South Is. Alps
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Coromandel
Coromandel, NZ
Square Kauri
Square Kauri, NZ
Lake Griffin
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がんもどきの煮物

がんもどきの煮物(ダシ昆布、日本酒でダシをとったところに、フライパンで焦げ目をつけた鶏手羽肉を入れる。薄口醤油と塩で味を調える。がんもどきを入れる。里芋を入れる。落としぶたでしばらく火をとおす。仕上げにインゲンを入れる)
小松菜のごま和え
きのごご飯(米を洗ったところで、酒と日本酒を入れる。おおむね、3カップで日本酒・薄口醤油大さじ4。水を好みの量を入れる。舞茸となめtけを入れる。鶏細切れ肉を入れる。混ぜ合わせる。通常の炊飯時間で仕上げる)

2005-01-21 22:10:29 | 夕食・自宅 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


読了・自由を耐え忍ぶ

テッサ・モーリス-スズキ、2004、『自由を耐え忍ぶ』、岩波書店
オーストラリアの日本経済史・思想史研究者のテッサ・モーリス-スズキの『世界』への掲載論文(2004年1月~8月)を収録した本書は、9.11以降の世界の政治状況をふまえ、「人間社会の不確実性と未来予測不可能性」(199頁)のなかで我々が取るべき道、すなわち、アイロニカルな表現ではあるが「自由と民主主義を耐え忍ぶ」ことについて示唆しようとする。9.11以降展開されたアフガン侵攻は、「不屈の自由作戦(Operation Enduring Freedom)」と名付けられたが、本書のタイトルはこれをふまえている。どのような自由を、また、どのように自由を耐え忍ぶのか、テッサが示唆するものは、ブッシュのそれでないことは明白である。
本書は8章からなっている。それぞれ、タイトルをあげておく。「劣化する民主主義」、「暴走する市場」、「自由とパノプティコン」、「知の囲い込み」、「風変わりな資産」、「戦争の民営化」、「自由の再生」、「民主主義の再考」である。
いずれの章も大変興味深く、是非読み通すことを進めるが、ここでは、本書の第6章「戦争の民営化」について触れておく。評者の無知をさらけ出すようで恥ずかしいのだが、世上を風靡する「民営化」の用語が意味するものの広がりに大きな恐怖を覚えた。「民営化」は巨大化する行政組織とその運営資金を効率的・効果的に運用するための施策と理解していたが、この章で触れられる産軍複合体の現状を知れば、民営化の動きと対象領域を慎重にすべきではないかと思ってしまう。産軍複合体は、アメリカ国防総省に癒着するボーイングやノースロップ・グラマンといった兵器製造産業だけかと思っていたらそれだけではない。本書であげられているヴィネル社などは兵士の訓練を請け負っており、またブラックウォーター社は「特殊工作」を営業領域にするという。さらに、捕虜収容施設の運営やロジスティクス面でも民営化が起きているという多くの事例が挙げられている。
ジュネーブ条約が保証する非戦闘員に対する保護は、そもそも、全面戦争における無差別攻撃やゲリラ戦によって、その境界が曖昧となったが、軍がその業務の一部を民営化することにより、こうした民営事業にも関わらない市民と従業員という新たな要素が「戦争」という情況に入り込むことになる。また、対テロリスト戦争を布告するブッシュ政権が敵視する「アルカイダ」がビン・ラディーンの経済力によって作り上げられた私兵集団で世界の不満分子たちが傭兵として参加する一方、ペンタゴンが民営化をはたしているあまたの民間軍事企業もまた、同様の国家外の暴力機構に他ならないであろう。
本書は、この6章以降、権力に関わらない市民がどのようにして、こうした世界状況に対抗するかについてその処方箋の一端を明らかにするが、とりわけ、終章のの終端部を直接引用しておきたい。

「・・・複合性と流動性のグローバルな相互連関は、この世界を不安定なものと化した。全ての不安定なシステムがそうであるように、制度内での突然のゆらぎ(たとえそれが微少なものであったとしても)は急進性を獲得し、そのシステムの全ての領域に根元的で巨大で予測不可能な変化を与える。・・・(中略)・・・それ故、逆説的には、人々の政治的関与にはまだ可能性が残されている。もし個人や少人数の集団が、世界をより危険で暴力に満ちたものに変化させることができるとするならば、同じく個々人や小さな集団の行動は、言葉本来の意味での平和、相互理解、安全といったものを世界で実現する可能性を孕むはずである」(199~200頁)。そして、ラビ・ラヒルの言葉を引用する。
「もし私が私のために行動しないのなら、誰が私のために行動するのか?もし私が私のためだけに行動するのなら、わたしは何者か?そしていま行動しないなら、いつするのか?」(200頁)

自由を耐え忍ぶ

岩波書店


2005-01-21 18:27:05 | 読書 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )