きょうは民主党のエース級4人が続々登場。朝から自民vs民主の2大政党ががっぷり四つに組んだ大激戦で、「戦前の帝国議会のように2大政党制が復活したんだなあ」、と感慨に耽りました。
衆院予算委の筆頭理事は岡田克也さん。各議員とも民主党案の紹介は控えめで、政府の姿勢を追求する、いい意味で野党らしい姿勢で臨んだ印象を持ちました。
■国会傍聴記 2007年10月10日(水)衆・予算委員会 基本的質疑2日目■
【民主党4人衆 代表経験者3人】
民主党は菅直人さん(東京18区)、馬淵澄夫さん(奈良1区)、前原誠司さん(京都2区)、岡田克也(三重3区)と代表経験者3人を含むエース級4人が登板しました。テーマはインド洋での給油活動、入札制と天下り、政治とカネが大きなテーマでした。4議員間の連携はうまく出来ていました。
【前原さん、無駄遣い指摘 国交省の“競争入札”落札率は99%!】
前原さんが質問に立つと聞いて、外交・防衛分野、今ならテロ特措法について時間を割くのかと思っていたら、税金のむだ遣い(「公共工事の入札・天下り問題」と「政令市をめぐる県庁と県議会のリストラ」)に集中しました。
巷で言われている、小沢代表との安全保障に関する見解の違いが露呈することを恐れたのかもしれません。テロ特は菅さん(午前)、岡田さん(午後)が手分けして、外相と防衛相に猛攻撃をかけました。
さて、前原質問。まずは「熊本県の川辺川ダムに3回行った。いまだにダムは出来ていないが、当初予算の350億円が、ここまでの総事業費が2043億円と6倍にふくれあがっている。地元・相良村の村長さんも『ダムはいらない』と言っている」と追求、冬柴国交相は「やはり作りたい」と答えました。
前原さんは「人吉市の旅館に泊まったが、洪水の痕が残っている。ご主人に聞くと、『ダムができたことで、水の流れが変わって洪水が多くなった』と言っている」。冬柴国交相は「学識経験者が『できる』と言っている」。
ここで予算委はお昼休みになりました。
学識経験者・・・またしても第三者です。今国会の論戦で何度目の「第三者」でしょうか。政治団体の収支報告書は「第三者機関のチェックを受ける」(首相)、沖縄戦の集団自決では「教科書検定の審査会」(渡海文科相)、年金も地方制度もなにもかも第三者ばかり。そのうち第三者機関の整理・統合を審議する「第四者機関」でもできるんじゃないでしょうか。
第一委員室をみて、きづいたことを書きます。
50人の委員席の後ろに議員用の傍聴席が1列あります。
自民党は小泉チルドレンたちが、やはり1回生の国対副委員長の指図で、席を外している委員の席に座り、傍聴していました。土屋正忠さん、小野次郎さん、猪口邦子さん、佐藤ゆかりさん、杉村泰蔵さん、葉梨康弘さんらです。
一方、野党側の傍聴席には、民主党の羽田元首相や直嶋政調会長(参院)らが見守っていて緊張感がありました。
与野党問わず、居眠りしている議員はいませんでした。
国会珍プレーもありました。前原さんの質問で、冬柴国交相が答弁に行き詰まってしまったとき、国交省の役人が大臣に助け船の1枚紙を渡そうとすると、前原さんは「ダメだよ事務局!」制しました。
しばらくすると、副大臣(与党の国会議員)が役人から紙を受け取り、冬柴さんに“バトンタッチ”。一瞬手で制そうとした前原さんに与党議員から「事務局ではございません」のヒトコト。前原さんも苦笑いするしかありませんでした。珍プレーというより好プレーでしょうか。議論の場にはこういうことも必要だと思います。