1980年代、バスケットシューズのシェアではadidas、コンバースの後塵を拝する状況だったナイキがどのようにマイケル・ジョーダンと契約し、あのエア・ジョーダン人気を生み出す事が出来たのか。
ベン・アフレック演じるナイキの創立者フィルの友人ソニーを演じるマット・デイモンは中年男性らしい体形でバスケットもギャンブルも愛する男だ。その彼がナイキの起死回生の一手に選んだのはシカゴ・ブルズと契約を結んで間もないマイケル・ジョーダン。
adidasを愛するマイケルをどうやってナイキと契約させるのか。チーム@ナイキのメンバーは皆がプロとして一家言持つメンバーたち。それぞれがプライドを持ち丁丁発止とやりあいながら、やっと手に入れたプレゼンテーションのチャンスを逃すまいとする。
彼を納得させるストーリー作りとイメージ戦略。彼にナイキのシューズを履いてもらう事その事はまさにナイキのイメージ戦略なのだが、その彼に、そのイメージ戦略そのものが彼自身の夢と彼のキャリアに大事な事を理解してもらい、更に共感して貰う為に綿密な戦略が練られる。
プレゼンテーションの成功は事前準備があってこそというのが良くわかるのだが、最後の最後にマイケルを納得させるのはマーケティング戦略を超えたソニーの熱い思い。
結果がどうなるか分かっているナイキのマーケティング戦略を描いた映画が、胸熱のエンターテイメント映画になっているのは、チーム@ナイキのメンバーたちのキャラクターを自然に共感出来るものにまとめ上げた監督、ベン・アフレックの力があるのだろう。シューズデザイナーの言葉などは、一言一言に仕事を愛する気持ちが溢れており、「これぞプロ」とうなってしまう・・・・
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1984年当時のヒット曲もふんだんに流れる。あの当時を知る50代、60代の観客にはそれも胸熱ポイント。