父親が営む遺品整理士の仕事を手伝うアスペルガー症候群の息子グル。
自分のルール通りに日常を過ごす事にこだわりを持つ息子のグルだが、そんな息子を暖かく見つめ、グルに遺品整理士の仕事を丁寧に教える父。
部屋に入ったら挨拶をし、故人の最後の引っ越しを静かに手伝う二人。
部屋に残された遺品の一つ一つと向き合い、故人がどのような思いで日々を過ごしていたのに思いをはせ、残された家族に遺品を渡す父の姿を見ながら仕事をしてきたグル。
息子は父が作る目玉焼きを食べ、自分が好きな飲み物を飲みと、決まったルーティンがくずれる事を嫌うのだが、そんな息子に目玉焼きの焼き方を教えようとする父。
父は自分に残された時間が少ない事を知り、彼がひとりでも生きていけるように準備をしていたのだが、残された時間は突然終わりを告げるのだ。
独りの越された息子グルの前に現れるのは、出所したばかりの亡くなった父の異父兄弟であるサング。
グルの父の遺言に従い、グルと生活を共にし、遺品整理士の仕事を3か月間手伝えば、ある程度の額の遺産が手に入ると踏んだサングは、いやいやながらグルと同居し仕事を手伝う事になるのだ。
二人一緒の初めての仕事は、床下に現金を隠したまま亡くなった老人の部屋の片づけ。
老人はなぜ、床下に現金を残したのだろう。
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父の教えに従い、遺族の思いを感じようとするグル。
志半ばで亡くなる事になった故人の思いが家族に伝わるように、残された物から故人を感じ、出来るだけ故人の思いに寄り添うように仕事をしている父をそばでみて仕事をしてきたのだ。
綺麗好きなグルの様子を見て来たサングが「なぜ仕事の時は平気なんだ?」と問いただすと、「ここは亡くなった方の部屋だからです。僕の部屋ではないですから」ととてもプロらしい言葉で返事を返すグル。彼らしく仕事に真摯に向き合っている様子が伝わっている言葉だ。