ロシアのサンクトペテルブルクで27、28日、経済人道フォーラム「ロシア・アフリカ」の首脳サミットが行われる。
ロシア政府によると、アフリカ54か国のうち49か国の政府関係者や企業の代表などが現地を訪問し、経済協力や人道支援などについて意見を交わすということになっている。
プーチンは黒海の事実上の封鎖でウクライナ穀物の海上穀物輸出を阻止した。その一方で今年は豊作のロシアは、アフリカ諸国に無償提供の用意があるとまで述べている。極めて勝手であるが効率的ではある。
これでウクライナは、陸上輸送になってしまうが、ヨーロッパに向けられることになり、プーチンは誤算したことになる。もう一つが、ウクライナの家畜向けのコーンの最大の輸出先は中国である。プーチンは誤算を認めていないが、中国は産業でも一体一路のヨーロッパの中心にウクライナを位置付けている。
アフリカは植民地として支配されなかったロシアとは、第一次世界大戦後太いつながりがある。
ソビエト時代には、コンゴのルムンバ大統領を擁して”アフリカ合衆国”という社会主義国を模索している。モスクワのルムンバ民族友好大学は、世界から学生を呼び学費は無料であった。友人も無料にほだされて入学している。社会主義を世界に広げるための大学であったが、ソ連崩壊などもあって使命は達せられていない。
アフリカが食料危機に直面する中、プーチンの穀物の無償提供は効果的である。
一方北朝鮮(朝鮮人民共和国)では、朝鮮戦争の停戦の7月27日を戦勝日としている。今年は70周年という節目で、北朝鮮はワグネルのプリゴジンに罵倒されて、いつも苦虫をかんだようなジョイグ国防相を招いた。
ジョイグは終始満願の笑みであった。その他多くの演出で、中国を圧倒するロシアへの接近は目を引くものがあった。
ロシアの反アメリカ反EUへの反発、経済制裁の有効性は限定的になるだろう。世界を分断、対立するよりも友好的である方が有効なのであるが、対立構造を国家は志向するかに見える。