【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

小川淳也立憲民主党政調会長、防衛費倍増の自民公約でやり返す、茂木敏充自民党幹事長の「財源論」演説で

2022年06月29日 22時24分48秒 | 第26回参院選(2022年7月)
[写真]小川淳也・立憲民主党政調会長、きょねん2021年11月、宮崎信行撮影。

 立憲民主党の小川淳也政調会長は「防衛費増だって同じ。財源とセットじゃなきゃ非現実的なんじゃないか? 」と引用リツイートし、自民党の茂木敏充幹事長が「消費減税は財源セットでないと非現実的だ」と発言したことをやり返しました。

 自民党は岸田文雄首相・高市早苗政調会長体制で、きょねん秋の第49回衆院選で「防衛費GDP2%超」の2倍増を公約。今回の参院選にもひきついでいます。今年度予算を参考にすると、年6兆円必要。戦艦大和建造をめぐる議論から、財政法は政府公債の日銀直接引き受けを禁じていますが、高市さんは特例公債を充てると発言しています。

 立憲の泉健太代表らは「岸田インフレ」物価高対策として、消費税を時限的に5%にして現金を家計に残す公約をしています。この場合は、年11兆円程度になると考えられます。この財源には新規の国債を発行しても、異次元の金融緩和のもとでは何も問題は起きません。

 岸田首相がNATO首脳会議出席のため欧州外遊していることから、茂木幹事長が自民党の主役となったことで、党内からも不人気だとされている茂木さんに対する集中砲火が始まりつつあるようです。

https://twitter.com/junyaog/status/1542105882422435840?s=20&t=ObKHtr1V9JiPNDLWi9A6qQ


銀座で深谷隆司元自民党総務会長「キャーキャー叫ぶ野党の女性議員いらない」に支持者たしなめるも茂木敏充幹事長やり過ごすだけ20220626宮崎信行撮影。

2022年06月29日 16時57分54秒 | 第26回参院選(2022年7月)
[写真]猛暑もへっちゃら、銀座を取材する筆者。

 今週日曜日の東京・銀座での自民党街頭演説会で、同党重鎮の深谷隆司元自民党総務会長がマイクを持ち「参議院の舞台でキャーキャーキャーキャー叫ぶような野党の女性議員もいます参議院に向いていない。衆議院でも要りませんいりませんと言われるんだから」と演説。5列目の夫婦連れであることから、同党支持者と思われる女性から「そういうこと言わないの」「言わない」とヤジが飛ぶシーンがありました。

銀座で深谷隆司元自民党総務会長「キャーキャー叫ぶ野党の女性議員いらない」に支持者たしなめるも茂木敏充幹事長やり過ごすだけ20220626宮崎信行撮影。

 6年前は代表代行として代表をねらった蓮舫候補を念頭においた発言で、熱心な自民党支持者が今回の第26回参議院議員通常選挙への影響を懸念し、発言を制そうとしたと推測できます。

 深谷さんから「私が経済産業大臣のときの優秀な大臣政務官だった」と紹介されてご満悦の茂木敏充同党幹事長も、重鎮の演説を拍手しながら聞いていましたが、「キャーキャー」発言では拍手はやめながら冷笑を見せました。党本部幹事長として、発言を制することはありませんでした。

 以上です。

泉健太代表の新幹線乗り込むまで選挙運動の党首力が功を奏したか、最大の焦点「比例野党第1党」争いで立憲民主党が躍進

2022年06月29日 09時22分02秒 | 第26回参院選(2022年7月)
[写真]泉健太代表、22日、宮城県で、宮崎信行撮影。

 政治構造の変化の余地に乏しい今回の参院選で最大の焦点である、「比例の改選の野党第1党」で、立憲民主党が日本維新の会に対して大きくリードしました。

 情勢は大きく変わることがあります。

 第26回参議院議員通常選挙の最大の注目点は、比例代表(定数は50に復帰)で立憲民主党と日本維新の会のどちらが「第2党・野党第1党」になれるかどうか。

泉ケンタは新幹線に乗り込むまでが選挙運動なんです

 選挙サンデーからきのうまでの3日間の共同通信調査では、比例代表に入れたい政党は、およそ1週間前の公示前調査と比べて

 自民党が27・3→28・3
 立憲民主党が7・0→8・2
 公明党が6・2→7・2
 日本維新の会が7・7→6・1
 以下の政党は略

 となりました。

 維新は、野党第1党どころか、全体第4党に落ちています。

 参院選の基本となる「県連」は、自民党に次いで立憲民主党の組織があるためか、公示後に一番伸びました。いわゆる「選挙・野党第1党ブースト」の上昇気流を「岸田インフレ・物価高と戦う」の構図の設定に泉健太代表が序盤に限れば成功したことも大きそう。

 泉健太代表の有権者に対して分け隔てなく接する「名刺配り」の好感を読んでいるのかもしれません。公示日には、遊説を終えて、SP・県警警備を引き連れて新幹線に乗り込むまで「小畑きみ子お願いします」「立憲民主党です」と大声を張りながら、市井のタクシー運転手、買い物などをする女性に歩み寄り名刺を配りました。

 若さでのぞむ初陣の充実感が、功を奏しているのかもしれません。「党首力」という言葉がありますが、それは政策の問題ではなく、姿勢の問題です。

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