先日、かねてからのジャカルタ首都圏鉄道事情における懸案事項であったブカシ線の東進=チカラン電化が無事成就し、既存のブカシ線のダイヤを基本的にいじらずに一部列車を延伸させるかたちで、ブカシ〜チカラン間に毎日16往復の電車が走り始めました。車両不足の深刻さは解消しない中、本格的な増発はさらなる車両増備による全面的なダイヤ改正に俟つほかないでしょう。もっとも、沿線は既に電化開業したスルポン=バンテン線のスルポン以遠とは比較にならないほど都市化が急速に進み、日系企業を含む外資の進出も旺盛な一帯でもあり、何故従来客レ鈍行が毎日5〜6往復するだけだったのか全く信じられない (→ジャカルタとの往復需要のほとんどを取りこぼし) 状態でした。今回のお試し電化開業が軌道に乗り、さらに編成数が増えることで、ブカシから東のエリアの発展を牽引するような電鉄路線へと成長して欲しいものです。
というわけで、とにかくもKCJ改めKCIにとって焦眉の急は車両数のさらなる増大であり、そろそろ次期中古車両の導入にかかるアナウンスがあるのかもな……と思われますが、いつもお世話になっておりますパクアン急行様がそんなタイミングに一時帰国されましたので、今後予定されている正式な一時ご帰国歓迎の宴を待たずして昨晩個人的にお会いし、積もったインドネシア・日本・アジア鉄道事情や、さらにこれらの鉄道を取り巻く各国社会事情についてディープに語り合うひとときを楽しみました♪ 昨晩は私が怪社で夜7時まで残業でしたので、まずはパクアン急行様に怪社までご足労頂き、さっくりと仕事場をご案内〜。その後怪社の目の前にある行きつけのインド料理屋にご招待し、タンドゥーリーチキンもカレーも激美味なターリーセットで超満腹♪ その後はマサーラチャーイをオーダーしてまったりしまくり、気がついたらもう夜の10時前。パクアン急行様の御実家も小田急・田都のどちらでもOKということで、久しぶりに東京の東急8500系を楽しんで頂くべく大手町駅に向かったところ、何と!すぐに急行で8500が登場♪♪ デハの台車の真上に陣取りまして、「新玉川線内の急行運転とボゴール線チルブット〜ボゴール間の山登りのどちらが良いか?」などという、パンピーには全く理解出来ない会話に終始したのでありました (笑)。
会話の内容は余りにも多岐にわたり、到底記憶しきれていませんが (^^;)、主な内容を箇条書きすると以下の通りです。
*お互い初めてジャカルタを訪れた2009年の状況を思い起こすにつけ、ジョーナン氏がKAI社長となってからのリノベーションぶりは隔世の感がある。インドネシアの鉄道を確実に洗練させたという点ではジョーナン氏の業績は余りにも大きい。
*ただ、その中で推進された駅ナカ事業は、賃貸料がメッチャ高いため同じような有名企業しか入らず、安くて美味かった店が排除される結果を招いたことから、ジョーナン氏が参考にしたJREと同じ道をたどっていることは否めない。
*JREも都心部はあじ○い茶屋だの何だのと不味い蕎麦屋ばかりとなってトホホだが、都心から離れると我孫子やら長野県内やら、美味く個性的な駅そばが残っている。
*車両の保守技術面におけるメトロ・JREの協力の歴史は、確実にKCIの技術をブラッシュアップさせ、今や部品さえあれば大量の電車を良好な状態で走らせることが出来るKCI保守陣の士気は高い。
*今後もJREとの技術交流が促進され、将来を期待される若手保守陣が今後続々と日本で研修を受けるとのことだが、彼らの食欲を満たすハラール飯屋が日本国内で増えつつあるのは好ましい流れである。
*新華僑・新華人系のメシ屋のうち、東北・四川系の店は日本人の口にはイマイチ濃厚で辛すぎるので、全く違ったスパイシーさで勝負する中国ハラール飯屋 (回族系) の増加を希望。(インドネシア人も遠慮なく連れて行ける)
*日本国内の鉄ネタの減少ぶりは目を覆うレベルに達しているが、だからといって最初から分かりきっている引退の直前になって慌てて葬式に行くのは如何なものか。その車両そのものよりも葬式鉄という行為にハマっているのか? どんな車両も、その路線の主力として沢山走っているうちが華。
*そういう意味で今アツイのは、湖西・奈良・桜井和歌山・岡山。今なら誰もいない☆
*生まれた頃から205系とともに育った若いヲタの205系ロス感は、彼らをいよいよジャカルタへと駆り立てているが、駅撮り不可という現実が (そしてそもそも外国であるということが) 障壁になっているため、205系ヲタがジャカルタの駅に殺到してパニックになるという展開にはならない。
*205系の急激な増大の影で、一時期整備がぞんざい気味だった (チカウム送りが大量発生した) 東急8000系列やHibah5000・1000について、やはり依然として変わらない車両不足や増結の流れの中、再び延命に傾いて来たのは大変目出度い。果たして、今後進む東急8500廃車が、ジャカルタの東急車事情にどのような影響を与えるのか? まずは部品供給の安定化だろうが、車両丸ごとの輸出再開という夢は実現するのか? いっぽう東急車を欲しがる国内私鉄もあるだろう。
*部品が得られないKFWが次々に離脱して、今や4連3本が稼働するのみ、営業運転入りから僅か4年で生存率3割というのは惨憺たるもの。空港鉄道用車両も基本的にKFWと同じ技術のため、轍を踏むことになるか??
*何はさておき、タクシー代にいくらかかるか、どれほど渋滞するかという心配をすることなく、空港鉄道でスカルノハッタに行けるようになるのは素晴らしい。既に、長年多くのヲタが常宿としてきたIb○s ○angga ○uaのコスパ低下 (そして、付近における冷えたビールの入手・賞味困難) はトホホの極みであるため、今後は泊まるなら空港鉄道を利用しやすい界隈がベストか。ともあれ、さっさと連絡線を建設して開通にこぎつけるべし! もっとも、スイッチバックをするドゥリ駅における信号扱いは複雑を極め、遅延などのカヲスぶりが加速する悪寒……。
*ランカス電化開業で非電化の離れ小島となったランカス〜メラク間は、鈍行が6往復となったのは良いとしても、「クラカタウ」や「バンテン急行」などの客レ急行が廃止されたことによって、ランカスでの乗換を含め、ジャカルタ〜メラク間の所要時間が延びたのは残念無念。金持ちはスマトラに行くのに飛行機を使い、陸路と海路で行く場合にもバスがフェリーに丸ごと乗り込むのが主流となっている中、やはり鉄道に勝ち目はなかったのか。
*タイ国鉄に売却された14系やキハ183の動きが伝わって来ないのは残念だが、今も陣屋町にいるというキハ183がタイに渡ったとしても、ステップ取付改造に時間がかかることになろう。それでも、無事デビューのあかつきには、バンコク〜ナムトク間の観光列車に入ることを激しく希望! 現在のTHN系ではドア脇ロングシートを指定されるトホホな展開もあるので……。
……う〜、他にもいろいろあるけど書き切れない (^^;)。
というわけで、ラッピング車がなく、6ドア車を2両挿入した、純正埼京線10連 (一部横浜・南武線車両を挿入しているかも知れませんが ^^;) の画像をお楽しみ下さい。