星空を眺めて
日本人宇宙飛行士の活躍などで、天空の仕組みは少し分かったような気がするが、宇宙の果てがどうなっているのか、全く想像できない。天文学は子供の頃から割合好きで、野尻抱影『日本の星』とか雑誌の付録の星座表などを片手に星空、星座は飽かず眺めてきたが、想像力が欠けているのか、未だ一番知りたいと思うことは理解できていない。国際宇宙学会 International Astronomical Union に関する記事*を読みながら、真夏の夜の夢?を見た。
ほぼ400年前、1609年8月25日、あのガリレオ・ガリレイは、ヴェニスの商人に新しく製作した望遠鏡を見せたといわれる。倍率はおよそ20倍だったらしい。そしてまもなく、ガリレオ・ガリレイは自分が作った望遠鏡で天空を観測した。そして、月に映る影などから文字通り足下が揺らぐような大発見をした。それはギリシャ人の想像に基づき、長くカトリック教会を支えてきた宇宙観をも揺るがせた。そればかりでなくガリレオはあまり注目されていないが、天の川 Milky Way が多数の星から成っていることを発見している。
天文学の最新の推定によると、宇宙の年齢はおよそ137億光年であり、地球の年齢の約3倍、現在の人類が存在する時間的長さの約10万倍に相当するそうだ。宇宙の真の大きさは未だ分からないらしい。宇宙の年齢、光の速さを考えると、どんな天文学者といえども137億光年を超える先は見通せないという。しかし、宇宙の果て?は、それよりもはるか先らしい。
さて、最近ガリレオ・ガリレイの評価が一段と高まっているようだ。人類が自らの相対的位置を認識する上での知識という意味で、ダーウインの自然淘汰による進化論と肩を並べると考える人もいる。ガリレオ・ガリレイが生まれた時代の世界は、当時の一般の人々にとっての知識は、地球の大きさ、月への距離など、なんとか理解できる範囲に収まっていたようだ。
しかし、現代人にとって天文学者でもないかぎり、宇宙の大きさは想像するのさえ難しい。少なくも普通の人にとって宇宙の限界?は、見えがたい。幸いなことに現代は、ガリレオ・ガリレイの時代のように、世界観がひっくり返ってしまうようなことにはなっていないということのようだ。
それにしても仰ぎ見れば満天の星というような天空は、久しく見ていない。あの輝くような星空はどこへ行ってしまったのだろう。
References
ジェームズ・マクラクラン(野本陽代訳)『ガリレオ・ガリレイ』大月書店、2007年
* Galileo, four centuries on: As important as Darwin” The Economist August 15th 2009.