原子力規制委員会は敦賀原発2号機の再稼働に向けた審査不合格を正式に決定した。「断層が動く可能性がないという事業者の主張は十分な根拠を持って受け入れることができなかった」 というのが理由で、渋々のように見える。
原電の敦賀事業本部長は、福井県庁と敦賀市役所を訪れて、「地域の皆さまに心配をかけ深くおわびする」と陳謝し、再稼働要請へ動き出すようである。
2012年規制員会発足して初の不合格である。電力側は虎視眈々と逆襲を狙っている。
2011年3月に震災で事後をおこした福島第1原発の廃炉に向けた作業が進められているが、炉心溶融(メルトダウン)を起こした2号機は相当厄介である。事故原発の廃炉の本丸とされている。
1,2,3号基で880万トンのデブリがあると思われるが(本当にこんな程度か?)、トラブル続きの試行錯誤しながらやっと取り出せたのが、大きさ約5ミリ、重さ0・7グラムである。12年経ってである。道のりは遠く、2051年までの廃炉官僚目標の工程の見直しも避けられないだろう。
風呂の水を耳かきで汲みだすようなものである。
東北大震災による原発稼働について、元総理大臣であった小泉純一郎が、「原発稼働に賛成しているのは、自民党内の数人である。野党は全て反対であるから、その気になればいつでも日本は脱原発できる」と述べていた。
ところが気が付くと、自民党は原発をベースロード電源に位置付け、再稼働は当然で新規建設に取り組むまで姿勢である。自民党はもちろんのこと、公明党も国民民主も維新の会も、グツグツ言いながら、原発再稼働への方針転換している。気が付けば、原発賛成者が国会の半数を占めるまでなっている。日本はどこまで愚かなのか?