去る5月11日を以て運用から離脱した東急8606Fのうち、中間車はあらかた搬出されて廃車となってしまいましたが、先頭の2両、デハ8606とデハ8506だけは2連を組み、恩田の工場側からテクノの中へと移動したことは、ネット情報で周知のところとなっていました。そして昨日、これまたネット情報で、テクノの中からこの2両が姿を現し、最も公道に近い位置に留置されたとは……! この位置は、譲渡改造に時間がかかる車両が往々にして仮の住まいとするところであり、またデヤ7200・7290の2両が正式に廃車・解体となるまでしばらくの間展示されたところでもあります。
そんな展開と、この春以来のオンライン対応激務が一段落するタイミングが重なったことから、昨日の午後久しぶりに恩田を訪れまして、デハ8606・8506の事実上のさよなら撮影会のひとときを味わって参りました。当ブログで「東急恩田通信」と銘打った記事を出すのは一体何時以来でしょうか……それくらい本当に久しぶりです (滝汗)。
というわけで、例によって擁壁の上の公道にやって来たところ、樹木がいつの間にか本当に背が高くなって見通しが悪くなったなぁ〜と思いつつも、やはり田園都市線の至宝・デハ8606がピカピカになった姿に目を奪われます。しかし……良く見ると、ピカピカになっているのは側面・屋根・クーラーカバーのみで、正面とアンテナは意外と引退時そのままに汚れているような……?
そこで思うに、これは8606・8506の二両を比較の素材にした実験なのかも知れません。昨今の窓開け必須という流れの中、とくに夏場は冷房効率が低下するのは明らかで、その損失分をカバーするために屋根を白く塗って遮熱効果の如何を測ろうとしているのでしょう (そこで8506は屋根がグレー&汚れたまま)。そして、折角屋根がピカピカになった以上、ついでに側面も磨き、ヲタに24時間・当面期限未定のさよなら撮影状態を楽しんでもらおうという、東急の中の方々の恩情というものが感じられます! 準急・錦糸町などという、ネタ幕もいいところな幕を出しているあたりからして……。
今後果たしてこの2両がどうなるか分かりませんが、もしかすると定期的に幕が回る可能性もありますので、そうなればその都度恩田に通う夏になりそうです。