(画像は防衛省サイトから関連地図 アフガニスタン・イラン・イラク周辺)
海上自衛隊のインド洋での給油活動の継続に向けて17日、「新テロ対策特別措置法」を政府が閣議決定し、国会に提出しました。
政府・与党は、今週中にも衆院本会議で福田総理大臣が新法案の趣旨説明をしたうえで、速やかにテロ対策特別委員会で審議入りしたい考え。
18日の国会対策委員長会談で協力を呼びかけることにしています。
一方、野党側は、海上自衛隊がアメリカの艦船に供給した燃料がイラクでの作戦に転用された可能性が高いとして、防衛省の給油活動の情報を開示することがが先決だと主張。早期の審議入りには応じられないとしています。
参考記事)新テロ法案 審議入りで攻防(NHKニュース)
[17日の臨時閣議で、政府案決定 活動延長は「新法」で]
自民党、公明党は「新テロ対策特措法」(給油新法)の法案を了承。政府は17日(水)の参院予算委員会・基本的質疑の終了をまって、夜に臨時閣議を開き、内閣提出法案を閣議決定。衆院に提出しました。
閣法では、アメリカ軍の「不朽の自由作戦(OEF)」に参加する給油艦などにペルシャ湾を含むインド洋での「給油・給水に限り」支援することを定めます。1年間の時限立法で、国会での事後承認は不要としています。
現行法に基づき航空自衛隊が実施してきた、在日米軍基地とグアム方面などとの間の輸送支援は取りやめます。
[民主党は対案を準備]
一方の民主党。
閣法への対案を準備する方針を決めました。
民主党の対案には、NATO諸国などがアフガニスタン国内で展開する国際治安支援部隊(ISAF=アイサフorアイザフ)の任務のうち4つほどの民生支援への参加が書き込まれる可能性があります。
参院議員の浅尾慶一郎ネクスト防衛大臣、衆院の鉢呂吉雄ネクスト外務大臣が党内の意見をとりまとめるとみられます。
ところで、閣法が衆院へ、対案が参院へ提出された場合、国会審議はどうなるのでしょうか? かつてこのような例があるのでしょうか? よく分かりません。
記者も各党の国対委員長に張り付いて大変でしょう。審議日程が分からないと、議論や取材どころではなくなります。国会日程の把握の取材は、私も経験がありますが、とてもバカバカしい徒労なのです。が、国民の代表として若い記者さんに頑張って欲しいです。
[追記 2007-10-17 15:30]
この件について、小沢代表は16日の定例記者会見で
「委員会の論戦の中で示すか、主張をより鮮明にするために対案を提出するか、状況を見て判断する」と述べていますので、まずは衆院での審議が先行するようです。[追記終わり]
[やはり今国会最大の焦点に]
やはり今国会最大のかけひきは「テロ特」になってきました。今の議論では民主党がリードしています。
現在の議論は、参院民主党の浅尾ネクスト防衛相が石破防衛相に勝っていると私は思います。
一方、衆院民主党の鉢呂吉雄ネクスト外相はもうひとがんばり欲しいところ。ただ、衆院自民党の質問者席に立つであろう中谷元さんは気負いすぎ。自衛官出身だからと言って、自衛隊の期待を一身に背負うとボロがでてきそうです。
[息詰まる攻防 自民・民主両党の論客紹介 衆参]
衆院テロ対策特別委員会(国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会)の委員名簿(9月26日現在)を見ると、
民主党は鉢呂さん、 長島昭久さん、松野頼久さんに期待。
自民党は河野太郎さん、元防衛庁長官の中谷元さんがいますが、石破防衛相任せの展開になりそうな気もします。
参院外交防衛委員会をみると、民主党は浅尾さん、自民党は山本一太さん。波乱要因は自民党の「ヒゲの隊長」こと佐藤正久さんですが、どうでしょうか?
民主党副代表でもある北沢俊美委員長の行司役も重要になってきます。
衆参共に委員の差し替えはいつでも出来ますから、他の論客が登場することもあります。息詰まる攻防が続きます。
このエントリーは次の新聞記事を参考にしました
海上阻止艦船への補給に限定、与党が新テロ法の要綱了承(読売新聞)
新テロ特措法、民主が対案提出へ…アフガン民生支援盛る(読売新聞)
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