[写真]「32ある1人区すべてで野党一本化」という現在まで続いた路線の最初の野党党首会談にのぞむ志位和夫さん、岡田克也さん、2015年7月、宮崎信行撮影。
国会議事堂前に20万人が詰め寄った平和安全法制「シールズの夏」で成立した市民連合を介した「野党一本化路線」「32ある1人区で一本化」に成功した「2016年体制」が転換点を迎えました。
岡田克也代表・枝野幸男幹事長、志位和夫委員長・小池晃書記局長の「野党連携」は、地域ごとに代表がいる「安保法制を廃止して立憲主義を回復する市民連合」(代表委員・山口教授)とともに「市民と野党の共同候補」として、第24回参院選で、「32ある1人区で一本化(香川のみ共産公認)」に成功しました。
その後、揺り戻しはありながらも、岡田・枝野両氏が旧民主党の主導権を握り続けたため、維持され、2年前の補選の完勝を経て、第49回衆院選にのぞみましたが、議席減(小選挙区は増加)となり、枝野代表が辞任しました。この際、岡田・枝野両氏らが2016年以降一度たりとも公の場で発言していない「野党共闘」という言葉を使い、「野党共闘が否定された」という関東大震災の朝鮮人虐殺ばりのありもしないでっち上げデマ誤報を読売新聞・産経新聞が報じ、これを指摘した筆者の記事(枝野幸男前代表「野党共闘という言葉は一度も使っていない」「今の選挙制度から必然的に求められていた」「想定外に早く野党第一党になってしまい政権の選択肢を示さざるを得なくなった」 - ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記)は反響を呼びました。
そして、昨夏の第26回参院選では、日本維新の会に比例代表で1議席上回れるという非常に歴史的な敗北を喫した立憲民主党。今週の第20回統一地方選後半戦でも日本維新の会・大阪維新の会が700近い地方議員を擁するまで組織が拡大しました。
岡田克也さんは今週日曜日のNHK開票特番の午後10時台に、千葉5区補選で「一本化できていれば勝てた」と発言しましたが、その後大分補選で自民党候補が当選したことから、「一本化しても勝てない」という現実を突きつけられました。
これについて、きのう令和5年2023年4月25日の記者会見で筆者の指摘に対して「野党が一本化する、あるいは選挙で候補者の調整をするということは、必要条件であって、十分条件ではありません」「やはり地力の差というのはあるのです、地域によっては」「もう少し私たち立憲民主党は力をつけなければいけないということだと思います」「候補者を調整するということは一つの知恵としてあるのだというふうに思っています」と語りました。
数学書によると、必然的に導かれる結論が必要条件で、成り立たせるために十分な仮定が十分条件。ですから、大分のように与野党一対一で接戦になるための必要条件で、野党候補が乱立しても立憲民主党候補が接戦になった千葉5区では一本化交渉は十分条件だということになると思います。衆院選は小選挙区比例代表並立制で、他の野党は小選挙区に立てた方が比例拡大につながるので、次期衆院選に向けて野党一本化は「十分条件」の色彩が強くなり、調整は緩くなると考えられそうです。
維新の伸長と、共産の退潮に加えて、立憲が新潟県連を除いて接戦区でことごとく負け続けたことから、野党一本化路線は転換することになりました。2016年体制のもう一方の実力者、枝野幸男さん福山哲郎さんの考え方にも注目されます。
以上です。
国会議事堂前に20万人が詰め寄った平和安全法制「シールズの夏」で成立した市民連合を介した「野党一本化路線」「32ある1人区で一本化」に成功した「2016年体制」が転換点を迎えました。
岡田克也代表・枝野幸男幹事長、志位和夫委員長・小池晃書記局長の「野党連携」は、地域ごとに代表がいる「安保法制を廃止して立憲主義を回復する市民連合」(代表委員・山口教授)とともに「市民と野党の共同候補」として、第24回参院選で、「32ある1人区で一本化(香川のみ共産公認)」に成功しました。
その後、揺り戻しはありながらも、岡田・枝野両氏が旧民主党の主導権を握り続けたため、維持され、2年前の補選の完勝を経て、第49回衆院選にのぞみましたが、議席減(小選挙区は増加)となり、枝野代表が辞任しました。この際、岡田・枝野両氏らが2016年以降一度たりとも公の場で発言していない「野党共闘」という言葉を使い、「野党共闘が否定された」という関東大震災の朝鮮人虐殺ばりのありもしないでっち上げデマ誤報を読売新聞・産経新聞が報じ、これを指摘した筆者の記事(枝野幸男前代表「野党共闘という言葉は一度も使っていない」「今の選挙制度から必然的に求められていた」「想定外に早く野党第一党になってしまい政権の選択肢を示さざるを得なくなった」 - ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記)は反響を呼びました。
そして、昨夏の第26回参院選では、日本維新の会に比例代表で1議席上回れるという非常に歴史的な敗北を喫した立憲民主党。今週の第20回統一地方選後半戦でも日本維新の会・大阪維新の会が700近い地方議員を擁するまで組織が拡大しました。
岡田克也さんは今週日曜日のNHK開票特番の午後10時台に、千葉5区補選で「一本化できていれば勝てた」と発言しましたが、その後大分補選で自民党候補が当選したことから、「一本化しても勝てない」という現実を突きつけられました。
これについて、きのう令和5年2023年4月25日の記者会見で筆者の指摘に対して「野党が一本化する、あるいは選挙で候補者の調整をするということは、必要条件であって、十分条件ではありません」「やはり地力の差というのはあるのです、地域によっては」「もう少し私たち立憲民主党は力をつけなければいけないということだと思います」「候補者を調整するということは一つの知恵としてあるのだというふうに思っています」と語りました。
数学書によると、必然的に導かれる結論が必要条件で、成り立たせるために十分な仮定が十分条件。ですから、大分のように与野党一対一で接戦になるための必要条件で、野党候補が乱立しても立憲民主党候補が接戦になった千葉5区では一本化交渉は十分条件だということになると思います。衆院選は小選挙区比例代表並立制で、他の野党は小選挙区に立てた方が比例拡大につながるので、次期衆院選に向けて野党一本化は「十分条件」の色彩が強くなり、調整は緩くなると考えられそうです。
維新の伸長と、共産の退潮に加えて、立憲が新潟県連を除いて接戦区でことごとく負け続けたことから、野党一本化路線は転換することになりました。2016年体制のもう一方の実力者、枝野幸男さん福山哲郎さんの考え方にも注目されます。
以上です。