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日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

話題の人 トマ・ピケティーさんの説

2015-02-12 06:43:58 | 
彼の本「21世紀の資本」は読んではいない。
テレビ放映中の「白熱教室」を2度見ただけ。
世界に残っている過去300年(!)にわたる税務記録を調査したところ

r>g

ということが判明した、という。

r は資産
g は勤労所得

私の荒っぽい理解でいうと、
経済成長が低成長率の状況では、働いて得る所得の増加率は高くを望めない。
一方、既に持っている資産家は、その運用によって、少なくとも年5%(?)以上で増え続ける。
よって、持てる者と持たないものとの差は、さらに開き続けていく、という解説。

資産というのは、その多くは相続によって引き継がれます。
相続による資産の引き継ぎ割合がグンと低下したのは、フランスの場合であっても、終戦後あたり。(日本のケースのグラフも同じだったような)
貨幣価値の変動があったりして、前世代からの財産の引き継ぎのウエイトが下がったということでしょう。納得されられるものはあります。

彼はフランス人で、300年も前は富めるもの=貴族という時代から、フランス革命による転覆、産業革命によるブルジョアの勃興、そして、2度の大戦、という社会の変動期を数字で追っているのです。

淡々と解説を聞いていると、

稼ぐに追いつく貧乏なし
という箴言がある我が国の気質とちがうなぁ、とも。
武士も質実剛健を旨とすべし、と説かれていた国でもある。(…これは華美に走りがちだからのお達しであり、ほっておくとそうなる、ということでもある。)

そういうお国柄の差はあるにしても、昨今の情報が即座に地球を駆け巡る時代であれば、価値基準も慣らされてきているだろう。

今の時代は19世紀(末?)頃の格差に似てきている、らしい。
格差という言葉は、私たちの国でもよく耳に入るようになった。
格差がある、という事実だけとると、かつてのほうが、もっと格差があった。
敗戦後の復興期を含む数十年の社会は高い経済成長率のおかげで、「g」が大いに頑張ることができたのです。
「r」については、農地改革や貨幣の切り上げ、そのた私の知らない富の喪失がいくつも起きて、「r」の相続による移転割合の減少も見られたのです。

だから、私の生きてきた時代(その戦後という時代)は、
歴史的に見て、極めて r>g の関係がぐらついた時代だったのかもしれません。
で、稼ぐに追いつく貧乏なし、真面目に励めよ、と教えられると
「ハイ」なんて、納得して生きてきた60年でした。

ふ~ん、です。
親から引き継いだ財産で生きていくというケースのほうが、潤いがあるのか~~。遠い目のワタシ。苦笑

で、ピケティーさんの資料からは、資産家はますます資産を増加させていくだろう、と読み取れるとのことです。
だから、累進課税をますます徹底すべき、との論らしいですが。

経済はグローバル。お金は共通アイテムですからね~。

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6 コメント

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Unknown (さなえ)
2015-02-14 19:16:00
↓の記事の方にコメントが入らなくなっていますのでこちらで。大変でしたね。経験した辛い思いはなかなか消えませんね。でもお嬢さんもお孫さんも無事で本当に良かったですね。
ピケティは大きな話題になっていますが、根性も理解力もなく放置です(^^;)。でも日本には当てはまらない部分が大きいとの節もあり、まあそうだろうなと。失われた20年にしてもよくやった20年という新たな評価も出ているようですし、様々な経済理論があぶくのように現れては消えるのだと怠け心を言い訳しています。案山子さん、さすがです。
返信する
トマ・ピケティーさんの解説 (案山子)
2015-02-15 08:24:45
みなさん、耳にされているだろうに、、、と思っていました。
さなえさん、コメントありがとうございます。
私、本を読んだわけではなく、テレビ番組「白熱教室」の4,5,6回目を見ただけです。
300年間の資料調査に基づく、というのが圧巻です。古い資料名はずさんで不正確なところは多々あるでしょうが、それでも実態を踏まえているというのは説得力があります。
豊かさを考えるとき、彼の言葉の端端に
「豊かな暮らし≒働かなくても食べていける」という発想が、ヨーロッパ的というかキリスト文化的であり(確かキリスト教では労働は罰として与えられたという概念)、そういう底流部分が異なるようには思います。
でも、共通しているのは、戦争が所得格差を縮めたという実態は、第2次大戦後、グラフに同様な形の表れています。戦争の善悪を考えずにとらえると、戦争は富の偏りを
均すという現象をもたらした。そして、比較的富が均されたところに、戦後ベビーである私たちは人生をスタートさせたのです。それから平和が70年。戦後の経済復興期は、経済成長率が高くて資産の増殖率を上回っていただろうけれど、数十年を経てGDPの伸び率が低くなってくると資産は、年5%(?)程度の運用益は見込まれるので、労働で増やすよりも「大」なので、格差は広がっていく、という説明です。戦後生まれの私には、明治維新や敗戦は歴史ですが、その時代を資産家として生きていた人にとっては、没落という状況になった人が多く出た、ということではないでしょうか。
よって、彼は累進性税率により、格差の拡大に配慮すべきだ、という話になります。
実態に基づいて解りやすい解説、すごく面白かったです。
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変なことを考える (glimi)
2015-02-15 09:50:22
 この方の論理全く知りません。私が飛び付いたのはことわざです。

 私は『稼ぐに追いつく貧乏暇なし。』いつもことわざをくっつけて考えるのです。貧乏がいつも稼ぎに追いついてしまうと云うこと!
 善は急げ→急がばまわれ→善はまわれ 
 ごめんなさい!くだらない事を書きました。
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えっ! (案山子)
2015-02-15 11:41:38
glimiさん、あなたの皮肉の解釈が、まさにピケテイさんのおっしゃっていることなんですよ。
300年という長い間期間のデータを調査したところ、資産のない人は、低成長の時代は、いくら頑張っても追いつかない、ということです。で、所得税の累進性に言及しているのですが、アメリカ、イギリスでは、経済がピンチのとき、最高税率を9割超にしていた時期があったりして、データに沿った解説が、良く理解できました。
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Unknown (glimi)
2015-02-16 08:53:10
 息子が録画したのをお見ていたので昨日ほんのちょっぴり、後半だけ覗き見しました。理解できrと云う程は見ませんでしたが…。
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きちんと興味を持ってみないと、、、 (案山子)
2015-02-16 21:19:45
文芸ものとは違いいわゆる講義ですからね。

大変な作業だったでしょうが、データによる分析といわれると、説得力も増します。
だから、富の偏りをどう均して住みやすい社会にしていくか、になるんですけれどね。
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