地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

ありがとう、さようなら、東武快速

2017-04-20 20:05:00 | 大手民鉄 (東武)


 本日只今 (4月20日の20時5分)、もし東武でダイヤ乱れが発生していなければ、上り最終の区間快速が浅草に到着したことを以て、東武快速の歴史に終止符が打たれました。(予約投稿です。悪しからず)
 新しい時刻表では、例えば南栗橋発新藤原行き普通が日中に設定されていることからして、ダイヤ改正後の6050系は新造車を除いて全車廃車となるわけではなく、それなりの数が残って南栗橋以北で運用され続けるのではないか、そして南栗橋以北の急行に6050系が入って引き続き力走するのではないかという期待が高まらずにはいられません (間もなくその真相が明らかとなるでしょう)。しかし少なくとも、間もなく新栃木行きの2201レが発車してしまえば、南栗橋以南、とりわけ北千住~春日部間での豪快な走りは、多客時臨時急行でも設定されない限り過去のものです。



 そもそも東武快速の歴史は、高速道路が未整備だった時代において沿線と東京方面を速くつなぐ需要や、日光・鬼怒川観光の大衆化といった、戦後高度成長と深く結びついたものであったはずですので、今や時代が変わり環境も変わった中では、特急リバティへと発展的に解消されるのは当然の流れといえます。とりわけ最近は、日光へ向かう外国人観光客がかなり快速を利用しており、本来であれば旅費をたっぷり持っている観光客から料金収入を取り損ねるという状況もありました。したがって個人的は、リバティ満席時の救済を兼ねた急行が設定されていることもあり、今回のダイヤ改定を高く評価するものです。
 しかし……東京のド真ん中から、ガンガン飛ばす列車のボックスシートに座って美しい大自然に向かう長旅を満喫出来るという《急行列車感覚》が、ついに西武の週末限定快速急行を残して首都圏から消えてしまうことを心から悲しむものです。中2のとき、非冷房時代の6000系快速に初めて乗って新栃木所属7870形探訪の旅に出掛けて以来、果たして何度6000・6050系の長旅をし、四季折々の風景を眺め、心癒やされたことでしょうか……。とりわけ、浅草から乗り続けた先に、1m近く積もった豪雪地帯が広がっていたときの記憶は未だに鮮烈です。
 また、特に料金を必要とするわけでもないのに、明らかに非日常な雰囲気を醸し出した列車が日常との接点スレスレに存在していたこともまた、過去の物語となってしまいました。駅を通過するごとに普通や準急 (改め急行) に押し込まれるべくホームで待つ人々を「なんじ等お疲れよのぅ」とエラソーに眺めるという、何ともチープな優越感に浸ることが出来たものですが……。
 何はともあれ、多くの人々の様々な思いを乗せて快走を続けて来た東武快速の歴史は、こうして幕を閉じました。今はただ、東武快速で幾度となく旅を重ねることが出来たことを心から幸せに思い、今後もしばらく南栗橋以北で残り続ける6050系の活躍を見守りたいと思うのみです。ありがとう、さようなら、東武快速!

最新の画像もっと見る

コメントを投稿