渡辺恒雄あとつぎ宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「弁える参議院」は定刻通り始まり「林外相コロナで目白押し外交日程に対応できるか」と大臣官房長に問う

2022年06月02日 18時06分20秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
[写真]今から7年前の7月10日の参議院通用門、宮崎信行撮影。

 第208回通常国会はきょうを入れて残り14日間となりましたが、延長せず閉会し、国会法通り、7月10日が投票日となります。

【参議院第1種常任委員会 きょう令和4年2022年6月2日(木)】
●参議院外交防衛委員会
 異例尽くし。林芳正外相はコロナ感染で早くても10日以降でないと外に出られません。定刻通り始まった委員会で、トップバッターの立憲民主党の田島麻衣子さんは「外交日程は目白押しで、10日はアジア安全保障会議に首相が登壇し、国連安保理では北朝鮮弾道ミサイルは発射で追加経済制裁が議論されている」と述べました。答弁したのは外務省官房長で「大臣とは連絡を取り合い指示を仰ぎ、会合には代理者が出席している」と語りました。

 一方、同党も、外交防衛委員の1人がコロナ治療中なので、田島さんが長時間質疑しました。

 与党・公明党質疑者は「水際対策を問う」と官房副長官に質問を続けました。

 沖縄の風は、合計2名の会派としては異例の委員差し替えで、高良鉄美さんが法務委員会から移動して質問。ここだけは、異例の措置への感謝を高良さんが述べましたが、とくに注釈なく異例の「弁える参議院」が何事もなく続きました。

 最後に、鈴木貴子外務副大臣が条約承認案の趣旨説明。「日本ベトナム刑事共助協定」(208条約2号)、「ILO105号強制労働廃止条約」(208条約5号)、「漁船の安全のためのトレモリノス国際条約の実施のケープタウン協定」(208条約6号)を次回審議することになりました。

 外相・防衛相とも具合が悪いということについては、在京大使館の一等書記官たちは、本国本省に打電しないといけないでしょう。

●参議院総務委員会
 きのう本会議で審議された「電波法及び放送法改正案」(208閣法18号)が趣旨説明され、3時間5分コースで審議され、そのまま質疑終局。採決の結果、維新・共産反対、自民・公明・立憲・国民の賛成多数で可決すべきだと決まりました。審議の中で、前田NHK会長は、月刊文藝春秋の告発記事のうち、報道局ヘリコプターの運用の節約をしていることを認めました。NHKは、きょねん10月も開票特番で「立憲民主党の議席は99から141議席」(実際には96議席)という大誤報=下の画像=をしており、報道局の予算減への説明責任が前田会長に求められます



●参議院国土交通委員会
 「航空法改正案」(208閣法44号)全会一致で可決すべきだと決まりました。質疑では、鉢呂吉雄元経済産業大臣が「今国会で6回目の質問で、長浜博行筆頭理事の配慮で、きょうは50分」質問し、健在ぶりをいかんなく発揮。夏以降も現職議員として活躍してほしいところです。きょねん10月に北海道取材のため4年1か月ぶりに羽田空港に行きましたが、飛行機が小さい飛行機ばかりで航空業界の苦境を目の当たりにしました。航空会社は不動産を持っていないので銀行からの借り入れには限界がありますから、この法案で、減税延長などで政府から航空会社にお金を戻すことは意義があります。

●参議院財政金融委員会
 「資金決済法改正案」(208閣法47号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。一部報道でサービサー法の改正があるかのようなものを読みましたが、サービサー法はまったく関係なく、トークンエコノミーの推進や、銀行による株式分析など3つの金融庁所管分野の改正です。

●参議院法務委員会
 「刑法改正案」(208閣法57号衆議院修正と閣法58号)で法相と国家公安委員長が並んで答弁しました。

●参議院内閣委員会・厚生労働委員会連合審査会
 「こども家庭庁設置法案」(208閣法38号衆議院修正と閣法39号)と「こども基本法案」(208衆法25号)の連合審査。
●参議院内閣委員会
 連合審査の後、3法案を審議しました。
●参議院厚生労働委員会 
 連合審査から戻って、「児童福祉法改正案」(208閣法49号)の参考人質疑をしました。連合審査のあとに、違う法案を審議するのは異例で、厚労だけは忙しいというのはここ20年間の日常ですが、午後5時過ぎには散会しました。
●参議院経済産業委員会は法案がありますがきょうは開催されませんでした。

【衆議院憲法審査会 同日】
 きょうも4月28日に趣旨説明された「国民投票法改正案」(208衆法34号)は前日までの衆議院公報で案件に入っていないため、強行採決はありえません。
 きょうの議題は、日本国憲法及び日本国憲法に密接に関係する基本法制のうち、国民投票法について、インターネット広告の参考人質疑でした。

 参考人としては楊井人文弁護士が出席しました。ファクトチェック報道機関として「一般社団法人日本報道検証機構」をやっていましたが、おととし、7年間続いた同団体を解散させていたことを初めて知りました。

 質疑では新藤義孝さんの後、立憲民主党はいつもの奥野総一郎筆頭幹事ではなく、2期生の道下大樹さんが登場。若手に自由に発言させることで、改憲ペースを慎重にする高等戦術が功を奏して、今国会での改憲発議はなくなっています。

このエントリーの本文記事は以上です。
国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読くださり、ご寄付をお願いします。 
このニュースサイトは以下のウェブサイトを活用しています。
Ⓒ2022年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki、宮崎機械株式会社。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする