【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【第26回参・公明党の東京・埼玉・神奈川】公明党は街頭演説会の動員には陰りの印象

2022年06月24日 21時30分17秒 | 第26回参院選(2022年7月)
[写真]3選をめざす公明党の竹谷とし子候補、東京・北千住駅前で、きょう2022年6月24日=以下すべて宮崎信行撮影。

 第26回参議院議員通常選挙では、公明党は埼玉4人区・東京6人区・神奈川5人区という連続した8400平方キロメートルに、現職を擁立しています。この地域では昨秋の第49回衆院選では東京12区の30平方キロメートルにしか候補者を立てておらず、280倍の広い面積に選挙区公認候補がいるという異次元のたたかいになっています。

 このうち神奈川5人区で、同党の男性の現職が3度目の出馬となる共産党の女性の新人よりも単独で票数が下回った場合は、番狂わせがおきる可能性が出てきました。

 コロナ禍の3選挙区で、公明党の街頭演説に限った聴衆の人数が過去の同党との比較で減っているような印象がある、と一部選挙ウォッチャーからの指摘が出始めました。

 東京でのきょう平日午後の街頭演説会では、港区内にあるJR東海道新幹線及びJR東日本山手線などの駅の前では、聴衆は200名ほどだったように思えました。

[写真]演説中の竹谷候補を見る聴衆=JR品川駅前

[写真]演説中の竹谷候補を見る聴衆、JR品川駅前。

 演説会ではまず港区議が「物価高で不安をあおる政党がある」と切り出し「消費税を廃止しても7500円の負担減にしかならないので、軽減税率(の維持)が重要だ」としました。

 竹谷さんは「公認会計士でもある私が(国債整理基金特別会計の)積立金の(災害時に日銀が緊急で政府に貸し付ける)協定を結び、1日2億円の利子を節約し、6000億円の税金を節約した」としました。フードロス・食品残さの議員立法でもリードした実績を強調。そのうえで野党について「パフォーマンスしかしなかった」ときめつけて「税制は与党しかできない」「政治家は何を行ったかではなく何をしたか」と語り「私に仕事をさせてください」と演説しました。

 竹谷さんが演説を終えて、200人ほどの聴衆を交流している時間帯には、聴衆どうしが久しぶりのグータッチをして再会を喜ぶ姿も垣間見られました。


[写真]いわゆるタマ出し直前に手を振る竹谷候補、JR品川駅前。

 ほぼ全員と交流して、街宣車とは別に候補だけ別の車で出発する「タマ出し」まで残った聴衆は25人でした。

 この後、東京の下町・足立区「北千住」駅前の街頭演説会。足立区は行政区域・人口が大きいためか、早めにきた聴衆が街宣車を見て「知っている人(地方議員)がいない」とつぶやく場面も。また過去のイベントをほうふつとしてか「たくさん人が来て、リッキョーがしなっちゃうんじゃないか」との懸念も出ました。「リッキョー」は昭和40年代からの当地の方言で「陸橋」と書き、歩道橋を意味します。


[写真]足立区北千住の街宣会場に到着した竹谷候補。

 竹谷候補到着時には、300人ほどの聴衆がいました。



[写真]北千住で竹谷さんの演説を聞く聴衆、上の写真と下の写真は1分差で撮影。


[写真]竹谷さん。

 ただ、この会場でも、竹谷さんは歩道橋に上がり、全員と交流し、ツーショット撮影に応じました。

 なお、ここで、「なんかやっている」と足を止めた一般通勤者は、3名ほどしかいませんでした。東京は選挙区立候補者・全国比例で運動する候補者が多いので、「与党の大政党の候補」ということに気づかなかったのでしょう。

 埼玉選挙区の西田まこと候補の今月の公示前の街頭演説会もさほど聴衆は多くありませんでした。


[写真]演説会後に、西田さんと交流する聴衆=今月・埼玉県内。


[写真]準備する地方議員らとみられるスタッフ=今月・埼玉県内。

 埼玉県南部では、演説会の50分前に地元地方議員らと思われるスタッフが円陣を組んで念入りに準備していたようです。

 

[写真]西田まことさん、今月埼玉県内。

 なお、過去の記事で言及した通り、私が拒んだのに、西田さんにグータッチされ、事実上殴られた格好となりました。西田さんがその場で「すみません」と言い、この後の演説で、前の会場になかった「与党・民主党」という固有名詞を入れたので、おおめにみましょう。

 話はきょうに戻って、北千住の会場では、近所の友人を連れだしたので、竹谷候補の名前を知った人が1人以上いたので、広がったことになります。そして、自宅からフレンド取りをしている活動家がいて、既に竹谷さん投票依頼の電話を受けた知人が私には1名以上います。

 このように、「野党を批判する野党支持者」と違い、身内がしっかり整然と演説会を運営。意外とお互いがお互いを知らないようですが、「コロナ禍明けの同窓会」を兼ねて自発的に街頭に集まったようです。

 昨秋の大阪・堺市の首相・山口代表そろい踏み演説会では、高校生スタッフ5名程度のうち1名が自分の党の悪口を言いながら、なげやりにビラを配る以前にはなかった光景を見ました。

 首都圏3人衆の2以上の当選は確実ですが、その後の2025年9月より前にある、第50回衆院選に向けて、集票力をめぐって、自公の政治構造にじわりとした影響が出ることも予想されます。

 がんばれ竹谷!
 負けるな!まこっちゃん(西田さんの組織内の愛称)のエールを贈ります。

 大勝利!

 以上です。