少女はスヨルと対峙する前にカウンセラーに刃物を向けたが、偶然居合わせた少年が発見した事でカウンセラーは大事に至らず・・・
スヨルに「10/2」という謎の言葉を残して命を絶った少女の行動も気になるが、飲食店でアルバイトをしている少年の動向も気になる。更に二人とも「地獄云々」という同様の言葉を口にしているのだ。
自分が黄色い雨合羽を着て、父親を殺めたのでは・・・と葛藤しながらも、自分の父親が亡くなった当時の事件を全て洗い出す事にするスヨル。(育ての母がどんな思いで彼を育てたかの告白がなんとも切ない)
しかし、少女が残した10/2という日付は自分の父親の命日ではない事に違和感を感じ、当時の似たような事件を探るスヨル。似たような事件で当時犯人と目された人物を見つけ出すも、どうも様子が怪しい。何通もの手紙に操られるかのように自白をした彼も、少女と少年と同様の単語を口にするのだ。
事件は更に畳みかけるように起こる。飲食店でバイトしている男性のならず者の兄が殺害されるも、弟のわざとらしい作ったようなアリバイがあり、兄の殺害現場近くではスヨルがカウンセリングを受けた病院で見かけた少女の姿が防犯カメラの残っている。被害者と関連があるとは思えない加害者の存在。そして次々起こる殺人事件。
麻薬事件からシフトしたかと思ったら、もう怒涛の展開だ。そんな交換殺人と思われる事件の黒幕を追うスヨルも、事件に関わっている少年少女達の取りつかれたような状況を見て「自分も幼い頃、彼らと同じように何かを思い込まされていたのでは・・・」と疑い始めるのだ。
そんな展開に麻薬事件の事はもう忘れていいのか?と思っていたら、なんとそうではなかった。自分たちの麻薬が少女の父親殺しの引き金になったのでは?と悪い噂がたった事で、簡単に麻薬を売りさばいて韓国を出国する事が難しくなった麻薬製造チームの社長たち。けりをつけてから出国する事に固執した彼女たちに近づいてきたのは、なんと少年少女にあれやこれや吹き込んでいたと思われる人間。
ここで全部の関係が繋がって、スヨルにも本当の敵が誰だか分かる時がやって来た・・・
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スヨルがあれやこれやと頼りにしていた町の怪しげなヤブ医者だが、終盤を前に考えると、彼のスヨルに対するアドバイスはかなり的確だった。二重人格は肉体も精神もボロボロにするというアドバイス然り。更に「Kは幼いスヨルを守るために、スヨル自身が作り出した人格」だなんて、プロの医師の診断のようではないか・・・
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心理虐待をガスライティングと呼ぶのは、イングリッド・バーグマンが主演の映画@ガス燈にちなんでとの事。