【国会傍聴記 2007年10月17日 参院予算委員会基本的質疑のうち米価下落に関する部分】
今回の傍聴記は新聞記事を見てから起こしました。今後、ときどきこういうこともあるでしょうが、インターネット審議中継を使って、当日のやりとりを見直すなどして、臨場感あるものに努めます。
(写真は農林水産大臣の若林正俊さん、同省ウェブサイトから)
参院予算委員会では、自民党の野村哲郎さん(鹿児島選挙区)、紙智子さん(全国比例)が質問し、若林正俊農相(長野選挙区)が答弁しました。
若林農水相は17日、政府が余剰米の買い入れを検討する方針を明らかにした。
野村さん、紙さんは過去最低水準を更新したコメの値下がりに対する政府の方策を質問しました。若林農水相は「食糧法上、価格を支えるための買い入れはできない」としたうえで、「不作に備えた備蓄はできる。その趣旨の範囲内で(買い入れを)行うことは考えられる」と答えました。
朝日新聞の記事では、コメ備蓄の適正水準は100万トン程度と決まっているが、現在は77万トンで、二十数万トンを買い入れる余裕はあるとのこと。
また朝日新聞は問題点として、政府はこれ以外に、輸入米の在庫を今年3月末時点で175万トン抱え、保管費用も年間170億円(05年度)支出しており、備蓄米名目で余剰米を買い増し、コメの価格を下支えすることに対しては、「税金による農家過保護」と批判される可能性もあると記事で指摘しています。
余剰米買い入れ検討 米価下落 農水相「備蓄名目で」(朝日新聞) - goo ニュース
[新聞読み比べ]
朝日新聞では10月19日付2面の看板コーナー「時々刻々」で「米価低迷 農家悲鳴」「コシヒカリ11%下落」「減収招く政策に不信」と見出しを立てています。
それと、毎日新聞の(おそらく)経済部の記者がこの問題を追いかけているようで、読み応えのある記事を書いていますので、紹介します。
2007年10月18日(木)05:37 (毎日新聞)
2007年産米の価格が下落している問題で、農林水産省は過剰米の一部を政府が買い上げ、備蓄米の在庫を積み増す方向で検討を始めた。現在の在庫が適正水準とされる100万トンより少ない77万トンにとどまっており、積み増す余地があるとみている。政府の売り渡し数量を買い入れ数量が上回るようにする見通しだが、具体的には10月15日現在の作況指数などをみて決める。
若林正俊農相は17日の参院予算委で、「(備蓄米の適正在庫との間に)二十数万トンの余裕がある。備蓄制度の範囲内で適切な運用を図る余地はある」と述べた。食糧法でコメの売買をめぐる政府の役割は備蓄運営に限られているが、適正在庫の確保が目的なら事実上の買い支えが可能との考えを示唆したもの。野村哲郎氏(自民)と紙智子氏(共産)の質問に答えた。
一方、自民党の農業基本政策小委員会は同日、農政見直しに関する集中的な議論を始めた。参院選の敗北の原因の一つが農政だったとして、米価下落対策や農家への助成のあり方について「ゼロベースで検討する」(西川公也小委員長)としている。【位川一郎】
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