉄が殺到する前に、如何にのんびり・ひっそり・まったりと楽しみ尽くしておくか」ということばかり考えています。これまで甲種・特大輸送以外誰も見向きもしなかった (少なくとも同業者をまるで見かけなかった) DE10の日常シーンも、今後DE10の激減があらわになるにつれ大変な事態になって行くのか……と思うと、何だかなぁという感じです。もっとも、DE10はJRF所属車だけでなく、各地の臨海鉄道や専用線でも活躍している車両がありますので、完全に消滅するのは相当遠い将来の話だと思われ、この点ではやや楽観しているのですが……。

神戸界隈・EF66コンテナ街道の悦楽

2009-11-05 07:25:00 | 貨物列車


 ELネタといえば……先月半ばの神戸出張にあたり六甲道駅で「はまかぜ」を撮影した際には、ついでにしばしば姿を現す貨物列車の撮影を楽しんでみることにしました。もちろん、コキ列車の撮影は東京近郊でも楽しめることは言うまでもありませんが、基本的には複線区間での撮影が中心で、鶴見近辺や大宮界隈、あるいは東海道線などの複々線区間はイマイチ邪魔な柱や仕切りが入りがちで撮りづらいという印象を個人的に抱いておりますので(探せばマシなところもあるのかも知れませんが、まぁ個人的な経験値不足ということで ^^;)、阪神間のデラックスな複々線のうち外側の快速線を俊足な新快速などに伍して堂々と走る貨物列車の姿は眺めて良し、撮って良し……ですね(*^^*)。しかも、東京近辺のコキ列車のかなりの割合が暗い時間に集中するのに対し、関西あたりでは日中もほどほどの間隔で運行されていますので、その点でも「沿線で待ち構えてみようか」という気分にさせられます。そして何と言っても……華やぐ神戸の中心街・三宮や元町あたりを無愛想に突っ走って行くあの雰囲気がたまらんです、はい(^O^……横浜の中心街を行く根岸線の貨物列車は何だかんだ言って遅いですので ^^;)。



 そんな神戸界隈のコキ列車、私が六甲道駅で待ち構えていた午前10時台に上り方向でやって来た3本はいずれもEF66の牽引でした。個人的にはまぁEF210やEF200でも悪い気はしないのですが、やはりEF66の青い罐がやって来ますと嬉しさもひとしおですね……。九州ブルトレが消滅してはや半年以上、ブルトレ牽引担当機が相次いで廃車の憂き目に遭っているといわれる中、三十路人間にとって「速い機関車の象徴」ともいえる青いEF66(しかもひさし付き! 塗り分けは貨物バージョンですが ^^;)が未だ威風堂々と活躍している光景には本当に癒されます (*^_^*)。
 いっぽう、残る2本はいずれも100番台での御登場。まぁ確かにこれもEF66なのですが……シャープな印象を残した側面とは裏腹に、マスクは丸みを強調してしまっているあたり、今も昔もどうもピンと来ないのですなぁ……。もっとも、いずれ貨物ELの置き換えの波がEF65からEF66へと波及するようになれば、そんな贅沢も言っていられず (という展開がそう遠くない将来の話であることを、今回の神戸撮り鉄でまざまざと思い知らされることに……。その話はまた改めて)、100番台でさえも珍重しなければならなくなるのかも知れません (汗)。出来ればこの手の薄味な優等生的塗装ではなく、ワイルドさを感じるほどに濃いぃブルーに塗って頂けると嬉しいのですが (^^;)。
 ちなみに、今回の究極の痛恨事は、下り「はまかぜ」を待ち構えていた際、上り線を岡山のEF65 0番台(登場時のままの青塗装)が豪快に通過して行ったことです……。うぅ……出来ればこれを撮りたかった……のですが、今回の貨物撮影はついでの出たとこ勝負ですので致し方ない。貨物時刻表は必要ですね (笑)。

雪晴れ速星DLの競演 (上) 1090レ到着

2009-02-25 08:18:35 | 貨物列車


 今回の高山線富山口初訪問のもう一つの目的は……濃いぃ貨物スポットとして広く (?) 知られる速星駅への初巡礼 (^^)。ここはかつて車扱貨物華やかなりし頃、防護カバーもいかつい銀色の硝酸タキをはじめ様々な化成品タキで賑わったところであり、その様子の一端はリンク頂いている「ロジ担」さんでも紹介されておりますが……いつか必ず行きたいものだと思っている間に昨年春の車扱貨物大打撃ダイヤ改正が断行されてしまい、タキは全てタンクコンテナ積載のコキ106・200に切り替わってしまいました……(-_-;)。全く以て、車扱貨物趣味は思い立ったそのときが華、いつ何がどうなるか全く分からないと心得て聖地巡礼すべし……という鉄則を思い知った次第です (滝汗)。
 もっとも、化成品タンクコンテナにも、タキほどではないにせよ独特のデンジャラスな雰囲気があるのも事実です (と思っているのは私だけ? ^^;)。そこで、折角の久々の富山訪問の機会を活かし、コキの出入りがそれなりにあって盛業中の速星の様子を是非眺めてみようと思ったのでした。



 毎日一回富山貨物駅からコキを連れてくる高速1090レは、ちょうどキハ58が運行される時間帯と重なってくれますので(しかも速星には短時間のうちに続行運転でやって来るという美味しさ♪)、撮影効率は上々!  空はすっかりドピーカンとなり、側面が影になってしまうなぁ……と思いつつも、まぁレタッチで明るく補正すれば良いか、と呑気なことを考えていたところ、やがて遠くでDE10のヘッドライトが輝き出し、ゆっくり堂々とコキ編成が接近して来ました。DE10のJRF新更新色そのものは、既に新鶴見・愛知機関区所属機ですっかり見慣れた存在ですが、考えてもみれば旋回窓装備車を撮るのは初めてだったりします。ううむ……寒冷な環境との闘いに備えたゴツい表情が何とも言えません……(*^^*)。
 駅本屋がある1番線に到着した列車は、キハ120の富山行と交換してしばらくした後いったん越中八尾方に向かいますが、踏切を余り長時間封鎖しては宜しくない……ということで、その後は速やかに推進運転で工場側の側線に入ります。そして、コキ編成をまるまる切り離して単機のままホーム脇の側線に転線し、ホーム富山方先端のさらに先まで進んで作業終了。少なくとも私が速星をあとにした10時半頃までは富山に戻ることはありませんでした(このまま午後の1093レまで昼寝なのかも知れませんが、機関士氏はその間どうヒマをつぶすのでしょうか ^^;)。
 この間にDE10の動きを追い続けてシャッターを切ることウン十カット……(^^;)。いやはや、雪の白・空の青とDE10のコントラストが余りにも素晴らしかったもので……(*^^*)。

鶴見線の黄タキ・扇町との永遠の別れ

2008-08-05 22:15:28 | 貨物列車


 去る3月のJRダイヤ改正を機に、速度制限がある車扱貨物に削減の大ナタが振るわれて以来、早くも約5ヶ月が過ぎてしまいました……。貨物時刻表をたまにパラパラとめくるたびに、「専用」と表示された列車がガクッと減ってしまったのを目にして、寂しさが募るばかりです。
 そんな中、突然仕事にあぶれた車扱の化成品タキ各種は、運用上の主な拠点に疎開して廃車解体の時を待ち、東港や安治川口などでの解体のペースに合わせて次々に回送されていたようです。そしてこのたびついに、鶴見線の扇町を拠点としていたタキ5450=液体塩素用黄タキも、遠く安治川口に送られてしまいました……。
 その回送は、扇町に残っていた11車をごっそり移動させるもの。扇町で黄タキが動いているシーンを眺めるとすれば、現役時代はせいぜい3~4車が連結される程度でしたので、そもそも11車が同時に動くなどというのは空前絶後、まさに最後の別れの打ち上げ花火という展開です。ただ、廃車回送の時刻は通常知り得ないわけで……。しかし今回は、いつも大いにお世話になっているとある方から頂いた情報をもとに、そんな超貴重なシーンを撮影することが出来ました!



 回送時刻の約1時間前に浜川崎から単機で現れたDE10は、黄タキが留置されていた一番奥の側線へと入って行き、一気に11車を引き出しにかかりましたが、長らく走らなかったタキ5450の車輪に錆が浮いていたためでしょうか……ポイント群を渡って手前に迫ってくる編成からは茶色い埃がモウモウと湧き上がります。そして踏切に跨るかたちで停止したのち、ホームから数えて2番目の線路に移動……。この動き自体は現役時代にごく普通に見られたものですが、ファインダー越しに眺める最初で最後の11車連結は圧巻のひとこと……。いっぽう、神奈臨の方々の入換作業はあくまでいつも通り、淡々・てきぱきとしたものでしたが、長年慣れ親しんだ黄タキを操作するのもこれが本当に最後ということで、その表情はどことなく寂しげでありました。DE10を浜川崎方に連結して出発前の点検を行うにあたっても、たった2駅しか走らないにもかかわらず、いつも以上に念入りに時間をかけていたのは……もちろんタキ5450を久しぶりに動かすからでもあるのでしょうが、それ以上に最後の別れを惜しむひとときでもあったのでしょう。
 そして午後2時過ぎ、鶴見からの電車が扇町に到着したのちついにホイッスルが鳴り、タキ11車が扇町を後にして昭和駅を通り過ぎて行きました。浜川崎まではほんの一走りでしたが、東亜石油専用線との分岐を過ぎ、運河を渡り……長年通い慣れた工場地帯に別れを告げる堂々の11車編成の姿は、改めて感無量……。
 こうして扇町駅の車扱は、秩父鉄道の三ヶ尻へと向かう石炭だけとなってしまいましたが、果たして今後改めて、すぐ近くの神奈臨・千鳥町と同じように化成品コキの荷役スポットとして復活する日は来るのでしょうか……。それを知る由もなく、悲観的にならざるを得ませんが、ホームからまたのんびりと入換を撮影できる日が来ることを待ち続けたいと思います。
 何はともあれ、大変貴重な情報をお知らせ下さった方に改めて御礼申し上げます!! また、この日撮影に向かわれた方、暑い中どうもお疲れ様でした。

貨物色EF65の活躍を撮る@南武・鶴見線

2008-04-01 09:15:00 | 貨物列車


 新年度はじめの今日、巷ではガソリンが20数円安くなるかならないかで大揉めのようですが、クルマに乗らない私には今すぐそれほど大きな関係が生じるわけではありません (^^;)。しかし、全世界的なインフレ基調の中、今まではデフレ気味だった日本もついに、値上げを食い止める様々な自助努力が限界に達し、あらゆるものが値上げする春となりそうですね……(ボソッ)。まあ、ぼやき節もほどほどにしまして (以上の落書きにつきましてはコメントされませんようお願いします ^^;)、今般の石油パニック (?) の結果、石油元売り各社には一刻も早く税額分が入っていない石油を仕入れようと注文が殺到しているそうで、この流れの先に見えてくるものは……春になれば通常は運転を止めてしまう石油臨貨の継続運転、そして限界ギリギリまでのタキ増車でしょうか? 鉄道趣味的には興味深い反面、化石燃料を同じ値段でより多く消費しようという行動にもつながり、複雑なところです (苦笑)。
 首都圏で盛大に運行されている石油専貨といえば、最近はEF210やEH200の勢力拡大、そしてタキ1000の大量増備が目立っていますが、やはり個人的にはEF65 (あるいはEF64) が牽引する光景の方に、より日常的な親しみを感じます。しかし、そんな当たり前過ぎる存在だったEF65につきましても、先日EF65 535の惜別HM姿を見送った際、急に「今やEF15と全く同じ運命をたどりつつある……」という危機感に襲われ、残り時間は一体どのくらいなのか気になってきました。



 そこで、これからは貨物色だろうが何だろうが、とにかくEF65をはじめとする国鉄型電機がやって来れば、その都度まめに記録することが大事なのでしょう。最近は多忙な中、辛うじて浮いた時間を地方私鉄遠征に回していたことから、自宅からもほど近い京浜工業地帯の貨物シーン撮影もおろそかになっておりまして……いかんいかん (汗)。1枚目の画像はEF65 535の直前にやって来た5582レですが、貨物色のPFすらいずれはとんでもないカメラの放列が出現することになるかと思うと、辛うじて多数やって来るあと2~3年 (?) が勝負なのでしょう。個人的には、貨物3色塗装でなければ大歓迎、とくにデカいパンタを装備していれば一層大歓迎、P型がやって来れば超歓迎……といったところですが (^^;)、これからは3色塗装であっても「派手目だなぁ」と毛嫌いするべきではないのかも知れません。
 いっぽう、今までは余りにも当たり前だった扇町駅へのEF65 (高崎所属機) 入線ですが、ここに来てダイヤ改正を境に忽然と姿を消してしまい、なかば呆然としています……。扇町と秩父鉄道・三ヶ尻を結ぶ石炭返空ホキの運行時間が変わり、浜川崎から扇町の間はDE10牽引となり、EF65が扇町から浜川崎まで戻るついでにぶら下げていた化成品タキも車扱大削減のあおりで消えてしまいました……(TT)。2枚目の画像を昭和駅の脇で撮影したのは早いもので3年前。その頃はあくまで魅惑の侘び寂び日常風景として記録しており (当然撮っているのは私一人 ^^)、まさかこれが今や貴重な (?) 歴史の1ページになろうとは……思ってもみませんでした。