[画像]鋭く追及する民主党の大野元裕・元防衛政務官、2014年6月19日(木)、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
【参議院議院運営委員会 2014年6月19日(木)】
特定秘密保護法(平成25年法律108号)の附則10条にもとづく、国会法改正案(衆議院可決済み)と、参議院で加わった「参議院規則改正案」(186規則3号)と「参議院情報監視審査会規程(案)」(186規程案2号)の3議案を審査しました。民主党が提出した国会法104条改正案は衆議院で否決されてしまったので、参院には来ていません。
定刻より1時間弱遅れてスタート。各会派が一巡し、2時間半ほど質疑をしました。衆院段階では7時間審議をしているので、実質会期末の6月20日(金)も審査される見通し。
先の臨時国会の強行採決時の質疑者の役回りを演じた、自民党の宇都隆史さんは「自衛隊時代に特定秘密を扱う仕事をした」としたうえで、「(先の臨時国会の)特定秘密保護法の審議では、野党、とくに第一党の民主党の先生から建設的な意見をもらった。特定秘密保護法は(ベストではないが)モア、ベターな法律だ」と、心の中で半年間秘めたであろう本音を漏らしました。そのうえで「特定秘密の管理が出来ていたかどうかの歯止めは、政権交代が果たすことになる。新しい政権は、前の政権の特定秘密の管理について問題があったならば、暴けばいいのだ」としながらも、「とはいっても、本会議でいきなり暴くのは問題だ」と質疑。同じ自民党の長谷川岳さんが「その場合は、懲罰の対象になる」と、規則などの改正案を説明しました。
民主党の大野元裕さんは「アメリカ議会の情報委員会では、議員秘書も適性検査の対象になっているが、案ではどうなっているか」と問うと、自民党の上月良祐さん(昨夏初当選)は、「秘書は対象にならない」と答弁。大野さんが、適性検査を受けた参議院情報監視審査会事務局職員が、秘書が特定秘密を知っていると気づいたときには、刑事訴訟法にもとづき告発しなければならないのか」と聞くと、上月さんは「今回はなっていない」「運用上の問題」と言った答弁を繰り返したびたび審議がストップ。大野さんは「要するにそこまで詰め切れていないんでしょう。案を撤回する考えはあるか」と問いましたが、提出者は否定しました。
日本維新の会・結いの党の清水貴之さんが、参議院から行政府に対する勧告について「法的根拠がない」と問いました。これに対して国会法改正案提出者の公明党衆議院議員、大口善徳さんは「国権の最高機関である国会の、情報監視審査会は極めて権威が高い」と、まだできてもいない会議体について権威が高いことが、行政府に対する強制力の担保になりうるという趣旨の答弁をしました。
みんなの党の水野賢一さんは「8名で構成するが、具体的に今の院の会派構成だとどうなるか」と質問。上月さんが「自民党4名、民主党・新緑風会2名、公明党1名、日本維新の会・結いの党が1名」と答えると、「別にうちの党が入っていないからいう訳ではないが人数が少ないし、その根拠がない。議院運営委員会は長年10名以上会派には理事を出す慣習があり、そちらに従うべきだ」と主張。この後に質問した共産党の仁比聡平さんは「最初の事務局の職員の配置についてどう決めるのか」と問うと、上月さんが「衆参の正副議長に国会職員法に基づき基準をつくる」と答弁。仁比さんは「その場合の議長は、議院運営委員会理事会に諮るのではないか」として、審査会に委員が出ない、みんなの党理事、共産党理事もかかわることになり、設計が不十分ではないかと指摘しました。
水野さんの質問に対して大口さんは免責特権について、「国会議事堂内でも、記者会見やぶら下がりで特定秘密を洩らした場合は、刑事罰の対象になる」と答弁。この後、水野さんが細かく問うと、大口さんは「理事懇談会は刑事罰の対象になるが、理事会は院内だ(から除外される)」と答弁することになり、水野さんは「要するに詰め切れていないんでしょ」と出し直しを要求されました。
しどろもどろの答弁で、仕切り直すべきでしょう。だいたい、会期末直前に案を出し、昨夏当選したばかりの議員に答弁させるような自民党の常套手段はいい加減やめたらどうか。
特定秘密保護法附則10条は、「国会に対する特定秘密の提供については、政府は、国会が国権の最高機関であり各議院がその会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定める権能を有することを定める日本国憲法及びこれに基づく国会法等の精神にのっとり、この法律を運用するものとし、特定秘密の提供を受ける国会におけるその保護に関する方策については、国会において、検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」と定めています。
民主党は12月と予想される特定秘密保護法施行まで、議会制民主政治を守り、オープン・ガバメントをつくるため、徹底抗戦するかまえ。
[お知らせ1 はじめ]
この無料ブログの姉妹版として、有料版の「今後の政治日程by下町の太陽・宮崎信行」を発行しています。
2009年からのロングランの有料会員制ブログに加えて、
2014年4月、メルマガ版(メールマガジン版)を創刊しました!
購読料は、どちらも、月800円(税込864円)となります。
内容は同じですが、ソーシャルネットワークのスタイルにあわせて、会員制ブログ版、メルマガ版、あるいは両方のご購読お願いします。
自動継続のため、安定した収入源として、こちらの無料ブログを6年以上続けられる原動力となっております。
今後の政治日程by下町の太陽(会員制ブログ版)
購読方法はシステムを提供している「レジまぐ」(メディア・インデックス社)へお問い合わせください。
[おわり]
[お知らせ2 はじめ]
「国会傍聴取材支援基金」を設けています。交通費、資料代、傍聴券をとってもらっている議員事務所への些少な茶菓代に充てたく存じます。日本唯一の国会傍聴ブログの継続にご協力ください。半年に1回、会計報告もしております。
「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い
どうぞよろしくお願いします。
[おわり]
[お知らせ3 はじめ]
このブログは次の各ウェブサイトを活用して、エントリー(記事)を作成しています。
衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)
参議院インターネット審議中継
国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)
衆議院議案(衆議院ウェブサイト)
今国会情報(参議院ウェブサイト)
各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)
予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)
民主党ニュース(民主党ウェブサイト)
goo 政治ニュース
インターネット版官報
[おわり]