見ている私は、「多分閉じ込められていないのに閉じ込められているフリをしている社長がいろんな意味で一番怪しい」と思っているのだが、ドラマの流れは当然「大事な一人娘を残し拘束されている社長を助ける為に犯人を捜す」という事になっている。
社長を尾行していた男が社内に居た事が判ると「どうやってシルバーラーニングに就職出来たのか?」が問題になる。身分から学歴から全部を偽って会社に乗り込んだ男だが、社内での履歴には偽造がない。分かるのは、社内にいる見えない敵から手引きがあるということだけ。仮の社長であるインソンは、敵対勢力からのスパイでない事がはっきりしている怖い物知らずの借金取りの男をドライバーに、社内から犯人を捜しだす事にするのだ。借金取りに追われ苦労しているチョン秘書にとっては3人でチームになる事はこれ以上ない迷惑な話だが、チョン秘書に対してだけでなくこの借金取りの男に対してもかなりニュートラルな態度でフランクに接するインソン。
周りは全部敵のはずなのに、強く出るでもなくゴマをするでもなく、社長の娘の誕生日にキャンプに行き、父親不在で不安がる彼女に優しく接するなど緊急事態の中でもどこかノンビリしてる雰囲気だ。
財閥の中で対立している叔父と姪、更に髪はないけれど欲はある常務たちからしたら、突然やって来たインソンは存在も思考も想定外。コメディミステリー故、インソンの先入観の無さがうまい具合に転がるように出来ており、犯人とコンタクトを取っていたらしい常務の口を割らせる事に成功するのだが、敵はかなり本気だ。「レディーアクション」の一言で難局を乗り切っていたインソンを常務殺害で拘束する位の事は朝飯前らしい。
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インソンの父が愛してやまない大御所歌手のチョー・ヨンピル。今はコンサートに重きを置いた活動をしているとの事だが、各地の会場はインソンの父のような熱狂的なファンで大盛り上がりらしい。