地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

ミャンマーの白い三陸 (斎藤幹雄様ご撮影)

2015-10-08 00:00:00 | 頂き物画像


 ミャンマーの鉄道の話題は、今や多くの方が自由にミャンマーを旅行することによって、あるいは現地メディアのネット配信の強化によって、ほぼリアルタイムで入るようになっています。それは、今から3年ほど前に上からの民主化が始まるまで、基本的に鉄道撮影が厳しく制限されていた頃とは天地雲泥の差……。とはいえ、余りにもいろいろな動きが起こる中、適切な現状まとめの必要性は、軍政時代と同じく減じることは決して無いでしょう。
 本邦の鉄道趣味界において、軍政時代からミャンマー国鉄の動向を一貫して探求され、しかも知られざるビッグな働きをされている (?!)神のような御方といえば、RP誌ですっかりお馴染みの斎藤幹雄氏を他においていらっしゃらないでしょう~! そんな斎藤さんは、去る9月の中旬に改めてミャンマー遠征を敢行され、ヤンゴン、ネーピードー(ピィンマナ)、ミンゲ……と駆け足で日本中古車両の最新事情を見聞されたとのこと。詳しくは鉄道雑誌各誌にて今後ご報告されるとのことですが、とりあえず速報版としていくつかの画像を頂きましたので、ここに公開致します~。



 その中でもひときわ「ををっ!」と目を引いたのが、白ボディの三陸36形! 早いもので三陸36形も登場から約30年となり、赤いJR直通用が一足先にミャンマーに渡り、VIP用車両になったと思ったら、ロングシート化されて臨港線に投入され、自然豊かな三陸鉄道の車両が大都会の路面を行くという激しいギャップがマニアックな話題をさらったところです (そういやぁ、当ブログでは「乗ったぜ!」と速報しただけで、まだ本格的な記事をアップしていなかった……。客車も客車で激動期で、研究が少ないこちらを優先させてしまったからなぁ~^^;)。
 そしてこのたび、三陸鉄道での車両置き換えがさらに進んだ結果、36形のミャンマー追加移籍が実現し、インセイン工場で現地化改造等の整備を受けていたようですが、何と!赤に続いて白も三陸塗装をキープ! まぁ最近は、日本からの移籍車両を最初からミャンマー国鉄RBE標準色(クリーム+赤)に塗ることはせず、日本時代の色をそのまま踏襲することにしているようですので(東海もまた然り)、特に驚くには値しないのかも知れませんが、むせ返るような熱帯の緑の中に佇む三陸白塗装はひときわ、震災を乗り越えてきたこのDCにとって新たな魅力的な展開が待っていることを予感させずにはいられないものがあります。
 なお、今回の白はVIP車両とするようで、クーラーを存置するため屋根を下げ、車体中央の幕板に排水口が設けられています。
 また、斎藤さんは超ラッキーなことに、この白三陸をインセインから所属先に回送させる際、途中まで同乗されたとのこと! 一面のサバンナや水田を眺めながら、左右に揺れる激しい揺れに身を委ね、三陸の風情とヤンゴン近郊の風情を重ね合わせてみるなんて、何とも贅沢な話ではあります (爆)。しかしこれもまた、ミャンマー国鉄の知名度アップに多大な貢献をされた斎藤さんへの偶然かつ最高のプレゼントと言えましょう~!
 というわけで、斎藤さんからの頂き物画像はまだ続きます♪

消滅迫るJRC鋼製DC長大編成 (斎藤幹雄様ご撮影)

2015-01-15 00:00:00 | 頂き物画像


 今月発売の鉄道雑誌でも記事を掲載予定でおられノリノリな斎藤様からは、そういえばもう一つ、タイムリーで濃厚な画像を頂いておりました。鈴鹿サーキットで大規模なレースイベントが開催される度に恒例となっている、いわゆる「鈴鹿臨」です! これは伊勢鉄道が非電化のままであることからして、JRCに所属する一般用DCのうち土日につき運用に入っていない車両を総動員 (?) することで夙に知られた存在であり、したがってキハ28・58・65の引退後は長らくキハ40系列・キハ11・キハ75が主体となってきたところですが、周知の通り間もなくキハ25 1000番台が正式に運用入りし、JRCらしい勢いで一気にキハ40系列、ならびにキハ11の大部分を置き換えることが確定しています(キハ11も、JRCの良好な整備ゆえに未だに新車のように見える割には、いつの間にか登場から四半世紀とは……)。



 ゆえに、キハ40系列の6連やキハ11の5連が名古屋と鈴鹿の間を爆走 (?) するというマニアックな光景が見られるのは今年が多分最後でしょうか……?  
 このため、斎藤様によりますと、そのことを予見したヲタで沿線は大賑わいであったとのことですが、今回頂いた画像からは必ずしもそんな雰囲気が伝わって来ないあたりは、斎藤様の場所取り奮戦のたまものか、あるいはそれだけ中京圏は首都圏と比べて平和であるということのあらわれなのでしょう。
 それにしても、これだけ多くのDCが一気に廃車となるということで、今後どのように身を振るのかが注目の的になることでしょう。JRCが113系や117系、そしてクモハ123を跡形もなく廃車にした経緯からして、JRCは他の会社や外国に車両を払い下げるつもりはないのだろう……と思いきや、119系は一部がえち鉄に移ったことから、事例ごとに柔軟に対応する可能性もあるということで、JRCが直接の譲渡主体になるのか、それともブローカーを経由した現物渡しの機械扱いになるのか全く分かりませんが、少なくともこれらのDCが海を渡る可能性はゼロではないと期待したいものです……。

えちごトキめきET122陸送 (斎藤幹雄様ご撮影)

2015-01-13 00:00:00 | 頂き物画像


 早いものであと2ヶ月と迫った北陸新幹線の開業は、同時に悲しむべきことに日本海縦貫線の経営主体大分割を意味していますが、とりわけ個人的には、何故鉄道会社の名称にキラキラネーム的な要素を盛り込まなければならないのか、全く疑問とするところです。一方、総じて国鉄型車両は、イイ加減国鉄分割民営化から四半世紀を過ぎて旧すぎるのも確か。一部の413系を除けば継承されず、新造車によって置き換えられるのは、時代の変わり目ゆえやむを得ないことながら、同時に寂しさを感じます。それでも、とにかくヲタではなく沿線民から振り向いてもらう必要があるわけで、ヲタも感傷よりは現実を見なければならないのでしょう。



 そこで、直江津をベースとした区間を継承するえちごトキめき鉄道では、デッドセクションを通過する交直流電車を造るコストを避けるためでしょうか(そして松任工場に整備を委託する際の便を考えているとか)、姫新線で既に活躍している新世代近郊型DCであるJRWキハ122と同じ車両=ET122を導入することになったわけですが、新潟トランシスで落成した貴重なオンレールシーンを、いつもお世話になっております斎藤幹雄様からご提供頂きました! (昨年秋に頂いたにもかかわらず、大幅にアップが遅れ恐縮です) いや~私などは、時間や労力、そして個人的なデザイン上の選り好みを勘案すると、波模様ラッピングの新型DC搬入シーンを追っかけて新潟まで行こうとは思わないものですが、それは結局私自身、ヲタとしてはヘタレな部類に属することを暴露しているようなものでしょう。地味な役割のDCに寄せる斎藤様のアツい愛情をひしひしと感じるものです……。
 それにしてもJRWキハ123系列は、キハ40系列の後継としてなかなか良いデザインをしていることにつきましては、私自身も認めずにはいられないところです (JREのDCの車体デザイン、好きではないです……)。これがエンジン音を全開にして、親不知トンネルなど長大トンネルをブッチギって行くのは楽しみなことです。

愛しのゲテモノLRBEの巣窟2 (斎藤幹雄様ご撮影)

2014-12-13 00:00:00 | 頂き物画像


 LRBE49。これは如何にもな軽便モーターカータイプ。でも窓が……(^^;



 タマゴな感じ♪のLRBE3。



 武装警察車?という風情のLRBE59。



 もう何が何だか……(笑)、という感じのLRBE43。

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 先日電撃的に旅客営業を開始したヤンゴン臨港線は、Google Mapで仔細に眺めてみますと、何やらアヤしそうな枝分かれが密林 (?) の中に分け入っているかのようでワクワクしますが、実際には日中死ぬほど暑いだけでなく、旅客営業も始まったということで、単線上の安易な線路ハイクは難しそうだな……こりゃ、と思う今日この頃。
 そんなヤンゴン臨港線界隈がアツくなることを事前に察知されたのでしょうか、いつもお世話になっておりますRP誌等でお馴染みの斎藤幹雄様が、この沿線の何処かにあると思われるLRBE整備工場を訪問され、その驚愕の光景を当ブログでいち早くご紹介させて頂いたわけですが、さらに追加でLRBEの軽便テイスト炸裂しまくりな画像を頂きましたので、謹んでアップさせて頂きます! (この秋は多忙で、アップが1ヶ月遅れとなって大変恐縮です~)

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お世話になります。斎藤です。
先日は「地味鉄」に掲載ありがとうございました。
…いやはや、おっとっとさんの情緒溢れる表現には驚くばかりです。
なるべく早く、鉄誌に紹介したいところですが、その前に第2弾を送信します。
さらに驚かれて頂ければ(笑)幸いです。
つぶらな瞳?の妻窓(3)や模様付きガラス無しの側窓(49)、後ろにも同じ顔付けたり(59)、はたまたボンネット部分?が細長い客室かしら&一つ目??(43)など、やりたい放題、一体どのようにしたらこのような脱力系のデザインができるのか、日本人には想像もつきません。
まさに「百鬼夜行」という言葉がふさわしいこれらのゲテモノはかつて日本でも存在した北海道の簡易軌道や、弱小軽便鉄道を彷彿とさせるものがあり、好ましいカラーリングと相成って、想像力をかきたてられます。
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 いえいえとんでもない、こんなブッ飛び画像を紙媒体よりも早く公開させて頂けるなんて光栄です!
 仔細に眺めてみますと……これらの車両はバゴーのLRBEを検索にかけてみると見覚えがある……というわけで、どうやらバゴーのカワイイ奴らは日常の軽い検査や給油はバゴーの機関区で行い、大規模検査や壊れたあとの廃車回送はヤンゴンの片隅まで持って来るというのが通例のようですね。否そもそも、トウチャウカリーからティラワ・オーコポス方面、あるいはダゴン大学方面への枝線の運用は、むかし(といっても日本からのRBE導入が加速する前の2000年前後)はLRBEとマッチ箱客車LRBTの数両編成でまかなっていたらしい……ということで、この工場は一時はヤンゴン近郊輸送においても重要な役割を果たしていたのかも知れないですね~。
 個人的には、東急5000系 (初代) を意識した (?) LRBE完成型でありながらキュートさを忘れないLRBE3もさることながら、灯油ポリタンクのような模様 (笑) をプレスして窓代わり鉄板の強度を補強したLRBE49の涙ぐましさ、何処かの独裁国家の公安用軽装甲車という風情のLRBE59、何故三角窓?!と思わず目が白黒してしまうLRBE43など……それぞれに個性派過ぎてヤバいです♪LRBE43あたりはこのまま放置だろうな……と思うと残念ですが。
 しかしそれ以上に、そもそもこのLRBE整備工場やバゴーのLRBEの存在自体が風前の灯火なのではないか?という気がしてきました。とくに、予定では来年の3月からヤンゴン中央駅周辺の超!再開発がスタートし (ありがちなパターンとして、業者選定や調整にもう少々手間取り、着工が遅れると思うのですが)、ヤンゴン駅隣接のRBE整備工場がインセインまたはここに移転して来るのではないかと思われるほか、MR自身の金回りが次第に良くなってRBEの稼働車やヤンゴン環状線新型客車が増えて来ますと (そして、ヤンゴン東部枝線直通用のRBEや東方紅21牽引RBT編成が、混雑増で大型客レ化されるようになりますと)、玉突きでバゴーのLRBEがRBEになる可能性も大であるわけで、いかん……今度の訪問時には三度目の正直でバゴーのLRBEに乗らなければ……。

愛しのゲテモノLRBEの巣窟 (斎藤幹雄様ご撮影)

2014-11-05 00:00:00 | 頂き物画像


一目で分かるバゴー駅。ニャンキャシェ支線から戻って来たところでしょうか。
あ~あ、日本中古の王道を歩まれて来た斎藤さんもついにアブナい道に (笑)。



と思ったら、さっそく私の想像を遥かに超える究極の魔窟に潜入されたとは!! 
ヘンタイ車両狂の私なんぞがこんなところを訪れたら鼻血出血多量死しそう (^^;



日本の旧型電車っぽい窓配置と、救援車っぽい雰囲気の後部窓がイイ!!
これ、ちゃんと復活整備の上、バゴーに回してくれないもんですかねぇ~。



産業用スイッチャー然としたボディに客室をくっつけたヤッツケ感が悶絶モノ!
砂埃舞う暑季にこれが走る姿は「緬甸(ビルマ)の戦車」? 復活しないかなぁ。
(↑元ネタは、静鉄駿遠線の「蒙古の戦車」ことDB600形)

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 先月、いつもお世話になっております斎藤幹雄氏の鉄道友の会・島秀雄賞受賞記念パーティーが開催され、東南アジアにおける日本中古車両探訪研究&趣味が一定程度日本の鉄ヲタ界に認知されるに至る偉大なご功績が顕彰 (?) されたことにつきましては、当ブログでも既にお伝えした通りですが、その余韻も醒めやらぬ先月末に受賞記念 (?) ミャンマー再調査の旅を敢行された斎藤様から、ご帰国早々に最新画像をお送り頂きました! その中身は久留里に札沼……?ということで添付画像ファイルを開いてみたところ、何とまぁビックリ! いつものRBE=Rail Bus Engineではなく、ごく一部のミャンマー訪問経験者の間において、下手をするとRBE以上にマニアックな注目を集めているLRBEの百鬼夜行な顔触れではありませんか……! 
 しかも、この点においても斎藤様の驚異的な好奇心は一歩先を歩んでおられます (笑)。一枚目の画像で「をっ……齋藤さんもバゴーのLRBE見物に行かれたか! SL時代はさておき、無煙化された21世紀以後においてミャンマー鉄訪問をするとしたら、第一の狙い目は斎藤さんがパイオニアでいらっしゃるように日本中古DCであるに決まっているわけだけど、やっぱ現地ならではの風物にも関心が湧いてくるようになると、自ずとヘンテコLRBEもナマで見たくなるものだよなぁ……」と思ったのも束の間。さらに別の画像を開いてみますと、思わず「ぬをををを!」とオドロキの唸り声が!! 何と……熱帯のジャングル的魔空間の中に、一両一両が全てオリジナルで、全てゲテモノで、全て究極にユーモラスなLRBEが所狭しとひしめいている……!! 自分も含めて、各地でLRBEに触れた日本人鉄ヲタは他にいるものの、LRBEばかりがひしめき思わず脱力メロメロになってしまう空間に潜入された日本人は恐らく初めてでは?!」ということで、思わず鼻息を荒くして、斎藤様のメールの文面を食い入るように見つめてしまったのでした……。(原文中、私の姓が入っているところは「おっとっと」に変更)

>お世話になります。斎藤です。今朝ほど、ミャンマーより帰国
>しました。先日の祝宴出席のささやかなお礼を兼ねて、ぶっと
>び画像を添付いたします。
>日本型DC程度ではもはや動じないおっとっとさんをサプライ
>ズさせていただきたく、今回、日本人としては、”おそらく初め
>てではないか”、と機関区長に言わしめた、「お菓子のぷっちょ」
>がヒヨコの如くわらわらと発生している(爆)、LRBE機関
>区である、「パズンダン機関区」を訪問してきました。(+バ
>ゴー駅)
>画像の通り、北海道の簡易軌道か、はたまた軽便チックな個性
>あふれる顔がそれこそボウフラのように大量発生していました。
>同車の詳しい脚注は後日お流ししますが、ここはひとつ、表現力
>豊かなおっとっとさんのコメントに期待する方が私的には楽しみ
>(笑)ですので、是非とも「地味鉄」に掲載御検討をお願いいた
>します。
>まずは驚いて下さい。

……いや~~オドロキましたとも!! この手のLRBE、各地の機関区で一般のDLやRBEとともに日常的な検査を受けていると思われるわけですが、全般検査・重要部検査に相当する重検査や、壊れたメカの修復の場合には、日本中古RBEがヤンゴン駅南の工場で集中的に整備を受けるのと同じように、LRBE専門の整備工場が存在するとは!! しかも、そのLRBEが妄想の限りを尽くした脱力系的なシロモノであるだけに、ワラワラと雲集されると緩んだ頬が元に戻らない……(^^;)。ある意味で、現代世界のあらゆる鉄道シーンの中でも最も力が抜ける空間であることは間違いないでしょう……(汗笑)。
 そして、ここは斎藤様らしく、工場長からいろいろお話を伺われたとのことですので、いずれこのLRBEの全貌がRP誌に詳しく紹介され、日本全国の鉄ヲタが誌面をめくりながら総脱力する日も近い……?! しかもタイミング的に、今後日本中古RBEがますます増加、または整備状態の好転に伴い、従来LRBEを使っていた線区にRBEが回ってくるようになりますと、LRBEは急速に存在意義を失って消えて行く可能性もあるわけで、いま機関区を御訪問のうえレポートされるということは、それ自体が鉄道史的記録への絶大な貢献になることでしょう。そんな激濃すぎる期待をしつつ……否、半分は禁断の世界を覗くのを前にした武者震いを感じつつ、斎藤様には心よりお礼申し上げます!!