私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

フォールガイ 

2024-08-18 19:29:10 | 映画鑑賞

ライアン・ゴズリング演じるスタントマンのコルトはハリウッドスターのトムの主演映画の仕事中に事故を起こした事で仕事から離れていたのだが、トムの映画のプロデューサーから再び声がかかった事で現場復帰。久しぶりの仕事の上に、トムの映画は監督は元彼女ということで微妙な立場に戸惑うコルトだが、本当のミッションは、姿を消したトムを探し出す事だったのだ。

とにかく明るく、映像愛、スタント愛に溢れた映画だ。映画館で、楽しく元気が貰える2時間を過ごしたい私にピッタリの映画だった。

主人公のコルトはキャリアを中断しやや鬱々としている設定なのだが、動きだしたらキレキレのアクションの数々。シドニーオペラハウスの前で繰り広げられるアクションも、劇中劇のメタルストームの恋愛話も壮大な映像でありながらも、どちらも何かクスっと笑ってしまいたくなる設定だ。

とにかく私にとっては最高のエンタメ映画。

次々と流れる音楽もテンポ良く物語とアクションを盛り上げる。キッスのI Was Made for Lovin’ You、映画監督を演じるエミリー・ブラントはカラオケで♪Take a Look at Me Now♪という歌詞が耳から離れないフィル・コリンズの歌を感情たっぷりに歌い、予告編映像ではジャーニーのAny Way You Want Itが軽快に流れる。

制作会社はユニバーサル・ピクチャーズと監督のデヴィット・リーチが設立したアクション映画に特化した製作会社87ノース・プロダクションズ。字幕監修に谷垣健治氏のクレジットがあるのも納得だ。

映画『フォールガイ』本予告<8月16日(金)全国公開!>

 

映画『フォールガイ』特別映像【Introducing The Stunt Team】<8月16日(金)全国公開!>

 

 


映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記

2024-08-11 19:39:18 | 映画鑑賞

恐竜を現代に蘇らせたテーマパークが東京に出来、しんちゃん達カスカベ防衛隊がそのディノスアイランドに招待されるという映画クレヨンしんちゃん版のジェラシックパーク編。

ただ、物語のポイントはカスカベの河原でシロが子どもの恐竜ナナと出会うというシロとナナの友情物語だ。本当なら、この言葉を交わさずとも友情を育み信頼し合う物語をぐっと掘り下げればよかったんだろうけれど、そこに恐竜を自分の成功物語の一つに加えようとした大人の企みが加わってしまったことで、爽やかな友情物語がちょっとぼやけてしまった。

大人の企みが加わる事で物語が大きく動くのは映画版クレヨンしんちゃんの定番の展開だが、今回だけはシロの心情にもうちょっと光を当てて貰ってもよかったかなと思う。

ただ、クレヨンしんちゃんは子ども向けの楽しい映画だ。それを考えれば、恐竜のナナも可愛らしく、カスカベ防衛隊の絆の強さもいつも通り。

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恐竜たちが渋谷のスクランブル交差点で暴れまわるが、SHIBUYA109はSHIBUYA1009に、もちろんスターバックスもTSUTAYAもクレヨンしんちゃん仕様に微妙にロゴが変更されている。

 

 

 


ウルフズ 公開中止

2024-08-09 21:48:54 | 映画鑑賞

ジョージ・クルーニー&ブラッド・ピット共演の映画、劇場公開中止の理由 前売券は払い戻し

バッドボーイズ RIDE OR DIEの前に、 フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーンの前に、そしてツイスターズの前に・・・

ウルフズ の予告編を映画館で観、公開をとても楽しみにしていた。

ジョージ・クルーニーとブラッド・ピットの共演というだけでも一粒で二度美味しい映画の上に、二人の役柄が決して交わる事のない一匹狼のフィクサーという設定。個人的に非常に好みの映画だったのに、こんな風に突然の発表とは・・・・

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「コーダ あいのうた」や「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」などAppleが関係している映画は劇場公開と配信の2本立てが標準なのかなと思っていたのだが、こんなパターンもあるとは。

ニューヨークが舞台のソフィア・コッポラ脚本・監督の「オン・ザ・ロック」はApple TV+でのオリジナル配信作品を劇場短い期間の限定公開を行ったはず。

配信でいくか、劇場公開するか・・企業戦略が様々あるんだろうが、今一番がっかりしているのは ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの宣伝担当の人なのではないかと思う。

私は今のところ、Apple TV+に加入する予定はないので、この映画を観る事が出来ないのが残念だ。

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ジョージ・クルーニー×ブラッド・ピットが再共演!映画『ウルフズ Wolfs』海外版予告編

WOLFS – Official Trailer (HD)

 

 

 

 


ツイスターズ

2024-08-04 19:33:24 | 映画鑑賞

学生時代、竜巻へのあくなき探求心にかられ、友人たちと一緒に竜巻研究に余念がなかった女子学生ケイト。しかし安全を顧みず成果を求めたばかりに研究対象の竜巻に巻き込まれるのだ。

気象学のプロとして仕事をするも、学生時代の辛い思いから、実際のフィールドワークからは足を洗っていた彼女だが、民間の気象会社を経営している学生時代の友人から、出身地でもあるオクラホマで竜巻が異常発生していると聞き、再び実際の竜巻と対峙することになるのだ。

いわゆる、災害になる前の状況では、ケイトの友人のように気象のプロとして竜巻のデータを集める者もいれば、竜巻のYouTube配信を目的に竜巻に近づく竜巻チェイサーもいる。更には竜巻に近づきギリギリの緊張感の中にスリルを感じる事を目的とするテンションの高い観光客もいる。

地震、火山、台風、豪雨、水害、土砂災害。。災害は突然やって来て、それを避ける事は出来ず、危険を察知したら早めに避難する事。災害を前にしたらとにかく避難する事が一番だと思っていた。映画の中でも、勿論竜巻を避ける為にシェルターに逃げ込もうとするのだが、逃げるのではなく近づき、その湿気(水分量?)をコントロールする事で自然現象である竜巻の威力を少しでも低減させるためにあれこれ努力しようともするのだ。その姿に驚くしかない。

ただ、その竜巻が人間の想像を超え、ありえない暴風になり全てを飲み込むようになれば状況は一変する。その一瞬で災害と化すその変わり身の早さにただただ驚くばかりだ。

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最初から最後まで竜巻の渦に巻き込まれたような映像だ。とにかく竜巻のスピードと圧に気圧されて最初から最後まで目を見開き、スクリーンを二度見するような状態が続く。

そして竜巻といえばオズの魔法使いということで、竜巻に対峙する際のチーム員のコードネームが魔女、かかしだったりり・・・・自然の驚異の前でも悲壮感はなく、妙に前向き。竜巻チェイサーのタイラーを演じるグレン・パウエルのキャラクターがまさにこの映画の雰囲気にピッタリだ。

 


怪盗グルーのミニオン超変身

2024-07-28 19:39:32 | 映画鑑賞

反悪党同盟の捜査で高校時代の同級生マキシム・ル・マルを逮捕したものの、彼が脱獄した事で危険な状況に陥るグルーファミリー。

反悪党同盟の保護の元、身分を隠し別人として生活する事になるファミリーと、反悪党同盟の新しいミッションとしてスペシャルなパワーを得る事になる選ばれしメガミニオン5人衆。

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私にとっては、ストーリーは特に重要でもなく、ただただかわいらしいミニオンがちょこちょこ動いているのを見て癒される事が大事だ。今回はグルージュニアの世話係を任命されたミニオン、スペシャルパワーを注入された事で更に能力が特化されキャラクターが更に印象的になったミニオン5人衆等、集団と個別活動と二つの異なるミニオンを動きを楽しむ事が出来て、ミニオンに癒される頻度が倍増だ。メガパワー注入で手足が伸び益々見た目のバナナ感が強くなったメガティムや、爆弾を飲み込んでもびくともしない超強固な身体になったメガジェリーは岩というよりちょっと黄色が強めの大きなメロンパンと、見た目の可愛らしさは残しつつ、さらなる個性注入だ。

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ヒットした音楽が使われているのもこのシリーズの特徴。

美容院のシーンで流れるBTSは勿論、高校時代のどうでもいい思い出からグルーを逆恨みするマキシム・ル・マルの苦い思い出の歌は、カルチャークラブのカーマは気まぐれ。音楽のチョイスもとにかく王道だ。

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地元では吹き替え版の上映がメインだったので、私も吹き替え版で鑑賞。

鶴瓶師匠の声の枯れ具合が更に進み、グルーのキャラクターとかけ離れてしまっているようでなかなか厳しい感じだった。声に快活さが感じられないのが一番の難点か・・・


フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン

2024-07-21 19:09:23 | 映画鑑賞

フロリダのジョン・F・ケネディ宇宙センターで進むアポロ計画だが、ソ連に遅れを取り、膨大な費用増加、国民の関心も離れていき計画は千々として進まず。ソ連との競争に敗れるわけにはいかないニクソン大統領が取った策は㏚マーケティングのプロによる「アポロ計画」のイメージアップ作戦。

白羽の矢が立ったケリーは、その滑らかな口調と相手に取り入る天賦の才、類まれなるビジネスマインドの持ち主。自分のやり方を一つも変える事なく宇宙センターに乗り込むのだから、夢と希望、そして責任感の強いNASAのスタッフと相容れるはずがない。

更にケリーには、ニクソンの意向を組んだ政府関係者から「月面着陸のフェイク映像制作」の依頼まで舞い込むのだ。国民に夢や希望を示すのではなく、覇権争いの事しか頭にないニクソンの権力志向が産んだありえないプロジェクト。ただ、弱みを握られているケリーは、結局国民に対するイメージアップ大作戦と併せて嘘つき大作戦まで任される事になるのだ。

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予告編を見た際には、火星探査船の失敗をNASAが全力で隠ぺいしようとするカプリコン1を思い出したが、この映画はNASAの協力を得て作られた映画だ。発射責任者であるコールをはじめ宇宙センターの面々は計画の成功を信じ邁進し、ケリーも自分のすべきイメージアップ大作戦の成功を目指し、そしてケリーにフェイク映像の制作の依頼をするニクソンの手先であるモーでさえも自分のミッションの成功を目指している。

誰もが前向きに自分のミッションの成功を目指しているこの映画、ソ連との覇権争いにしか興味がないニクソンの姿が直接描かれないこの映画。㏚マーケティングのプロであるケリーは「アメリカを売り込む!」と意気込む。そのセリフの通り、とにかく驚く位に前向きで明るい雰囲気に溢れている映画。

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1969年7月の月面着陸。幼稚園に通っていた私もこの事はとてもよく覚えている。幼稚園の先生から「月に人間が行きます。テレビでの放送は夜中だけれど、こんな事はめったにない事ですからご両親にお願いしてテレビを見てみましょう」と言われたせいだ。子どもらしくそれをそのまま両親に伝えると「夜は寝るものだ」とあっさり却下された。幼稚園で「私も見た」と言いたかった私は少し粘ったが、かなり怒られた事を覚えている。大人になり両親にこの時の事を改めて聞いてみると「宇宙よりも毎日の生活が大変だったんだ。」と夢とはかけ離れた現実的な答えが返って来た。

ただ、テレビを直接見ていない幼稚園生の子どもにも、この出来事はとても大きな出来事だった。

 


密輸 1970

2024-07-17 21:20:09 | 映画鑑賞
1970年代、韓国の小さな港町。

漁船に乗り込み海産物の収穫で生計を立てている海女達だが、漁場のそばに工場が出来た事により収穫量が激減する。

そこに目を付けたのは、密輸で儲けようとする輩たち。
生活用品に嗜好品、ありとあらゆる物がアメリカから日本から密輸されていた1970年代。
関税を逃れる為に、密輸船で品物を運び込んでは港そばの海底に沈めて、それを海女達に回収させ、利幅を稼ごうとする手法。

背に腹は代えられないという事で悪事に手を染める船主と海女達だが、情報は税関に漏れ、トラブルで船主は命を落とし、船主の娘は刑務所に収監されるのだ。

時代の波に巻き込まれ、その中で生き抜く姿を見せる海女達。
税務署に垂れ込みをしたと疑われる船主の娘の友人を演じるのはキム・ヘス。刑務所に収監された事で彼女を疑う船主の娘をヨム・ジョンアが演じる。

実話を元にしたストーリー。描き方ひとつで、生活苦ゆえ悪事に手を染めるしかなかったという、暗い描き方も出来たはずなのに、そんな綱渡りのような様子を描きつつもその生活力の逞しさに驚くしかない。図々しい手配師の男達。そんな彼らを相手に一歩も譲らない海女達。
その駆け引きが海の上、陸の上区別なく行われ、駆け引きの裏に海女達の人情噺がしっかりと織り込まれているのだ。

更に画面を彩るのは1970年代のサイケファッションと流行歌。海女姿とは全く真逆のファッションで、チョ・インソン演じるベトナム帰りの密輸王と渡り合うチュンジャ役のキム・ヘスが破格の貫禄を見せる。彼女の持ち味とも言える新劇的な大きなリアクションがこの役柄とピッタリなのだ。
 
[MV] 영화 《밀수》 OST _ 앵두 / 연안부두
 
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1970年代のファッションが懐かしい。パンタロンスタイル 本当に流行っていた。

バッドボーイズ RIDE OR DIE

2024-06-30 19:49:50 | 映画鑑賞

ウィル・スミスとマーティン・ローレンスが演じるマイアミ市警のマイクとマーカスのMMコンビ@バッドボーイズ。

麻薬事件、殺人事件と陰湿な事件からの派手な撃ち合い。公道で繰り広げられる追跡からの衝突と派手な交通事故。コンビで命がけの捜査に当たりながらも、家庭第一のマーカスと熱い思いから過激な行動に出がちなマイク。

第三の主人公とも言えるマイアミの明るい雰囲気に彩られて、陰湿な事件が一つも湿っぽくならずに、ただただ明るく元気になるアクション映画になっているバッドボーイズ。

1作目、2作目そして少し時間が空いての3作目、4作目と時間が経ってもそのテイストは変わらず。

バディの絆からマイアミ市警内の絆、そしてファミリーの絆。敵対する相手の執念深さが深ければ深いほど、バッドボーイズの周辺の人々の絆の強さが感じられるポジティブさは、シリーズ誕生から29年経ってもそのまま。

4作目にして、悪い奴らの張り巡らした計画の為、信じられるのはお互いしかいないとなっても悲壮感がなく、どこまでもポジティブさが満載だ。更に今回は何かを会得して人生観が変わったかのようなマーカスの行動のあれこれが、このポジティブさに更なる新しさを注入している。色々あってちょっとお悩みモードなウィル・スミス演じるマイクへの援護射撃とも思えるこの設定が妙に笑える。

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今回、見に行く前にネットフリックスで1,2,3作を見たのだが、そのテイストの一貫性は少しも変わっておらず。1作目は携帯電話も無い時代なのだが、アクションシーンの数々は今見ても少し時代を感じさせない迫力あり。

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シリーズ全般に流れるテイストは一緒だが、ストーリーは、3作目と4作目はかなり関係性が強い。これから見に行く人がいたら、出来れば3作目を見てから見に行く事をお勧めしたい。

 


ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ

2024-06-23 19:48:27 | 映画鑑賞

1970年12月のクリスマス休暇。ボストンにある全寮制の高校では教師も生徒も皆2週間の休暇を楽しむために学校を離れるのだが、再婚した母の都合で学校に残る生徒と、彼のお目付け役として残る教師そして一人息子をベトナム戦争で亡くした料理長のメアリーだけが、学校に残る事になる。

曲がった事には一言物申すというスタイルを崩す事が出来ない歴史の教師であるハナムは、今は学校の校長である元教え子にさえ煙たがれる堅物。家庭環境からかやや問題行動が多い生徒のアンガスもそんな教師のハナムとひざを突き合わせての休暇に辟易しているのだが、何も起こらない退屈な時間になるはずだった2週間の時間が、3人の関係性に微妙な変化を呼び起こす。

頑なな態度のハナムとアンガスが心の中に抱える思い。息子を亡くした哀しさを表に出す事が出来ないメアリー。それぞれ立場は違っても、フランクな言葉を交わす中で少しずつ相手を想いやる気持ちが生まれてくる様子の温かさ。

嘘を嫌っていたハナムが、若いアンガスの為に見せる教師としての矜持。「歴史とは過去を学ぶだけでなく今を説明すること」とボストンの考古学博物館でアンガスに語ったハナム。彼は若いアンガスに今だけでなく未来にも繋がるバトンを渡してくれたのだ。

温かくも少しほろ苦い2週間のクリスマス休暇。

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オープニングのロゴも映画の舞台である1970年に合わせてクラシックなものになっている。ただ1970年代が懐かしく描かれているだけではない。メアリーの息子はベトナム戦争で亡くなり、素行が問題視されるアンガスもこれ以上問題を起こしたら両親から陸軍士官学校送りと言われている。1970年代がベトナム戦争の痛みと切り離せない時代であることも忘れてはいけないのだろう。

ホールドオーバーズ は残留者という意味との事。

 

 

 


違国日記

2024-06-16 19:19:33 | 映画鑑賞

両親を交通事故で亡くした女子中学生が身を寄せる事になったのは、小説家である亡くなった母の妹の元。

姉とは疎遠だったにも関わらず、少女に対する親戚たちの遠巻きの視線に耐えられず、思わず少女を自分の家に招き入れるのだ。

交流の無かった叔母と突然一緒に暮らす事になる少女の大人になる前の微妙な心の動き。嫌いだった姉の娘と勢いで一緒に暮らす事を選択した叔母の躊躇い。

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高校生になり、同級生たちとのちょっとしたすれ違いや少女らしい自尊心で傷ついたり傷つけてしまったりする事に悩む朝だが、叔母に対する態度はある意味とても自由でニュートラルだ。叔母との距離の取り方には物おじしない若者らしい様子も見える。

片や叔母である小説家の槙生は、無理に朝に合わせることなく、淡々と自分の立ち位置を彼女に示す。

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朝を演じる早瀬憩の生命力溢れる感じは非常に眩しいが、二人の日常生活を追いつつ、二人の感情の動きを静かに追い続ける2時間19分は私にはちょっと長く感じられた。

片づけられられない大人である槙生の部屋、カフェ、二人が歩く海沿い等、撮影場所は印象的な所ばかりだ。

 


シティーハンター

2024-06-08 21:03:41 | 映画鑑賞

原作漫画へのリスペクトが最大限感じられる実写化との事だが、私は残念な事に漫画もアニメも未見なのでその比較が出来ないのが残念。

ただ、漫画もアニメも未見でも、冴羽獠というキャラクターのイメージは私も中にもある。私自身は、二面性のあるキャラクターを映画の中で違和感を感じさせないことが成功の鍵だと思っていた。令和の新宿で、あの二面性のあるキャラクターを復活させる様子に少しでも面映ゆい所が感じられたら見ている方も落ち着かないが、そんな所が一つも感じられなかったところに鈴木亮平の役者魂を感じる。あのもっこりダンスを見せても余裕があり、クレバーさもどこか残しているのだから・・・

令和の新宿と昭和の新宿の混成感、夜の新宿が舞台でありながら猥雑さにウェットな感じが一つもなく、どこかからっとした感じなのはシティーハンターらしさの表れと理解して鑑賞。

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1980年代、新宿駅の伝言板を使った事はないが、映画の舞台にも近い西武新宿駅の伝言板にはお世話になった。落書きも多かったけれど、本気の待ち合わせ情報も結構あった。


関心領域

2024-06-02 18:50:11 | 映画鑑賞
アウシュビッツ収容所のルドルフ・ヘスとその家族が住むのはその収容所のすぐ隣。
庭師が整備した庭は絵にかいたように整い、プールには木製の滑り台も設置されている。
満ち足りたような家族の日常が描かれる。有る意味、単調とも思えるストーリー。
彼らは無関心なんだろうか。

煙突からは24時間煙がたなびいている。
花が咲き誇る庭の向こうからは、かすかではあっても途切れる事なく叫声が聞こえ、乾いた銃声も聞こえて来る。
列車は毎日のようにやって来る。
壁の向こうから聞こえて来る低く鈍い不協和音が四六時中途切れる事はない。

彼らは隣で行われている事に決して無関心では無い。会話の端々に何が行われているか分かっていると思われる言動が見られる。

知らんぷり領域
見て見ぬふり領域
私は関係無い領域

無関心ではないのだ。無関心ではないからこそ、その日々はいくら施錠しても心を蝕む。
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見ている間は「ホラー映画だ」と思ったのだが、本当に怖くなったのは見終わってからだった。不協和音が心の中で鳴りやまない。


猿の惑星/キングダム

2024-05-25 21:05:53 | 映画鑑賞

有名なラストシーンの1968年版を子どもの頃にテレビの洋画劇場で観ただけだったので、『猿の惑星シリーズ』の第10作目で、リブートシリーズの第4作というこの作品を非常に新鮮な気持ちで鑑賞。

宣伝文句に使われていた「完全新作」という言葉も、この歴史があってこその言葉だと思うのだが、私のような、いわゆる猿の惑星初心者にもこの映画は非常に優しかった。

300年前のシーザーの葬儀から始まる事で時代の立ち位置も分かり、村の行事の為にチンパンジーのノアが鳥の卵を手に入れる様子を描く事でエイプ達の世界の事と言葉を失った人間の関係性がすっきり分かるようになっている。そこに居ないシーザーの姿が見え隠れする続編と思われるストーリーなのに、それを敢えて「完全新作」と謳う逆説的なアプローチ。でもそれが新しい猿の惑星への挑戦でもあるんだろう。

エイプ達はそれぞれ集団を作り自分たちの生活を守るものの、権力を手にしたい者はそのバランスを崩して自分たちの地位を高めようとするのだ。何度も繰り返されたであろうその権力争いと他者との共生の難しさが、驚く程リアルな動きを見せる、ゴリラ、チンパンジー、オラウータンの個性的なエイプ面々の姿で描かれるのだ。

私の猿の惑星のイメージは、1968年版の顔だけ猿であとは人間と同じというものだったのでそのリアルな動きと彼らが動き回る森の中の様子に驚きしかなかった。次に続く物語の序章にしては、ややゆっくりなストーリー展開だったが、VFXの素晴らしさとエイプ達のキャラクターの描き分けにとにかく感服する。

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20世紀フォックスが20世紀スタジオになった事を改めて実感。

 

 


ゴジラxコング 新たなる帝国

2024-05-17 22:46:39 | 映画鑑賞

ゴジラの地上世界とコングが生きる地底。接近しては危ない二つの強大な力が、謎の地底帝国からのSOSでリンクする事になるのだ。

こんな風に書くとなんだかシリアスで重厚な雰囲気に包まれた壮絶な戦いを想像してしまうが、壮大なバトルはアクロバティックな雰囲気でも、映画全体はどこかポップで明るい雰囲気。

コングが生きる地下帝国の更に奥深くを牛耳るのは邪悪なスカーキングは一見ゴジラと見間違うような凍結怪獣を飼いならし恐怖政治を行っており、その恐怖に怯える地下帝国からのSOSに答えるべく出動するコング。しかしコングだけではスカーキングと凍結怪獣に立ち向かうにはやや不利ということでゴジラの登場が待たれるのだが、ゴジラとコングの仲を取り持つために一役買うのは、なんとあのモスラ。

コング、ゴジラとスカーキング、凍結怪獣の四つ巴の戦い。壮大な怪獣映画でなんだか笑顔になってしまう。

特にコングとスカーキングそしてそれを見守るスカーキングの手下たちエイプ達の戦いは、どうみても大きな猿の惑星だ。更に四つ巴の戦いは地底だけでとどまらずに地上に場所を変えて、世界中の街と遺跡を壊しまくるのだ。

とにかく全員勢ぞろいの派手でポップな娯楽映画。

 


無名

2024-05-13 21:46:13 | 映画鑑賞

1940年代の上海を舞台に、トニー・レオンとワン・イーボー演じる諜報員たちの駆け引きが描かれる無名。

ゴールデンウィーク中にも一度鑑賞したのだが、トニー・レオンファンとしてはもう一度スパイノワールを堪能すべく、先週末にもう一度映画館に足を運ぶ。

時代的には、当時の政権、日本軍、そして人民解放軍の三つ巴でスパイ合戦が行われていたのだろうが、映画は中国人でありながら、日本寄りで活動を行う諜報員たちの駆け引きが描かれる。ただ、日本寄りで活動を行うと言っても、諸手を挙げての活動ではない。戦況がどうなるか分からない中で、逃げおおせるように沢山の保険をかけての活動だ。それぞれの活動の温度差も、本音も分からない中で言葉の駆け引き、裏行動の駆け引きが行われる。

駆け引きそのものも判り辛いのに、映画を更に判り辛くしているのは、時系列がバラバラに描かれている事だ。監督の意図は分からないが、私は、諜報部員たち本人も相手の出方が分からない中で、駆け引きを行っている事をより効果的に見せる為にこのような手法を取っているのだと理解。そもそも諜報活動が分かりやすい訳がない。言葉には裏があり、銃弾の音の裏にも駆け引きがあるのだ。

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1回目に観た時は、年長のフーは微笑みを浮かべながら交渉し、年下のイエは表情を変える事なく活動に従事する、そのスタイルの違いがキャリアによるものなのか、諜報活動を行う上でのテクニックなのかも分からなかった。

2回目に観た際には諜報員としてのキャリアに差があってもそれが表立った時点で自分の生死に関わるのだろうと思い、二人の違いはあくまでも二人が自分に一番有利な方法を取っているからだろうと理解することにした。殆どの場面で上海語を話すワン・イーボーが年長者と一緒の場面でも表情を崩すシーンが殆どないのも、常に緊張感のあるなかで行動せねばならないキャラクターだからだと理解。

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ワン・イーボーは上背を生かしたアクションや、立ち姿を綺麗に捉えているショットも多かった。劇場内の物販の販売状況等から、観客の多くはワン・イーボーファンだったのではないかと思われる。ファンの人は彼の立ち姿の美しさに満足したのではないかと思う。