亡き母から聞いた「月で一人恋人を待ち続ける女神チャンウーの物語」を思い出として大切に胸にしまっている少女フェイフェイ。
しかし月餅店を営む父が再婚を考えている事にショックを受け、自らロケットを開発し、母が話してくれた女神チャンウーに会いに行く事にするフェイフェイ。フェイフェイが月で見つけた女神が住む世界では、女神チャンウーは月餅をモチーフにした護衛に守られ、地球上と違ってキラキラと自ら発光する物体たちが活躍する不思議な世界だ。
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フェイフェイが暮らす街は中国ののどかな様子が非常にクオリティ高く描かれているのに、宇宙に行ってからは、カラフルな蛍光色溢れる場面がかなり人工的に描かれている。宇宙空間をどうやったら夢の国にそしてポップな空間に描けるかをチャレンジした結果なのだろう。好みが分かれるかもしれないが、私はそのプヨプヨとした自ら発光するその雰囲気が嫌いではなかった。全く異なった画面の雰囲気を一つの映画で見られるのは楽しいものだ。
ディズニー出身のアニメーター@グレン・キーンが監督故、ディズニーのミュージカルアニメ感満載だ。遊び心もあり、女神チャンウーが歌って踊る様子は、チャイニーズ版k-popかと思うようなパワフルさだし、フェイフェイが自転車の籠にウサギを載せて漕ぐ様子はE.T.へのオマージュだろう。
ストーリーはかなり子ども向けなのだが、音楽も印象的で、ゴールデンウイークに楽しむにはピッタリの映画だった。
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フェイフェイのキャラクターデザインが中国というより若干東南アジア系だったのがちょっと不思議だった。
ムーランとの差別化を考えたのか、それとも子供っぽさを引き出そうとして別のアプローチだったんだろうか。
『フェイフェイと月の冒険』予告編2 - Netflix