先日の「ミーヤターの会」すなわちミャンマー鉄の宴にて繰り返し強調され、一同の深い賛同を得たのは、「東南アジア鉄において《これ最高!》と思った新ネタ情報については、半年以内に現地に行って撮るべし」の法則です。そのココロは、行き当たりばったりで詰めの甘い需要予測や、諸々の事情の (往々にして気まぐれな) 変化のため、鳴り物入りで登場したにもかかわらず、アッという間に消える列車の何と多いことか……ということです (滝汗)。その最たるものは、ヤンゴン臨港線の三陸36形 (たまにイセ) と広電であり、ベトナム標準軌のソウルメトロ (4扉車改造による観光列車ハロン・エクスプレスの噴飯物な存在感は最早レジェンド級……。復活後持続するかに思われたドンダン急行も結局半年程度で終了し、コレ目当てで一昨年ハノイに往復した私は泣きました) であると言えましょう。他にもフィリピンの24系ビコール急行、マレーシアの会津キハ8500と14系「マラヤン・タイガー」やジョホールバル界隈鈍行、タイのキハ28/58、ミャンマーのキハ181、インドネシアのHolec ACなどなど……早くて1〜3ヶ月、長くても2〜3年で車庫の置物となってしまう車両が多すぎます。あるいは、例えばミャンマーのLRBEのように、軍事政権下で車両不足を補うため長らく重宝されつつも、民主化・経済発展スタートとともに急速に存在意義を失っていった車両もあります。したがって、何度でも強調させて頂きますが、東南アジアの鉄道シーンは常に、面白いと思った瞬間が旬なのです (爆)。
とはいえ、「これ良い!撮りたい」と思っても、極めてハードルが高い車両が存在するのも確かです。それが……VIP用車両。勿論、例えばタイ・バンコクのホアラムポーン駅の片隅で常に放置された状態になっている (?) 12・14・24系改造超豪華貸切列車であれば、入場券すら払わずに何時でも激写可能なはずです。しかし一方、ミャンマーに渡ったスシ25などは、いつもお世話になっております斎藤様がRP誌に投稿されるピィンマナ・ミンゲ情報の中で、観光列車として復活する計画もある云々という記述があるにもかかわらず、その実際の機運は全く伝わって来ませんし、幹部の巡視用として豪華な椅子が特別に整備された一部の日本中古車については、通常は旅行会社を通じた煩瑣な手続きをしなければ対面出来ません。あわよくば偶然、巡視に関連した臨時運行にでも遭遇しない限り……。
というわけで、ミャンマーに転じた日本中古DCのうち、見事に白三陸色を施されて転換クロスシートを温存した三陸車については、いくらインセインに配置されたとは言っても通常は車窓から車庫をチラリと眺めるだけだろう……と思っておりました。ところが何と! とあるMy撮影地での昼下がり、一日で一番クソ暑い時間につきヘロヘロになりながらも列車の接近に注意を払っていたところ……んん?カーブの奥から純白に輝く車体が……?? 罐にしてもDF1200はクリーム色だし、こんな車両あったっけ……? そこで次の瞬間、さらに接近して赤と青も鮮明に判別できるようになると「ををを〜!これは巡視用の三陸キター!!」ということで、暑さでヘタレた気分は一瞬にして吹っ飛び、猛烈に激写を重ねたのでありました♪
まぁそれだけの話ですが、何はともあれ、この三陸塗装をマスキングで丁寧に再現した匠の技は素晴らしい! 今後も神出鬼没で、ヤンゴンを訪れるヲタを愉しませて欲しいものです。