2014年の夏、イギリスの海辺の街ブライトンで妻と二人で施設で暮らす退役軍人のバーニーは、施設に妻を残し、一人、上陸作戦70年記念式典が行われるフランスのノルマンディーに向かう。どんなに長い時間が経とうとも、彼の心には整理のつかない事があったのだ。
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フェリーの中で出会う、空軍として大戦に参加した退役軍人とアフガニスタンに従軍したという若者。誰の上にも戦争の傷は大きく心に影を残す。若者も同じように戦争の傷を自分でコントロールする事が出来ず苦しんでいる。
どんなに幸せに暮らそうとも、どんなに未来があろうとも、戦争の影は容赦なく人生に暗い影を落とす。その気持ちに整理をつける為にどれだけの勇気とどれだけの悲しみが必要なのか。
いつでも二人で過ごしていても戦場であった事を妻には打ち明ける事が出来なかったバーニー。ツアーに入る事が出来なかった彼が、小さなビニール袋にパスポートと財布を入れ、一人フェリーに乗り、ノルマンディーに向かうのには、それだけの思いがあったのだ。
人の優しさを感じながらも、幸せで上書きする事の出来ない戦争の傷の惨さを思う。
映画『2度目のはなればなれ』予告編|10月11日(金)劇場公開