地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

南東北鉄周遊2015 (8) 仙石線代行バス

2015-07-15 00:00:00 | 濃いぃ路線バス&車両


 周知の通り、仙石線は去る5月末に約4年2ヶ月半ぶりとなる全通を迎え、仙台~石巻間最速52分の仙石東北ラインが運行されるなど、宮城県二大都市間の往来は飛躍的に便利になっています (何のかのいって日中の列車は約1時間かかるわけですが、それでも三陸自動車道を経由するバスよりは速い)。しかし再全通までは、松島海岸~矢本間にて基本的に1時間間隔で代行バスが運行され、しかもこのバス自体が下道経由で時間を要し、さらに松島海岸と矢本でも乗り換えに十分な余裕を組み込んでいたため、非常に時間を要し……毎日利用の方は相当大変だったのではないかと予想します。ただ、以前震災後4ヶ月の三陸を列車とバス乗り継ぎで縦断したのと同じく、再全通の前に代行バスを利用し、お金を現地に落としつつ「こういうことがあった」ことを実地に知っておくのも悪い話ではないと思った次第です。



 そこで、乗換指定駅である松島海岸にて下車し(高城町での乗り換えは相当歩いて面倒臭く、かつ始発でバスの席が埋まって座れないという事態は困る)、まずは駅前に広がる公園に。……ここからの景色は全然大したことない……(苦笑。もっと石巻寄りに行くと、土産物屋や旅館なども集中する展望のよい場所がありますが、既に発車したバスの中から眺めるのみで後の祭り ^^;)。というわけで、すぐに駅前広場に戻り、やがて姿を現す代行バスを激写してみることにしました。
 すると……やって来たのは「みちのく観光バス」の、シックなボディカラーが印象的な日野セレガ! 普段は専ら貸切専用で、鉄道趣味とは何らの接点もない存在ですが、代行バスの札を掲げているだけでこうして撮ってしまうとは……何とも不思議な感覚です。
 当初午後3時過ぎに撮影した時点ではバスは一台でしたが、夕方の輸送需要に対応するためでしょうか、やがて同色のボディがもう1台現れ、次の電車で到着した客を2台のバスに適度に分散させたうえで出発と相成りました。途中すれ違った代行バス (別会社の白い車) と比べて全然大きく豪華な雰囲気で、ちょっとした当たりを引いた気分です。
 しかし、その後この代行バスから眺めた旧野蒜駅周辺などの風景は、まさに荒涼……というのみ。こういう光景をナマで見るのは初めてという甥っ子は、かなりショックのようで押し黙ってしまったのでした……。とはいえ叔父さんとしては、こういう地域もある日本という国を誰もが協力して支えていかなきゃいかん、ということを教えたかった次第です。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (MAKIKYU)
2015-07-15 11:55:22
こんにちは。

こちらも震災から約4ヶ月経った時期に、石巻や女川などの震災被災地域へ足を運ぶ機会があり、その際には松島海岸~矢本間の代行バスにも乗車したものでした。

その際の野蒜駅周辺を見た感想は、この記事で記しているのと同様ですが、その後足を運んだ女川は更に凄ましい状況と感じたものでした。

またこちらが仙石線代行バスに乗車した際には、宮城交通の貸切車に当たり、この記事で取り上げているみちのく観光をはじめとする地元貸切事業者のバスも動員している状況でした。

石巻線や常磐線の代行バスでは、JRバス東北運行便に当たったのですが、宮城交通をはじめ地元貸切事業者のバスも多数動員される状況は、各地で多数の代行バスを走らせなければならず、JR側も系列のJRバス東北だけではとてもまかなえない事を表している様にも感じられたものでした。
返信する
Unknown (おっとっと)
2015-07-15 20:28:08
>MAKIKYUさま
 こんばんは、コメントどうもありがとうございます~。
 津波に遭遇した地域は、程度の差こそあれ相当大きなダメージを受け、とくに女川は津波で流されたキハ40の映像が凄まじいショッキングさでした……。が、そんな女川まで石巻線が再開通し、仙石線も同様ということで、復興の一つの節目を意味することになるのでしょう。
 そんな中、これまで多くの貸切バス業者の車が動員されたのは、もちろんJRバス東北だけでは足りないということもありのでしょうけど、もう一つの大きな理由として、観光客減に苦しむことになった貸切バス業者に仕事を融通するという側面も大きいのでしょう。新幹線で来たツアー客を貸切業者が運ぶという点で、長年JRと貸切バス業者は一種の共存共栄関係でもあったと思われますので……。
 ともあれ、街の復興はこれからでも、海の雰囲気などは次第に穏やかになり始めたようですので、観光客が増えることで、代行バスの仕事を失った貸切バス業者が本来の役目を果たせるようになれば良いと思っております。
返信する

コメントを投稿