聴き始めに続いて、今年最初に読んだ本について
相変わらず実力が追いつかない小難しい本に挑戦している
最後のページまで行ったのは昨年末リアル店舗で購入したこれ
ハンナ・アーレントの「政治について」
完成された本ではなく、まだ思索途中の本で
そのため一貫した内容にはなっていないそうだが、そこまで見極める力は自分にはない
難しい、だが面白いとは思う
数カ所気になる部分があるので、それだけでも読んだ価値はあると思う(思いたい)
不意に開き直りに近いことを思いついた
本を読んでわからないのは、当たり前のことだ!と
書き手が相当な時間をかけて構想を練り作り上げた作品を
いくら集中して読んだとしても短い時間でそれらを理解した気になるのは
おこがましいというか著者に失礼だと、、
そう考えると、難しい本も挑戦して良いのだと思えるようになる
ところで、この本では自分のように、その時代の空気とか出来事を記録と記憶に残すという行為、
あるいは敗者の視点で物事を語るのは、後の時代のためにもなると書かれた部分があって
少し救われるような気もした
政治は複数性から成り立ち、一番のポイントは自由という点
この自由は普通に使われる自由とは少しニュアンスが違って
いろんな意味が込められている
自由は活動につながり、活動は「人間の条件」にあった労働・仕事・活動の
範疇の最も大事な人間的なもの
その視点から精緻な考察が行われる
あと気になったのは、というより自分がずっと気にしていたのは
政治というものにつきものの「支配と従属」という関係だということを再確認した
この問題は公務員の上司からの命令を聞かねばない問題から
選挙における投票依頼をあまり考えずに受け入れる姿勢とか
戦争の場合は理不尽な命令に従うとか、、、
つまりは個の判断と異なる場合など、、なぜ人はそうなってしまうのか
個人の問題か、それとも個人を超えた制度の問題か
を考えることにつながる
この本によく出てくるソクラテスとかプラトンとかホメロスのトロイ戦争のくだりは
背景知識が全く無いので理解不能だが、雰囲気は想像できる(あってるかな?とは思うが)
幸いこの本の本体は長いものではないので、読み返すことは比較的容易にできるかも知れない
ということで、年初の読書としてはまずまず、、の評価