コントロールの利かなくなったシン理事の車は立体駐車場から落下。どのような大きな権力が後ろに控えているのか分からないが、こうやって邪魔になった関係者は亡き者にされるらしい。
それをまるで分っていたかのようなチェ本部長の電話に違和感を感じるインジュだが、彼は、ファヨンが銀行から持ち出した20億の現金が彼女の手に渡っている事も把握しているのだ。その上で「20億を返しても700億が戻ってこなければ意味がない。」という。要するに20億はあげるから700億を探すのを手伝えということなのだ。お金だけを信じるという彼らしい考えだ。
ファヨンから「何かあったら相談すればいい」と言われていた会長の元に咲いたランの花を持って訪ねるインジュだが、そこにやってくるのは裏帳簿を探しているチョ本部長。まるでインジュの動きもキチンと把握しているチョ本部長。ペク弁護士との権力争いに敗れ病院に監禁されているという会長はインジュに裏金帳簿を渡し彼女が命を狙われないようにするのだが・・・果たして本当にそうなるのか?・・・・
とにかく誰もが疑わしいドラマだ。
末の妹のイネがペク弁護士の娘の代わりにコンテストの絵を描いた事に気づくインギョンは彼の家のパーティに乗り込むも、アルコール依存症で停職中の彼女の立場はますます悪くなる。
記者らしい責任感と反骨精神を持っている彼女だが、「お金を持っていれば死ぬことはない」と言う姉インジュの言葉の勢いに驚くしかないのだ。
幼いインギョンは覚えていなかった幼い三番目の妹の死。それを記憶しているインジュと、自分が生まれていなかった時の出来事なのにその出来事が心に暗くのしかかる末っ子のイネ。
三姉妹の物語なのに、ドラマのタイトルがオルコットの@小さい貴婦人(日本的には若草物語)なのには、こんな暗い過去が隠されていたのだ。
インギョンが追いかける4年前の自殺も、先日の交通事故も、全部青いランの花が関係しているのだ・・・
花の存在も恐ろしいが、このドラマで恐ろしいのは何といっても人の心の闇だ。現金20億で自分たち姉妹の城を手に入れようとするインジュだが、そんな彼女が頼るのは、自分たちの父親の伯母。この伯母は、姉妹のお金の怖さを教えようとしているのか、それとも彼女自身に何か計画があるのか・・・とにかく誰も彼もが怪しい人物に見えるドラマだ。そして思いのほか展開が細かい。どのセリフに秘密が、どの視線に秘密が・・・と気になる。