宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

平成28年度第1次「熊本地震復旧・復興」補正予算案提出、一般会計で補正後96・7兆円

2016年05月13日 10時14分51秒 | 第190回通常国会(2016年前半)


 政府は、平成28年度第1次補正予算案、2016年5月13日(金)の定例閣議で決定し、国会に提出しました。

 補正後の、平成28年度一般会計の総額は96・7兆円(96兆7218億4105万4000円)

 午後の衆議院本会議と参議院本会議で麻生財務相が財政演説と代表質問。夕方衆参予算委で趣旨説明。

 熊本と大分の地震被害への復旧と復興のための予備費新設が柱。

 補正予算案では、一般会計から歳出として繰り出して、国債整理基金特別会計に歳入として繰り入れるお金を7780億252万9000円減額補正。一般会計の歳出には予備費を7000億円、その他の補助金を780億円追加しました。

 この補正により、一般会計総額は変わらず、特別会計は7780億円減りました。すなわち、一般会計と特別会計を合わせた財政規模は0・8兆円スリムになりました。

 これは、黒田東彦日本銀行総裁が始めたマイナス金利の影響で、財務省理財局で応札する新規発行国債の入札価格で、満期償還価格が100円のところを、表面価格で101円(すなわち金利では年率マイナス1%)で落札している、市中銀行・証券会社が一部にいるため。このため、年度中に国債償還の歳出が減る見通しとなり、その分を前倒して、一般会計の歳出に充てるもの。

 第2次第3次安倍内閣は、どういうわけか、当初の一般会計予備費を毎年わずか3500億円しか組んでいないことから、早めの予備費積み増しを決定した格好です。与野党合意のうえ、大型連休に編成したもので、査定が間に合わず予備費を中心にしました。再来月の参院選への配慮はない観測。むしろ与党内の大型補正プランを消す政局感が、与野党双方に働いたもようです。

 予算書は→こちらをクリックしてください。

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「部落差別解消推進法案」を自民党と公明党が提出の動き まったく不要で、提出すべきでない

2016年05月13日 08時18分56秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 「差別解消推進法案」というものを、今国会(平成28年2016年6月1日までの2週間)に提出する動きがあることが分かりました。

 公明党法務部会と、「差別解消推進基本法検討プロジェクトチーム(遠山清彦座長)」が、「同法案の審査を行い、了承した」と、5月13日付公明新聞が報じました。

 自民党の山口つよし衆議院議員は自身のウェブサイトの3月12日付記事

 「自民党本部において、問題に関する小委員会が設置され、私が委員長」 に就任したとして、「特別措置法により物理的側面はかなり解消されたと言われますが、心理的側面がまだ残っています。過去、自民党から人権擁護法案としてとして国会に提出されるも、成立に至りませんでした。意識の濃淡も地域によってかなり温度差が有ります。かなり意見の集約の難しい問題です」と書きました。

 山口さんの記事に添付されている、自民党の内部資料とおぼしき資料には、平成14年3月に人権擁護法案を提出したという説明と並立する格好で、平成14年3月に「地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」が失効した、と記述されています。

 これからして自民党と公明党が提出しようとする法案は、差別・同和問題に関係した、何らかの対策事業を国費で補てんする方向性をもった施策に関するものと考えられます。

 被差別は、現在我が国に1平方メートルたりとも存在しません。また、差別は、世界の歴史において、江戸から昭和にかけた日本にしか存在しない差別です。

 公明新聞によると、解放同盟の組坂委員長は「差別は社会悪との認識を社会全体に根付かせることが重要だ」と語ったようです。しかし、差別の存在そのものを知っている国民は半数以下と考えられ、根付かせる方が社会悪です。例えば、現に東京都庁には「」という文字が入った部署はありません。

 基本的には利権復活をめざした立法とみるのが当然です。おそらく、提出だけして、採決せずに、継続審査にして、第24回参議院議員通常選挙の「ニンジン」としてぶら下げようという思惑が透けて見えます。

 私は法案全文や骨子を見ていませんが、提出そのものを止めさせるべきだと考えます。 

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1年越しでヘイトスピーチ規制法案が参法務委で結論 銀行法改正案が参委審議入り 【5月12日(木)】

2016年05月12日 18時41分27秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 1月4日の召集以来、まったく風邪をひいていないのですが、毎年のように会期末特有のフラフラ感となってきました。例年は心地よくフラフラなんですが、今国会は重要法案がないので、体中が乾燥している感じです(笑)

 ヘイトスピーチ規制法案が、国会提出から1年経ってついに決着を見ました。関心が高い「フィンテックとビットコインの銀行法改正案」参委で審議入りし今月の成立が確実に。 衆議院情報監視審査会では、インターネット中継入りで、年次報告書に対する参考人質疑がありました。同審査会は、次回も、傍聴・録画・録音を認めて開くことが決まりました。

【平成28年2016年5月12日(木)参議院法務委員会】

 ヘイトスピーチ法案がついに結論をみました。

 まず、1年前に、小川敏夫さんらが提出した「人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の推進に関する法律案」(189参法7号)が議題に。ここで、共産党の仁比聡平さんが発言を求め、採決に反対しました。この後の採決では、民賛成、共棄権、自公反対多数で否決されました。

 続いて、自公が提出した「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取り組みに関する法律案」(190参法6号)が議題になりました。公明党の矢倉克夫さんが修正案を提出。これに対する質疑がありました。この後採決し、全会一致で修正案を可決しました。

 この後、「刑事訴訟法改正案」(189閣法42号)の審議がありました。共産党の仁比さんが質問中に急に怒り出す弁論術がきょうも見られました。来週にも採決し、会期末ぎりぎりに衆議院に送られることになりそうです。

【同日 参議院財政金融委員会】

 「フィンテックとビットコインの銀行法改正案」(190閣法43号)が麻生金融相から趣旨説明されました。質疑は次回。

【同日 衆議院本会議】

 まず、国会同意人事。

 続いて、「酒の安売りを規制する、酒税法改正案」(190衆法35号)が全会一致で可決し、参議院に送られました。

 「改正国立大学法人法」(190閣法35号参先議)は、賛成多数で可決し、成立しました。来年4月1日(土)施行。

 「改正海上交通安全法」(190閣法37号参先議)は、全会一致で可決し、成立しました。公布から2年以内に施行。

 「漁船損害補償法及び漁業災害補償法を改正する法律」(190閣法36号参先議)は全会一致で可決し、成立しました。

 「平成26年度一般会計予備費使用総調書その1」「同その2」「同国庫債務負担行為総調書」は、民共反対、自公賛成多数で承諾され、参へ。

 「障害者総合支援法改正案」(190閣法39号)は起立多数の賛成多数で可決し、参へ。

 「発達障害者支援法改正案」(190衆法36号)は全会一致で可決し、参へ。

 「FIT再生可能エネルギー買い取り特別阻止法改正案」(190閣法28号)は賛成多数で可決し、参へ。

【同日 衆議院情報監視審査会】

 インターネット中継され、本会議で報告済みの年次報告書に対する参考人質疑と委員間討議がありました。

 自民党の岩屋毅さんは「特定秘密保護法施行前は、防衛省では独自の判断で廃棄できるようになっていたので、管理されるようになってよかったのではないか」とし、この審査会では、与野党の歩み寄りの文化ができつつあるとしました。次回の会議も傍聴、撮影、録音を認めることを決議しました。ただし、日程は未定。

【同日 参議院外交防衛委員会】

 「日本イラク受刑者移送条約の承認を求めるの件」(189条約15号)を全会一致で承認しました。

 質疑では、対象者の9割以上が薬物犯罪だとの話がありました。

 以前も書いた通り、この条約はイランイスラム革命後初めての二国間条約で、承認順では2番目となりそうです。アントニオ猪木さんが「元気があれば革命もできる。ホメイニ師によるイランイスラム革命の当日の天気はどうだったか調べたら、晴日(ハーレビ)だった」という話をして、吹きだしてしまいました。学生時代に、台湾で、現地で報じこんだ1泊2日のオプションツアーで、インドネシアの団体と一緒になったのですが、観光地を訪れた有名人の写真に、ハーレビ国王の写真をみて、「ハーレビだ、ハーレビだ」と指さす姿を見て、汎イスラム世界の広大さに驚いたことがあります。猪木さんもそういう大きい世界を知っている政治家だと感じさせる質疑でした。 

【同日 参議院内閣委員会】

 「特区法改正案」(190閣法53号)が石破特区相から趣旨説明され、散会しました。「特区法案」と「一括法案」は衆では地方創生特別委に付託されていますが、参では、一括法案が地方・消費者問題特別委に、特区法案が内閣委に付託されるパターンが2年連続で続いています。

【同日 参議院国土交通委員会】

 「港湾法改正案」(190閣法19号)。共産党は反対討論はしませんでしたが、採決では反対しました。自公民の賛成多数で可決しました。あす成立。

 採決の直前に、参議院自民党の二之湯武史さんが委員にさしかわりました。こういう細かい下働きをしていると、出世するんだろうなあと思いました。

【同日 参議院厚生労働委員会】

 「特定B型肝炎感染者給付金支給法改正案」(190閣法27号)が全会一致で可決しました。この後、とくに新しい法案は審議入りしませんでした。

【同日 参議院農林水産委員会】

 「森林法などの一括改正法案」(190閣法50号)が賛成多数で可決しました。

 この後、衆側の委員長から「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法案」(190衆法29号)が説明され、質疑、討論省略のうえ、全会一致で可決しました。あす成立へ。

【同日 参議院総務委員会】

 「ビッグデータのために匿名加工個人情報を利用する、個人情報保護法改正案」(190閣法48号)の参考人質疑がありました。

【同日 参議院環境委員会】

 COP21パリ協定条約の国内実施のための、「温対法改正案」(190閣法51号)の質疑がありました。採決は次回以降。

【同日 衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員会】

 一般質疑がありました。

【同日 原子力問題調査特別委員会】

 一般質疑がありました。民進党の菅直人さんが質問しました。民進党の阿部知子さんは、この委員会に張り付くのが、原子力規制委員長だけで、大臣がいないことから、政治家同士で原子力行政の将来像について議論できないとの問いを投げかけました。

【同日 衆議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会】

 まず、加藤勝信拉致相がアメリカ出張報告。この後、午前中の参外防委から移ってきた、岸田文雄外相らを交えて、一般質疑がありました。質疑もいいけど、拉致被害者が早く帰国することを願います。

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黒田東彦日本銀行総裁が参議院財政金融委員長から注意「答弁は簡潔かつ明瞭に」

2016年05月12日 11時53分30秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 日本銀行の黒田東彦総裁が、国会で答弁を注意される異例の出来事がありました。

 平成28年2016年5月12日(木)の参議院財政金融委員会で、自民党で国対・議運の経験がながい、大家敏志・参議院財政金融委員長が

 「黒田総裁に申し上げます。答弁は簡潔明瞭にするようにお願いします」と注意しました。

 これに先立ち、速記が中断し、与野党の理事が協議していました。 

 審議は、桜井真審議委員の学歴・経歴で、博士号未取得に関する学歴の表現や、現在の財務省・内閣府などでの経歴の時期がずれている問題など。

 日銀は国会内に控室を持っていますが、政府機関ではなく、黒田総裁らは、緑色の参考人記章で出席しています。

 日銀の総裁、副総裁、審議委員は、参考人であり、霞が関局長らの政府参考人ではなく、政治家同士である大臣・副大臣・政務官でもないことから、国会で、委員長から注意されたのは極めて異例です。

 参考)参議院インターネット審議中継

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衆議院法務委員会で外国人技能実習生法案「報酬など明示」自公民修正案で合意【5月11日(水)】

2016年05月11日 17時45分58秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

【平成28年2016年5月11日(水)衆議院法務委員会】

●外国人技能実習生法案「食費と居住費の実習生負担を機構に提出義務付け」で自公民修正案提出。

 久しぶりの自公民合意です。

 政府が国会に提出してから1年2か月以上たった、「外国人技能実習生機構法案」(189閣法30号)。それと、「入国管理法改正案」(189閣法31号)

 自民党の吉野正芳さんと民進党の逢坂誠二さんら自公民3党が共同で修正案を提出。政府原案とならべて審議したうえで、次回以降に採決することになりました。

 修正に至った経緯は、「当委員会での数次にわたる参考人質疑と視察」(逢坂さんの修正案の趣旨説明)によって、修正の機運が出たようです。 

 新しくできる「機構」に対して提出する、外国人技能実習生の受け入れ実施計画書に、報酬、労働時間、休日、実習生が負担する食費、実習生が負担する居住費を明記しすることを義務づける修正案です。この、「実習生が負担する食費」と「実習生が負担する居住費」を明記させる発想に、参考人質疑で得た知見を感じます。修正案では施行日も修正しました。社長たちも実習生を搾取するよりも、イノベーションiPS山中博士の助手の助手の助手に顕微鏡をレンタルする事業でも始めた方が、よっぽど先の見通しは明るいでしょう。次回も修正案を審議することになり、民法債権編改正案(民法債権編抜本改悪法案、189閣法63・64号)の廃案が確実な情勢となっています。

【同日 参議院本会議】

 まず、「特定商取引法改正案」(190閣法44号)の趣旨説明と代表質問がありました。今国会の参本では珍しく議場内交渉となり、河野太郎消費者相に答弁漏れがあることが分かりました。ここで、再登壇した河野大臣を、自民党が万雷の拍手で迎える与党らしさに、前議運筆頭理事の民進党の「ミスター正義」前川清成さんが元気に声を出していたようです。

 この後、「日本オマーン投資協定の条約承認を求めるの件」(190条約2号)と「日本イラン投資協定の条約承認を求めるの件」(190条約3号)を採決。投票総数231、賛成220、反対11で、両院承認されました。

 「改正JBIC国際協力銀行法」(190閣法25号)は、231、213、18の賛成多数で可決し、成立。公布日に施行。

 「特定国立研究開発法人特別措置法」(190閣法32号)は、230、214、16で、衆議院で修正された政府案を可決し、成立しました。

 「改正使用済み核燃料再処理積立法」(190閣法17号)は、投票総数226、賛成200、反対26の賛成多数で、衆修正の政府案を可決し、成立しました。

【同日 参議院地方・消費者問題に関する特別委員会】

 「第6次地方分権一括法案」(190閣法52号)が審議され、採決。共反対、自公民賛成多数で可決しました。

 きょうの本会議で審議した「特商法改正案」に、「消契法改正案」をあわせて、次回審議入りするのだろうと思われます。

【同日 衆議院厚生労働委員会】

 「障害者総合支援法改正案」(190閣法39号)の審査が終わり、採決。全会一致で可決しましたが、傍聴席から「ふざけんな!」との大声が上がりました。ちょっと事情が分かりませんが、この法案は高齢者である障害者が介護保険を使いやすくするなどの包括的な改正案だと理解しています。

●発達障害者支援法改正案が超党派の議員立法で起草され、全会一致で可決。

 この後、議員立法として、「発達障害者支援法改正案」(190衆法おそらく36号)が起草されました。渡辺博道厚生労働委員長の説明によると、自治体が発達障害者の特性に配慮して有機的な連携を図りながら、地位kの事情を踏まえて身近な支援体制で相談などに乗るよう義務付ける内容のようです。

 採決の結果全会一致で可決し、委員長が本会議にはかることになりました。

 ともに、今国会で成立する見通し。

【同日 衆議院経済産業委員会】

 あの震災国会で岡田3兄弟(与党の岡田克也幹事長、玄葉光一郎政調会長、安住淳国対委員長)による総理大臣の名誉ある撤退などで閣法成立率80%を成功し国難を軽減した憲政最大の名シーンの舞台となった、再生可能エネルギー買い取り法。

 固定価格買い取りの定着による太陽光エネルギーの普及を受けて、手直しする「FIT再生可能エネルギー買い取り法改正案」(190閣法28号)は共反対、自公民賛成で政府原案通り可決しました。共産党は独自の修正案を出しましたが広がりませんでした。

 附帯決議では、民進党の升田世喜男さんが合計13本の附帯決議案を説明し、採択されました。青森1区の升田さんのウェブサイトには「すべては青森のために」とあるのですが、青森の代議士の原発・再生エネをめぐる問題への情熱の強さが印象的な今国会です。

【同日 衆議院国土交通委員会】

 「海上交通法改正案」(190閣法37号参先議)が全会一致で可決しました。参議院先議ですから、次の衆議院本会議で可決すれば、成立します。

【同日 衆議院農林水産委員会】

 「漁船損害補償法及び漁業災害補償法を改正する法律案」(190閣法36号)が全会一致で可決しました。参先議なので次の衆本で成立のはこび。

【同日 衆議院文部科学委員会】

 「国立大学法人法改正案」(190閣法35号)が共反対、自公民賛成多数で可決しました。参先議なので、次の衆本で成立のはこび。

【同日 衆議院決算行政監視委員会】

 「平成26年度予備費使用総調書その1」と「平成26年度予備費使用総調書その2」、ならびに、「平成26年度国庫債務負担行為総調書その1」の3案が議題となりました。

 採決の結果、民共の反対、自公の賛成多数で承諾されました。次の衆本で承諾され、参に送付されます。

【同日 参議院国際経済・外交に関する調査会】

 調査報告書が仕上がったようで、委員間協議として、自民党から「両論併記の部分は良い」、共産党からも意見が出ました。いったん休憩した後、採決し、調査報告書は全会一致で認められ、議長に提出することになりました。柳田稔会長が本会議で報告します。

 調査報告書というよりも「柳田リポート」という呼び方でもいいのではないでしょうか。1990年衆議院初当選で、岡田克也さんとともに、平成6年政治改革4法と細川・羽田内閣を全力で支えた柳田稔さん。第24回参議院議員通常選挙の広島選挙区公認候補として出馬します。岡田代表率いる民進党が何が何でも再選させねばならない政治家であることは言うまでもありません。

【同日 参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会】

 江崎孝委員長(第24回参院選民進党全国比例公認候補内定者)のもと、大臣所信に対する一般質疑がありました。

【同日 参議院政府開発援助等に関する特別委員会(ODA特)】

 駐日ケニア大使などからの参考人質疑がありました。ODAのあり方に対する大使らの参考人質疑は例年同時通訳で、英語版もインターネット生中継されます。

【同日 衆議院外務委員会】

 一般質疑がありました。

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米大統領広島訪問は集団的自衛権の見返りで国を売り広島1区を買う岸田文雄外相の悪業だ

2016年05月11日 08時16分10秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

[画像]自民党の岸田外相、2015年5月、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 我が国の集団的自衛権の行使容認が、大盤振る舞いだったことが明らかになりました。

 オバマ米大統領が広島訪問=安倍首相同行―政府   

 今月の平成28年2016年5月27日(金)に米国のバラク・オバマ大統領が、広島平和記念公園(広島市中区=衆広島1区)を訪れることを、日米両政府がきのう10日(火)発表しました。 

 集団的自衛権を行使する平和安保法制で、日本の平和と国民(まだ生まれぬ子供を含む)の命を売り飛ばしたことが、アメリカの大きな利益だったことを示すものです。

 筆者・宮崎信行は、おととし平成26年2014年7月1日の「国の存立を全うし、切れ目のない安保法制のための解釈改憲」、きょねん4月の日米防衛協力のための指針いわゆるガイドライン、ことし3月施行の平和安保法制を一貫して、絶対に(ガイドラインのサイバー・宇宙を除く)批判してきました。

 およそ1年前の記事です。

売国の安倍訪米、オバマ大統領と「日米同盟はアジア太平洋から世界規模へ」日米首脳「法制化必要」一致
[画像]共同記者会見にのぞむ、安倍晋三首相(自民党総裁)とバラク・オバマ米大統領、米ワシントン・ホワイトハウス、C-SPANからスクリーンショット。 安倍晋三首相(自民党総裁)は日...
 

 衆広島1区選出の3代目代議士、岸田外相。

 国を売って広島1区を買いました。

 すでに、ジョン・ケリー国務長官が、G7外相とともに、平和資料館を見学。その後、ケリー長官の発案で、平和記念公園の碑や、原爆ドームを見学する、演出をしました。

 米国初の黒人大統領として残り任期1年を切ったオバマ大統領。オバマケア、ノーベル平和賞、米国キューバ国交回復とともに、レガシー(歴史的遺産)として、戦後レジームを終わらせるための広島訪問とみるのが妥当です。

 三重県から移動するなら、エアフォース1(アメリカ大統領が搭乗する米空軍専用機)などで広島だけでなく、長崎にも行けるはず。

 私は岸田外相は、平成の広田弘毅(吉田茂と同期で外務省に入り、先に大臣になったものの、戦後文官として唯一A級戦犯として死刑)だととらえています。ただ、広田よりも、能動的で優秀な外相かもしれません。

 集団的自衛権は、地球の裏側または南シナ海で、武器を輸送し、弾薬を提供することで、日本の抑止力を得ることです。集団的自衛権は島国日本にとっては、国益と国民益を損ねます。

 このことが、どういう意味があるのか。公明党・自民党支持者は、分からないなりに考えるべし。60年後、孫にどう思われるかに思いを馳せよ。


「集団的自衛権を含む安保法制は日本国民のものと理解」は良いが、カーターよ、その名の通り、灰になれ!
[画像]左のアシュ・カーター国防長官は、米国防総省ウェブサイト内の動画からスクリーンショット。 米国防長官のアシュ・カーター(Mr.Ash Carter)が、きのう平成27年201...
 


◎2015日米ガイドラインは「地域と地球規模の切れ目のない共同行動」国内法尊重のうえ【追記有】
[写真]米国防総省ペンタゴンが、2015日米ガイドライン署名に関するニュース記事につけたイメージ写真 岸田文雄外相、中谷元防衛相、ケリー国務長官、カーター国防長官は、平成27年20...

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AI、3Dプリンター、ビッグデータの著作権の制限と保護、法案検討へ 知的財産推進計画2016

2016年05月10日 23時59分59秒 | 第194回臨時国会(国難突破冒頭解散2017年9月)

(投稿は11日で、それから、10日付にバックデートしました)

 政府の知的財産戦略本部は、平成28年2016年5月10日(火)、政策パッケージ「知的財産推進計画2016」をまとめました。

 全文は7万文字で、このブログ(2万文字まで)では紹介できません。

 ただ、法改正の検討が必要と思しきメニューは一部で、

 (1)人工知能AIがつくる創作物が、人間がつくった創作物と似ている場合の、著作権の保護や、逆に二次利用のしやすさなどの著作権制限。

 (2)3Dプリンターなどのデータの保護。

 (3)ビッグデータなどの情報財の保護。

 に関して、現行法と現実との検討がなされることになりました。

 「民法の特別法」のうち、知的財産権に関する法律には次のようなものがあります。

 著作権法(昭和45年法律48号)

 商標法(昭和34年法律127号)

 特許法(昭和34年法律121号)

 不正競争防止法(平成5年法律47号) 

 「知的財産推進計画2016」を受けて、改正法案は、平成29年2017年以降の国会に提出することになりそうです。

 このほか、利活用の面から、文部科学省、文化庁、農林水産省、経済産業省、特許庁、公正取引委員会などでの検討作業が活発化しそうです。

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酒のディスカウントを規制する酒税法改正案が超党派で起草し、全会一致【5月10日(火)】

2016年05月10日 17時44分35秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 長く検討が続いていた、酒のディスカウント(不当な安売り)販売を規制する、「酒税法改正案」(190衆法おそらく34号)が起草され、全会一致で可決しました。今月中に成立し、1年以内に施行の見通し。

 午前3時に「パナマ文書公開」で明けたきょうは、くしくも衆参とも財金委で動きがありました。衆では、異次元の金融緩和を続ける日銀審議委員9人のうち2人の「東京大学大学院博士課程修了」者がいずれも博士号を持っていないことが分かりました。検索が増えている、ビットコインとフィンテックの法案は参委員会での審議入りは見送られました。宅建業法改正案も参での審議入りはありませんでした。

 残り会期3週間。火曜日は参議院の常任委員会の定例日で、全11委員会中10委員会(文教科学委員会)が開かれました。また、労働基準法改正案と民法債権編改正案は審議入りしておらず、今国会で成立しないことは確実な情勢となっています。

【平成28年2016年5月10日(火)衆議院財務金融委員会】

 「酒税法改正案」(190衆法35号)が宮下一郎委員長から提案され、全会一致で可決しました。本会議で提出され、今月中に成立し、1年以内に施行される見通し。酒類の安売りを制限するために、財務省と公正取引委員会の調整のしかたなどを盛り込んだ法案のようです。


●桜井真・日銀審議委員の経歴詐称疑惑晴れず、岩田規久男副総裁も博士号なし。

 これに先立つ一般質疑。

 1990年代前半までに活躍した人物は、名がある人でもグーグル検索で情報が引っかからない場合がありますが、桜井真さんも国会同意人事の報道が出た時点では一つも引っかからず、大変不思議な人物だと思っていました。

 民進党の宮崎岳志さんの質問に答えた桜井審議委員は、「博士号は持っていない」としながらも、東京大学大学院博士課程修了の経歴は日銀の基準によるもので間違いないとしました。またこれに先立つ修士論文はわずか4ページの分量だったことを認め、「東大紛争で東大の大学院教育が混乱していた」からだと説明しました。財務省や内閣府の研究員については、各々の担当者から在籍していたことが確認されましたが、なぜかすべて年月がずれていました。これについて桜井さんは「実は議運に提出された資料を初めて見た」とし、「異動に次ぐ異動で混乱していた」としましたが、内閣総務官室は「桜井さんから提出された資料にもとづき、作成した」と説明しました。岩田規久男副総裁も、博士論文はとっていないながらも「上智大学に就職するときに東大の担当者に聞いたら、あなたの場合は修了でいいと言われた。当時の東大の担当者はそういう指導をしていた」と説明しました。

●銀行法改正案の参議院での審議入りは次回以降に。
【同日 参議院財政金融委員会】

 「JBIC国際協力銀行法改正案(190閣法21号)」が共反対、自公民賛成で可決しました。あす成立へ。共産党は反対討論で、「不必要な融資を助長し、アジアでのインフラ競争を過熱させる」ことを懸念しました。

●宅建業法改正案の参議院委員会での審議入りは次回以降。
【同日 参議院国土交通委員会】

 「港湾法改正案」(190閣法17号)を石井啓一国土交通大臣が趣旨説明しただけで散会しました。宅建業法改正案の審議入りは後日となります。

【同日 参議院経済産業委員会】

 「使用済み核燃料の再処理積立法改正案」(190閣法17号)は共反対、自公民賛成多数で可決しました。

【同日 参議院内閣委員会】

 「国立研究開発法人の研究開発促進法案」(190閣法30号)は山本太郎さんが「理科学研究所のSTAP細胞不正疑惑でずれ込んだ」とする修正案の提出や、反対討論を経て、共生反対、自公民賛成多数で可決しました。

【同日 参議院総務委員会】

 「ビッグデータを活用するための個人情報保護法改正案」(190閣法48号)が趣旨説明されました。質疑は後日。あさって木曜日午前10時から宇賀克也東大教授らを招いての参考人質疑をやることになりました。

【同日 参議院外交防衛委員会】 

 「日本オマーン投資協定の条約承認を求めるの件」(190条約2号)「日本イラン投資協定の条約承認を求めるの件」(190条約3号)はともに共反対、自公民賛成多数で承認されました。

 この後、一般質疑を経て、「日本イラン受刑者移送協定条約の承認を求めるの件」(189条約15号)が審議入りしました。

【同日 参議院厚生労働委員会】

 一般質疑の後、「特定B型肝炎ウィルス被害者給付金法改正案」(190閣法27号)が審議入りしました。

【同日 参議院環境委員会】

 一般質疑の後、本会議から付託された、「地球温暖化対策推進法改正案」(190閣法51号)が趣旨説明されました。

【同日 参議院農林水産委員会】

 一般質疑の後、「森林法などの一括改正法案」(190閣法50号)が審議入りました。

【同日 参議院法務委員会】

 司法制度改革の議論が続き、審議の出口が見えてきたようです。

【同日 衆議院本会議】

 連休前に委員会審査を終えていた「特定商取引法改正案」(190閣法44号)「消費者契約法改正案」(190閣法45号)が全会一致で可決し、参議院に送られました。

【同日 衆議院国土交通委員会】

 野党側筆頭理事に泉健太さんが就任。

 「海上交通法改正案」(190閣法37号参先議)が趣旨説明されました。なお、日切れ指定の都市再生法の改正案はいまだに審議入りしていません。

【同日 衆議院農林水産委員会】

 「漁船損害補償法及び漁業災害補償法の改正案」(190閣法26号参先議)が趣旨説明されました。

【同日 衆議院法務委員会】

 「外国人技能実習生機構法案」(189閣法30号)と「入国管理法改正案」(189閣法31号)の参考人質疑がありました。愛知の全労連の会長は、かなり頼りになる方のようです。民法債権編改正案は今国会成立しないことは確実な情勢。

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民進党がパナマ文書調査チームを立ち上げ、安住淳国会対策委員長「正直者が馬鹿をみないように」

2016年05月10日 13時18分31秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

[画像]緒方林太郎民進党衆議院議員、2015年7月10日の衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 日本時間で、2016年5月10日(火)午前3時に、パナマ文書が国際的な民間報道団体「ICIJ」のウェブサイトで公開されたことについて、

 民進党の安住淳国会対策委員長は同日朝の記者会見

 「民進党は重大な関心をもっている。正直者が馬鹿をみることにならないよう、支給対応する」とし、

 国対内に「パナマ文書調査チーム」を立ち上げた、と発表しました。

 座長には、外務省出身で英語とフランス語に堪能な、緒方林太郎衆議院議員=画像=を充てました。副座長は、玉木雄一郎・元大阪国税局総務課長。

 法人税減税を進める安倍自民党に対して、政権担当時に政策減税の整理など法人税増税を進めた民進党との違いを際立たせる考えもありそうです。

 安住国対委員長は、国税庁を所管する財務省の大臣経験者。

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残り会期3週の参議院で朝鮮総督府特別会計を加えて決算委員会の准総括質疑【5月9日(月)】

2016年05月09日 17時21分04秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 残り会期は3週間半となりました。ここからは怒涛のスピードになります。

【平成28年2016年5月9日(月)参議院決算委員会】

 会期後に改選をひかえる、参議院では、決算委員会(小泉昭男委員長)が「平成26年度決算の准総括質疑」。

 准総括質疑は、採決の1回前に行われます。

 参院選の夏に向けて、第22期・第23期参議院のラスト3週半の攻防の流れができます。

 これに加えて、ここから「昭和19年度及び20年度の朝鮮総督府特別会計決算」が付託されました。

 政府の答弁などによると、朝鮮総督府の会計資料は、占領軍の持ち去りや、提出義務が通じなかったために散逸しました。現存する場合も、部分的な記録にとどまり、外地特会はまったく作成できない状態でした。戦後70年の節目に、当時の予算書を基にして、日本銀行の国庫出納帳簿から可能な限り作成して、国会に提出した、とのことです。また、会計検査院の検査については、「日銀の帳簿と合致しているか確認した」とのこと。精いっぱいの戦後処理といえます。

 准総括質疑の中では、民進党から今後の補正予算案の編成について、円高や国債の低金利(マイナス金利)の影響について質問があり、麻生財務相は為替の影響はないが、低金利の影響はあるという趣旨の答弁をしました。安倍首相指示の前倒し執行のため、いずれにせよ、年度中に第2次補正予算案が編成されるのは確実でしょう。

 公明党は、勤続24年ながら59歳の若さで引退する議員が「公明党はかねてから、公務員の不正な経理に厳しくあたってきた」と決算審議をしました。安保法に加担した公明党。そういえば、「公明」の英訳は、「クリーン・ガバメント」だったという遠い過去を思い出しました。何を思って、国会を卒業するんででしょうか。

 共産党の田村智子副委員長は、政府による保育士の緊急対策について、基準が甘すぎる点があると指摘しました。

 とくだん、何か方向感が見えたということはなかったです。

 とはいえ、参院選前の最終局面に入ってきた印象はありました。 

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成年後見制度利用促進法(平成28年4月15日法律29号)は2016年5月13日(金)施行

2016年05月09日 09時18分15秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 今第190回国会で超党派で立案し、共反対、自公民賛成で成立した

 「成年後見制度利用促進法」(平成28年4月15日法律29号)

 は、今週、平成28年2016年5月13日(金)に施行することになりました。

 9日付官報で天皇陛下が政令を公布しました。

 町の顔役が、成年後見人になりやすくする法律です。研修などを受けやすくなります。

 法案の提出理由は「高齢社会における喫緊の課題であり、かつ、共生社会の実現に資すること及び成年後見制度がこれらの者を支える重要な手段であるにもかかわらず十分に利用されていないことに鑑み、成年後見制度の利用の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、成年後見制度の利用の促進について、その基本理念を定め、国の責務等を明らかにし、及び基本方針その他の基本となる事項を定めるとともに、成年後見制度利用促進会議及び成年後見制度利用促進委員会を設置する等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である」

 この法律の施行に伴う経費は、「約七千万円の見込み」。

 法律の全文を、衆議院ホームページから全文引用します。

 筆者の一存で、参議院で技術的な修正が入った、改正内閣府設置法施行までの経過措置がかかれた、附則第6条以降を削除し、法律案の「案」をとりました。

衆議院ウェブサイトからほぼ全文引用はじめ]

第一九〇回

衆第二〇号

   成年後見制度の利用の促進に関する法律

目次

 第一章 総則(第一条-第十条)

 第二章 基本方針(第十一条)

 第三章 成年後見制度利用促進基本計画(第十二条)

 第四章 成年後見制度利用促進会議(第十三条・第十四条)

 第五章 成年後見制度利用促進委員会(第十五条-第二十二条)

 第六章 地方公共団体の講ずる措置(第二十三条・第二十四条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、認知症、知的障害その他の精神上の障害があることにより財産の管理又は日常生活等に支障がある者を社会全体で支え合うことが、高齢社会における喫緊の課題であり、かつ、共生社会の実現に資すること及び成年後見制度がこれらの者を支える重要な手段であるにもかかわらず十分に利用されていないことに鑑み、成年後見制度の利用の促進について、その基本理念を定め、国の責務等を明らかにし、及び基本方針その他の基本となる事項を定めるとともに、成年後見制度利用促進会議及び成年後見制度利用促進委員会を設置すること等により、成年後見制度の利用の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「成年後見人等」とは、次に掲げる者をいう。

 一 成年後見人及び成年後見監督人

 二 保佐人及び保佐監督人

 三 補助人及び補助監督人

 四 任意後見人及び任意後見監督人

2 この法律において「成年被後見人等」とは、次に掲げる者をいう。

 一 成年被後見人

 二 被保佐人

 三 被補助人

 四 任意後見契約に関する法律(平成十一年法律第百五十号)第四条第一項の規定により任意後見監督人が選任された後における任意後見契約の委任者

3 この法律において「成年後見等実施機関」とは、自ら成年後見人等となり、又は成年後見人等若しくはその候補者の育成及び支援等に関する活動を行う団体をいう。

4 この法律において「成年後見関連事業者」とは、介護、医療又は金融に係る事業その他の成年後見制度の利用に関連する事業を行う者をいう。

 (基本理念)

第三条 成年後見制度の利用の促進は、成年被後見人等が、成年被後見人等でない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障されるべきこと、成年被後見人等の意思決定の支援が適切に行われるとともに、成年被後見人等の自発的意思が尊重されるべきこと及び成年被後見人等の財産の管理のみならず身上の保護が適切に行われるべきこと等の成年後見制度の理念を踏まえて行われるものとする。

2 成年後見制度の利用の促進は、成年後見制度の利用に係る需要を適切に把握すること、市民の中から成年後見人等の候補者を育成しその活用を図ることを通じて成年後見人等となる人材を十分に確保すること等により、地域における需要に的確に対応することを旨として行われるものとする。

3 成年後見制度の利用の促進は、家庭裁判所、関係行政機関(法務省、厚生労働省、総務省その他の関係行政機関をいう。以下同じ。)、地方公共団体、民間の団体等の相互の協力及び適切な役割分担の下に、成年後見制度を利用し又は利用しようとする者の権利利益を適切かつ確実に保護するために必要な体制を整備することを旨として行われるものとする。

 (国の責務)

第四条 国は、前条の基本理念(以下単に「基本理念」という。)にのっとり、成年後見制度の利用の促進に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。

 (地方公共団体の責務)

第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、成年後見制度の利用の促進に関する施策に関し、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。

 (関係者の努力)

第六条 成年後見人等、成年後見等実施機関及び成年後見関連事業者は、基本理念にのっとり、その業務を行うとともに、国又は地方公共団体が実施する成年後見制度の利用の促進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

 (国民の努力)

第七条 国民は、成年後見制度の重要性に関する関心と理解を深めるとともに、基本理念にのっとり、国又は地方公共団体が実施する成年後見制度の利用の促進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

 (関係機関等の相互の連携)

第八条 国及び地方公共団体並びに成年後見人等、成年後見等実施機関及び成年後見関連事業者は、成年後見制度の利用の促進に関する施策の実施に当たっては、相互の緊密な連携の確保に努めるものとする。

2 地方公共団体は、成年後見制度の利用の促進に関する施策の実施に当たっては、特に、その地方公共団体の区域を管轄する家庭裁判所及び関係行政機関の地方支分部局並びにその地方公共団体の区域に所在する成年後見人等、成年後見等実施機関及び成年後見関連事業者その他の関係者との適切な連携を図るよう、留意するものとする。

 (法制上の措置等)

第九条 政府は、第十一条に定める基本方針に基づく施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を速やかに講じなければならない。この場合において、成年被後見人等の権利の制限に係る関係法律の改正その他の同条に定める基本方針に基づく施策を実施するため必要な法制上の措置については、この法律の施行後三年以内を目途として講ずるものとする。

 (施策の実施の状況の公表)

第十条 政府は、毎年一回、成年後見制度の利用の促進に関する施策の実施の状況をインターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならない。

   第二章 基本方針

第十一条 成年後見制度の利用の促進に関する施策は、成年後見制度の利用者の権利利益の保護に関する国際的動向を踏まえるとともに、高齢者、障害者等の福祉に関する施策との有機的な連携を図りつつ、次に掲げる基本方針に基づき、推進されるものとする。

 一 成年後見制度を利用し又は利用しようとする者の能力に応じたきめ細かな対応を可能とする観点から、成年後見制度のうち利用が少ない保佐及び補助の制度の利用を促進するための方策について検討を加え、必要な措置を講ずること。

 二 成年被後見人等の人権が尊重され、成年被後見人等であることを理由に不当に差別されないよう、成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度について検討を加え、必要な見直しを行うこと。

 三 成年被後見人等であって医療、介護等を受けるに当たり意思を決定することが困難なものが円滑に必要な医療、介護等を受けられるようにするための支援の在り方について、成年後見人等の事務の範囲を含め検討を加え、必要な措置を講ずること。

 四 成年被後見人等の死亡後における事務が適切に処理されるよう、成年後見人等の事務の範囲について検討を加え、必要な見直しを行うこと。

 五 成年後見制度を利用し又は利用しようとする者の自発的意思を尊重する観点から、任意後見制度が積極的に活用されるよう、その利用状況を検証し、任意後見制度が適切にかつ安心して利用されるために必要な制度の整備その他の必要な措置を講ずること。

 六 成年後見制度に関し国民の関心と理解を深めるとともに、成年後見制度がその利用を必要とする者に十分に利用されるようにするため、国民に対する周知及び啓発のために必要な措置を講ずること。

 七 成年後見制度の利用に係る地域住民の需要に的確に対応するため、地域における成年後見制度の利用に係る需要の把握、地域住民に対する必要な情報の提供、相談の実施及び助言、市町村長による後見開始、保佐開始又は補助開始の審判の請求の積極的な活用その他の必要な措置を講ずること。

 八 地域において成年後見人等となる人材を確保するため、成年後見人等又はその候補者に対する研修の機会の確保並びに必要な情報の提供、相談の実施及び助言、成年後見人等に対する報酬の支払の助成その他の成年後見人等又はその候補者に対する支援の充実を図るために必要な措置を講ずること。

 九 前二号の措置を有効かつ適切に実施するため、成年後見人等又はその候補者の育成及び支援等を行う成年後見等実施機関の育成、成年後見制度の利用において成年後見等実施機関が積極的に活用されるための仕組みの整備その他の成年後見等実施機関の活動に対する支援のために必要な措置を講ずること。

 十 成年後見人等の事務の監督並びに成年後見人等に対する相談の実施及び助言その他の支援に係る機能を強化するため、家庭裁判所、関係行政機関及び地方公共団体における必要な人的体制の整備その他の必要な措置を講ずること。

 十一 家庭裁判所、関係行政機関及び地方公共団体並びに成年後見人等、成年後見等実施機関及び成年後見関連事業者の相互の緊密な連携を確保するため、成年後見制度の利用に関する指針の策定その他の必要な措置を講ずること。

   第三章 成年後見制度利用促進基本計画

第十二条 政府は、成年後見制度の利用の促進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、成年後見制度の利用の促進に関する基本的な計画(以下「成年後見制度利用促進基本計画」という。)を定めなければならない。

2 成年後見制度利用促進基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

 一 成年後見制度の利用の促進に関する目標

 二 成年後見制度の利用の促進に関し、政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策

 三 前二号に掲げるもののほか、成年後見制度の利用の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 内閣総理大臣は、成年後見制度利用促進基本計画の案につき閣議の決定を求めなければならない。

4 内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、成年後見制度利用促進基本計画をインターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならない。

5 前二項の規定は、成年後見制度利用促進基本計画の変更について準用する。

   第四章 成年後見制度利用促進会議

 (設置及び所掌事務)

第十三条 内閣府に、特別の機関として、成年後見制度利用促進会議(以下この章において「会議」という。)を置く。

2 会議は、次に掲げる事務をつかさどる。

 一 成年後見制度利用促進基本計画の案を作成すること。

 二 成年後見制度の利用の促進に関する施策について必要な関係行政機関相互の調整をすること。

 三 前二号に掲げるもののほか、成年後見制度の利用の促進に関する基本的事項の企画に関して審議するとともに、成年後見制度の利用を促進するための施策の実施を推進し、並びにその実施の状況を検証し、評価し、及び監視すること。

3 会議は、次に掲げる場合には、成年後見制度利用促進委員会の意見を聴かなければならない。

 一 成年後見制度利用促進基本計画の案を作成しようとするとき。

 二 前項第三号の検証、評価及び監視について、それらの結果の取りまとめを行おうとするとき。

 (組織等)

第十四条 会議は、会長及び委員をもって組織する。

2 会長は、内閣総理大臣をもって充てる。

3 委員は、次に掲げる者をもって充てる。

 一 内閣官房長官

 二 内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第九条第一項に規定する特命担当大臣のうちから、内閣総理大臣が指定する者

 三 法務大臣

 四 厚生労働大臣

 五 総務大臣

 六 前各号に掲げる者のほか、関係行政機関の長のうちから内閣総理大臣が指定する者

4 前三項に定めるもののほか、会議の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。

   第五章 成年後見制度利用促進委員会

 (設置)

第十五条 内閣府に、成年後見制度利用促進委員会(以下この章において「委員会」という。)を置く。

2 委員会は、次に掲げる事務をつかさどる。

 一 次に掲げる重要事項に関し、自ら調査審議し、必要と認められる事項を内閣総理大臣又は関係各大臣に建議すること。

  イ 成年後見制度の利用の促進に関する基本的な政策に関する重要事項

  ロ 成年後見制度の利用の促進を図る上で必要な環境の整備に関する基本的な政策に関する重要事項

 二 内閣総理大臣又は関係各大臣の諮問に応じ、前号に規定する重要事項に関し、調査審議すること。

 (資料の提出要求等)

第十六条 委員会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、報告を求めることができるほか、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができる。

 (組織)

第十七条 委員会は、委員十人以内で組織する。

2 委員会に、特別の事項を調査審議させるため必要があるときは、臨時委員を置くことができる。

3 委員会に、専門の事項を調査させるため必要があるときは、専門委員を置くことができる。

 (委員等の任命)

第十八条 委員及び臨時委員は、成年後見制度に関して優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する。

2 専門委員は、当該専門の事項に関して優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する。

 (委員の任期等)

第十九条 委員の任期は、附則第一条ただし書の政令で定める日の前日までとする。

2 臨時委員は、その者の任命に係る当該特別の事項に関する調査審議が終了したときは、解任されるものとする。

3 専門委員は、その者の任命に係る当該専門の事項に関する調査が終了したときは、解任されるものとする。

4 委員、臨時委員及び専門委員は、非常勤とする。

 (委員長)

第二十条 委員会に、委員長を置き、委員の互選により選任する。

2 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。

3 委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。

 (事務局)

第二十一条 委員会の事務を処理させるため、委員会に事務局を置く。

2 事務局に、事務局長のほか、所要の職員を置く。

3 事務局長は、委員長の命を受けて、局務を掌理する。

 (政令への委任)

第二十二条 第十五条から前条までに定めるもののほか、委員会に関し必要な事項は、政令で定める。

   第六章 地方公共団体の講ずる措置

 (市町村の講ずる措置)

第二十三条 市町村は、成年後見制度利用促進基本計画を勘案して、当該市町村の区域における成年後見制度の利用の促進に関する施策についての基本的な計画を定めるよう努めるとともに、成年後見等実施機関の設立等に係る支援その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

2 市町村は、当該市町村の区域における成年後見制度の利用の促進に関して、基本的な事項を調査審議させる等のため、当該市町村の条例で定めるところにより、審議会その他の合議制の機関を置くよう努めるものとする。

 (都道府県の講ずる措置)

第二十四条 都道府県は、市町村が講ずる前条の措置を推進するため、各市町村の区域を超えた広域的な見地から、成年後見人等となる人材の育成、必要な助言その他の援助を行うよう努めるものとする。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第三条及び第五条の規定は、同日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (検討)

第二条 認知症である高齢者、知的障害者その他医療、介護等を受けるに当たり意思を決定することが困難な者が円滑に必要な医療、介護等を受けられるようにするための支援の在り方については、第十一条第三号の規定による検討との整合性に十分に留意しつつ、今後検討が加えられ、その結果に基づき所要の措置が講ぜられるものとする。

 (成年後見制度の利用の促進に関する法律の一部改正)

第三条 成年後見制度の利用の促進に関する法律(平成二十八年法律第▼▼▼号)の一部を次のように改正する。

  目次中「・第十四条」を削り、

第五章 成年後見制度利用促進委員会(第十五条-第二十二条)

 

 

第六章 地方公共団体の講ずる措置(第二十三条・第二十四条)

 を「第五章 地方公共団体の講ずる措置(第十四条・第十五条)」に改める。

  第一条中「とともに、成年後見制度利用促進会議及び成年後見制度利用促進委員会を設置する」を削る。

  第十二条第三項中「内閣総理大臣」を「法務大臣、厚生労働大臣及び総務大臣は、成年後見制度利用促進基本計画を変更しようとするとき」に改め、「成年後見制度利用促進基本計画」の下に「の変更」を加え、同条第四項中「内閣総理大臣」を「法務大臣、厚生労働大臣及び総務大臣」に改め、「遅滞なく、」の下に「変更後の」を加え、同条第五項を削る。

  第十三条を次のように改める。

 第十三条 政府は、関係行政機関相互の調整を行うことにより、成年後見制度の利用の促進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、成年後見制度利用促進会議を設けるものとする。

 2 関係行政機関は、成年後見制度の利用の促進に関し専門的知識を有する者によって構成する成年後見制度利用促進専門家会議を設け、前項の調整を行うに際しては、その意見を聴くものとする。

 3 成年後見制度利用促進会議及び成年後見制度利用促進専門家会議の庶務は、厚生労働省において処理する。

  第十四条及び第五章を削る。

  第六章中第二十三条を第十四条とし、第二十四条を第十五条とし、同章を第五章とする。

(後略)

[終わり]


日本とモンゴルのEPA経済協定が公布され、2016年6月7日(火)に発効

2016年05月09日 09時05分44秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

 天皇陛下は、「日本モンゴル経済連携協定」を、きょう月曜日、「平成28年5月9日条約8号」として公布なさいました。官報に掲載されました。

 この条約が、来月2016年6月7日(火)に発効することも、外務大臣から官報で告示しました。

 この条約の承認を求めるの件(189条約1号)は、きょねんの第189回通常国会に提出され、きょねん平成27年2015年4月から5月にかけて審議され、共反対、自公民賛成多数で承認されました。 

 日本モンゴルEPAが、どのような内容かは、筆者は詳しくないので、恐縮ですが、各自で調べていただきたく存じます。

当ブログ内の記事から関連する部分の引用はじめ]

平成27年2015年5月15日(金) 参議院本会議】

(前略)

 「日本モンゴル経済連携協定」(189条約1号)、
 「WTO協定改正議定書(189条約2号)、

 がおのおの賛成多数で、

 「AMRO(ASEANプラス3マクロ経済調査事務局)設立協定」(189条約3号)
 「2007年国際コーヒー協定」(189条約7号)
  が全会一致で、

 両院承認されました。今国会の条約両院承認はこれが初めて。

(後略)

[引用おわり]

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民進党の岡田克也代表「組織の中で非常に優秀な人材がえりすぐられた」連合産別12候補に期待

2016年05月08日 11時03分37秒 | 第24回参院選(2016年7月)

[写真]民進党の岡田克也代表、2016年4月15日(金)、衆議院内、宮崎信行撮影。

 民進党の岡田克也代表は、先月、平成28年2016年4月15日(金)の定例記者会見で、


 連合加盟の産別の組織内候補として、合計12名の民進党公認候補(内定者)が、第24回参議院議員通常選挙(6月下旬から7月10日まで)をたたかうことについて、

 「組織の中で非常に優秀な人材がえりすぐられて候補者になっている」 との認識を示し、

 「ぜひ頑張ってもらいたい」 と語りました。

 産別とは、産業別労働組合のこと。連合、日本労働組合総連合会は、産業別労働組合が加盟して組織しているので「連合」という名前になっています。このうち、会社員の労働組合の賃金交渉「春闘(しゅんとう)」は、会社ごとの労働組合がなるべく業界内で統一要求をつくって、労務担当取締役らと交渉することになっています。

 実際の選挙では、参院選の、全国比例非拘束名簿式では、産別本部が候補者を擁立して、民進党が公認し、個人名での得票を競うことになります。おおむね、12万~18万票以上の得票で参議院議員のバッジが確実になります。その一方で、それ以外の選挙では、連合の地域協議会(地協)や、県庁職員を含んだ県別の労働組合、地場大企業の単位労働組合などが選挙の実働部隊だったり、選挙対策の立案・企画を担っている場合があり、民進党内でも様々な選対の構成があります。

 参議院議院議席の獲得をめざす産別は12団体。

 UAゼンセン(ゆーえーぜんせん)

 基幹労連

 自動車総連

 JAM(じゃむ)

 私鉄総連

 電機連合

 情報労連

 自治労

 電力総連

 JR総連

 日教組

 JP労組

 の12労組です。

 このうち、基幹労連とJAMはこれまで協力して1人を推していましたが、今回は、基幹労連が元職の轟木利治(とどろき・としはる)さんJAMが新人の藤川慎一さんを推すことになっています。このため、民進党系産別候補は、過去最多の12名となりました。

 電機連合は新人の矢田稚子(やた・わかこ)さんを擁立。12名のうち唯一の女性。これまで公務員系の労働組合は女性比率が50%となっており、日本の政治で最も女性が活躍している分野ですが、会社員系労組でも女性が擁立されるようになりました。 

 自動車総連は毎回確実な選挙をしており、新人の濱口誠さんを擁立。

 イオングループ労連や産経新聞労働組合が加盟する、UAゼンセンは元職の川合孝典さんが議席回復を目指します。

 長年「春闘の歯止め」として活躍していた私鉄総連は、前任者の引退の後、2010年から「民主党」を応援。ただ、その名の時代には、ついに議席を得られず、市議になった人もいますが、心機一転民進党で初の参議院議院をめざして、森屋隆さんが出馬。

 自治労は活動量が多い、現職の江崎孝(えさき・たかし)さん

 情報労連は、党務もこなす、現職の石橋通宏(いしばし・みちひろ)さん

 電力総連は、3期目をめざす、小林正夫さん

 JR総連は山手線や東北新幹線の運転士さんらが加盟する団体で、現職の田代郁(たしろ・かおる=男性)さんが出馬。

 日教組は、長年参議院の会期末闘争の功労者ですが、現職の那谷屋正義(なたにや・まさよし)さんが3選をめざします。

 JP労組は、郵便局の働く仲間で産別であり同時に単組ですが、難波奨二(なんば・しょうじ)さんが再選をめざします。 

 産別系で、元職が2人公認されるということは珍しいのですが、もう一度政権を担当できる政党になるためには、元職の復帰が第一。

 議席を確保していた産別の新人擁立は同時に、ベテランの引退を意味します。自動車総連の直嶋元経産相、JAMの津田参議院厚生労働委員会筆頭理事、電機連合の加藤民進党参議院国会対策委員長の3名は、ひょうひょうと、引退します。3名とも与党時に政務三役を経験しました。

 私自身、政権交代後の3年3カ月、NHK・朝日新聞ら既存メディアの政治部記者がこぞって、与党・民主党議員に張り付き、経済部・社会部らが各府省の大臣室を担当するなかで、最後まで競争力を失わなかったのは、産別と参議院の関係でした。これは、固有名詞が多い世界であり、既存メディアは固有名詞の間違いによる訂正を恐れるからだと分析しています。

 今回は1998年の非拘束名簿式以降後、最多の12名、会社員系で女性の新人が擁立ということで、興味津々。産別系は、午後8時に数名が当選確実となり、それ以外の方は、午前2時に当確という非常に眠い世界なのですが、ぜひ、12産別が全員一等賞をめざしてもらえば、日本の政治は必ず良くなります。

 とくにこの3年間、不景気だった業界も、過去の事例では、不思議と選挙では票が増える傾向にあります。

 がんばろう。 

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安倍首相、G7協調「財政出動」独首相らに拒まれたもよう、参院選、第2次補正予算案のシナリオにゆらぎか

2016年05月07日 16時54分10秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

 安倍晋三首相は、平成28年2016年5月1日から7日にかけて、イタリア、フランス、ドイツ、イギリスのG7のうちの4カ国を含む、欧州各国を歴訪しました。

 この中で、今月下旬の伊勢志摩サミットについて前さばきをしました。

 これについて、外務省の二国間外交のウェブサイトによると、

 日伊首脳は「世界経済を再活性化させるため,G7には,構造改革の加速化に合わせて,機動的な財政出動が求められているとの認識で一致し,伊勢志摩サミットでG7として明確なメッセージを発出することを確認しました」 。

 日仏首脳は「為替市場の急激な変動は避けるべきであること,構造改革を進めるとともに,機動的な財政政策により効果的に需要を創出する必要があることで一致しました」。

 日英首脳は「G7が世界経済の持続的かつ力強い成長を牽引していくことで一致し,金融政策,機動的な財政出動,構造改革をそれぞれの国の事情を反映しつつ,バランスよく協力して進めていくことが重要であるという点で一致しました」 。

 日独首脳は「為替の安定に向け協力していくことで一致しました」が、ドイツのメルケル首相は「財政出動においては自分はフロントランナーではないが,金融政策,財政政策及び構造改革を同時に進めていくことが重要である旨述べ,特に民間投資喚起の重要性を指摘しました。また,メルケル首相から,為替の急激な変動は望ましくないとの発言があり」ました。

 独首相が「財政出動においては自分はフロントランナーではない」と発言し、英首相が「それぞれの国の事情を反映すべし」としたことから、安倍首相が描いた、G7協調の財政出動のシナリオはゆらいだものと考えられます。

 独首相の「金融政策、財政政策、構造改革を同時に進めていくこと」とは、安倍首相が自民党総裁就任以来4年間目玉にしている3本の矢(1異次元の金融緩和、2機動的な財政出動、3成長戦略)と一致しており、安倍首相の経済政策アベノミクスの「現状維持」を念頭において発言したととらえられます。

 このため、安倍首相が描いていたと想定される、G7共同宣言→財政出動の政策パッケージの閣議決定→第24回参院選(6月下旬から7月上旬)→第2次補正予算案提出ーーという日程感がずれこんだかもしれません。

 安倍首相は、先々月、外国人の有名な経済学者に対して、「ドイツの財政出動」について質問したとされる議事録が一部で明らかにされており、G7協調介入を口実に、参院選での自民党関係団体での「ニンジン」をぶら下げるシナリオが想定されていました。

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民法債権編改悪法案で、聾唖者からの融資の連帯保証の公正証書の作り方が新設、廃案しかない!

2016年05月07日 09時06分38秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 きょねん3月31日に国会に提出されながらも、来月、平成28年2016年6月1日までの今第190回通常国会での成立がありえない現状となっている、民法債権編抜本改悪法案(民法の一部を改正する法律案、第189閣法63号)の中に、聾唖者が融資の連帯保証人になる場合の公正証書の作り方を定めた条項を新設しようとする改正条項が含まれていることが、筆者・宮崎信行の法案精査で判明しました。

 今の民法には無い、「第465条の7」をつくる改正条項。

 この中に、事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証契約の公正証書について、

 「口がきけない者である場合には、公証人の前で」「通訳人の通訳により申述し、又は自書して、同号の口授に代えなければならない」

 「耳が聞こえない者である場合には、公証人は」「筆記した内容を通訳人の通訳により保証人になろうとする者に伝えて、同号の読み聞かせに代えることができる」

 とし、聾唖者が融資の連帯保証人になる場合の公正証書の作り方を細かく定めました。

 あくまでも参考として、きょう現在施行している民法の第969条の2は、次のようになっています。

 「口がきけない者が公正証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で」「通訳人の通訳により申述し、又は自書して」「口授に代えなければならない」

 「耳が聞こえない者である場合には」「筆記した内容を通訳人の通訳により遺言者又は証人に伝えて、同号の読み聞かせに代えることができる」。

 このように、聾唖者の公正証書遺言の作り方の現行法規を参考にして、民法債権編抜本改悪法案に聾唖者の連帯保証の公正証書の作り方を新設するのです。これについては、法務省内の部会(座長・鎌田薫早稲田大学総長)がとりまとめた「改正要綱」に記されており、法務省民事局参事官室が法案として作成したのでしょう。

 この改正法案は、国会で審議入りしていないにもかかわらず、既に今年発売された六法全書に付録などとして全文収載される状況にまでなってしまっています。

 融資の連帯保証の公正証書を聾唖者からとろうとする条文をわざわざ付け加える法案を、今国会で通していいのでしょうか。

 6月1日の会期末に、継続調査(閉会中審査)の手続きをとることなしに、与党・自民党が審議未了廃案の決断をすべきなのです。

 以下、「改正法案」の中の、参照条文。

[民法債権編抜本改悪法案で新設される、第465条の6及び第465条の7の全文引用はじめ]

(公正証書の作成と保証の効力)
第四百六十五条の六 事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証契約又は主たる債務の範囲に事業のために負担する貸金等債務が含まれる根保証契約は、その契約の締結に先立ち、その締結の日前一箇月以内に作成された公正証書で保証人になろうとする者が保証債務を履行する意思を表示していなければ、その効力を生じない。
2 前項の公正証書を作成するには、次に掲げる方式に従わなければならない。
 一 保証人になろうとする者が、次のイ又はロに掲げる契約の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事項を公証人に口授すること。
  イ 保証契約(ロに掲げるものを除く。) 主たる債務の債権者及び債務者、主たる債務の元本、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものの定めの有無及びその内容並びに主たる債務者がその債務を履行しないときには、その債務の全額について履行する意思(保証人になろうとする者が主たる債務者と連帯して債務を負担しようとするものである場合には、債権者が主たる債務者に対して催告をしたかどうか、主たる債務者がその債務を履行することができるかどうか、又は他に保証人があるかどうかにかかわらず、その全額について履行する意思)を有していること。
  ロ 根保証契約 主たる債務の債権者及び債務者、主たる債務の範囲、根保証契約における極度額、元本確定期日の定めの有無及びその内容並びに主たる債務者がその債務を履行しないときには、極度額の限度において元本確定期日又は第四百六十五条の四第一項各号若しくは第二項各号に掲げる事由その他の元本を確定すべき事由が生ずる時までに生ずべき主たる債務の元本及び主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものの全額について履行する意思(保証人になろうとする者が主たる債務者と連帯して債務を負担しようとするものである場合には、債権者が主たる債務者に対して催告をしたかどうか、主たる債務者がその債務を履行することができるかどうか、又は他に保証人があるかどうかにかかわらず、その全額について履行する意思)を有していること。
 二 公証人が、保証人になろうとする者の口述を筆記し、これを保証人になろうとする者に読み聞かせ、又は閲覧させること。
 三 保証人になろうとする者が、筆記の正確なことを承認した後、署名し、印を押すこと。ただし、保証人になろうとする者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
 四 公証人が、その証書は前三号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。
3 前二項の規定は、保証人になろうとする者が法人である場合には、適用しない。
 (保証に係る公正証書の方式の特則)
第四百六十五条の七 前条第一項の保証契約又は根保証契約の保証人になろうとする者が口がきけない者である場合には、公証人の前で、同条第二項第一号イ又はロに掲げる契約の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事項を通訳人の通訳により申述し、又は自書して、同号の口授に代えなければならない。この場合における同項第二号の規定の適用については、同号中「口述」とあるのは、「通訳人の通訳による申述又は自書」とする。
2 前条第一項の保証契約又は根保証契約の保証人になろうとする者が耳が聞こえない者である場合には、公証人は、同条第二項第二号に規定する筆記した内容を通訳人の通訳により保証人になろうとする者に伝えて、同号の読み聞かせに代えることができる。
3 公証人は、前二項に定める方式に従って公正証書を作ったときは、その旨をその証書に付記しなければならない。

[全文引用おわり] 

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(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
(http://miyazakinobuyuki.net/)

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