【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【立憲・比例】西村ちなみ幹事長「両県連のアイディア上申ありがたい」と新機軸「徳島・高知合区」で「全国比例に、徳島県連と高知県連の女性職員2人が立候補」で立憲票掘り起こし

2022年06月14日 21時46分22秒 | 立憲構成員である読者を想定した2021-22選挙・組織情報
[写真]常任幹事会にのぞむ、西村ちなみ幹事長と大西健介選対委員長、きょう、宮崎信行撮影。

 立憲民主党は先週に続く常任幹事会をきょう2022年6月14日開催し、来月10日投票の第26回参院選の全国比例の候補者5名を追加で公認し、合計18候補となりました。

 きょう決まった5候補のうち、2候補は「政党史上初のパターン」となりました。

 前回から、「選挙区の合区」「比例の特定枠」ができました。選挙区の「徳島・高知選挙区」は自民現職の中西さん、国民新人の前田元高知県議、共産党の松本さん、N党の中島さん、参政党の荒牧さんの5名が準備しています。そして、全国比例で自民党は梶原元高知県議を公認しており、梶原さんが特定枠になるとみられます。

 立憲民主党はきょう全国比例で、河野麻美・徳島県連職員(32歳)と、菅原美香・高知県連職員(60歳)の女性2人の新人を同時に公認しました。これにより、同党の全国比例は18名となり女性比率44%となりました。西村ちなみ幹事長は「20名、50%が目標」(先週の記者会見)と語っています。

 西村幹事長は、きょうの定例記者会見で、「選挙区に(野党一本化などで)候補者を立てない選挙区では、ご当地比例候補を立てる方針だった」と語りました。そのうえで「両県連の今回の申し出はありがたかった」と述べ、女性比率の向上と徳島・高知での立憲民主党票の掘り起こしが必要である党本部の事情を、両県連が「忖度」して、両候補の上申があったことを示唆しました。

 特定枠は選挙運動が制限されています。一方、河野候補、菅原候補も、公営掲示板は全国でも限られるほどですし、また街宣車をどのくらい使えるものなのかは、正直ほとんど知っている人はいないと思いますが、各々の県連がふだんからお世話になっている団体の事務所などを訪れることの制約はほとんどないでしょう。また、政党ビラの配布なども、やりやすいでしょう。

 全国一斉の国政選挙なので、筆者としてもこれから1か月間に、合区・特定枠に関する現行公選法や、河野、菅原両候補の活動に関するフォローの記事を書くことは難しいと思いますが、「あと一歩」に向けて悔いのないたたかいを期待したいところです。

 以上です。

萩生田経済産業大臣が「総括審議官が違法でない答弁したのは誤り」と謝罪、「高圧ガス保安法改正案」審議し、全法案が参議院委員会通過

2022年06月14日 20時09分32秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
[写真]難波奨二・参議院立憲民主党国会対策委員長、きょう令和4年2022年6月14日(火)、衆議院第二議員会館内、宮崎信行撮影。

 政府提出法案があすの参議院本会議ですべて成立するはこびとなりました。自民党の役員会は「参議院議員会長・参議院幹事長・参議院国会対策委員長」の3人が正式メンバーですが、立憲民主党の執行役員会は参議院議員会長のみとなっています。前身政党で労組出身の参議院議員が強過ぎたことの反動とみられます。きょうは、今期で引退する難波奨二・国対委員長も呼ばれており、参議院の状況を説明したと思われます。

[写真]難波奨二・参議院立憲民主党国会対策委員長、きょう令和4年2022年6月14日(火)、衆議院第二議員会館内、宮崎信行撮影。

[写真]岡田克也常任(右)、菅直人最高両顧問、きょう令和4年2022年6月14日(火)、衆議院第二議員会館内、宮崎信行撮影。

[写真]泉健太代表(右)と西村ちなみ幹事長、きょう令和4年2022年6月14日(火)、衆議院第二議員会館内、宮崎信行撮影。

【衆議院 きょう令和4年2022年6月14日(火)】
 先週金曜日、月曜日に続き、きょうも本会議、委員会はありません。議運理事会はありました。

【参議院経済産業委員会 同日】
 「高圧ガス保安法改正案」(208閣法50号)の審議が3週間ぶりに再会しました。この法案がストップしていることを私は気づいていました。石橋通宏・経済産業委員長に促されて、萩生田光一経産大臣が発言を求めました。
 
 萩生田さんは「5月19日の岩渕友議員に対して総括審議官が『その2件は法令違反ではありません』と答弁したが、うち1件のJV水島の案件は法令違反だと答弁するのが正しかった」としました。もう一つ、審議会の結論に関しての委員会提出資料に間違いがあったとし、5月27日に審議会を急きょ開いてもらい「資料は誤りだが、審議会の結論とは変わらない」との答申を得たが、一部の委員会からは厳しい意見があったと明かしました。

 これに関する質疑で、萩生田大臣は、「アナログからデジタルの過渡期になる」とし、過去の資料を張り付ける際に段を間違え、読み合わせもしなかったとわびました。

 法案は、共産が反対し、自民・公明・立憲・国民・維新が賛成して可決すべきだと決まりました。

【参議院内閣委員会 同日】
 「こども家庭庁設置法案」(208閣法38号・208閣法39号)が立憲・国民・共産・れいわが反対し、自民・公明が賛成して可決すべきだと決まりました。「こども基本法案」(208衆法25号)は、共産・れいわが反対し、自民・公明・立憲・国民・維新が賛成して可決すべきだと決まりました。

 重要広範議案ですので、対総理質疑があり、岸田文雄首相が「明石市の事例は知っている」と答弁しました。

 「AVアダルトビデオ新法こと、性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律案」(208衆法43号)は、上川陽子さんから趣旨説明。法相時代に「検討する」との答弁をしていました。とはいえ、内閣府男女共同参画局の所管ということもありながら、改正民法施行後の4月1日を過ぎてから本格的な検討が始まった印象。上川さんはとしては、宏池会所属の自民党幹事長代理として、首相の失点を最小限に抑えたことに安どしているのかもしれません。全会一致で可決すべきだと決まりました。施行後2年見直し規定つき。

【定例閣議 同日】
 きょうの定例閣議は、午前9時スタートとなりました。

●週刊文春は、あす正午に電子版に「岸田政権に新たなハレンチ疑惑」を配信すると、メールマガジンで予告しました。

このエントリーの本文記事は以上です。
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Ⓒ2022年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki、宮崎機械株式会社。

「立憲民主党自衛隊員応援議員連盟」が枝野幸男会長で発足、両院議員の3分の2が既に参加する超大型議連、自治労・逢坂誠二代表代行、日教組・水岡俊一参議院議員会長も出席

2022年06月14日 12時03分00秒 | 立憲構成員である読者を想定した2021-22選挙・組織情報
12時3分に速報版、ブリーフ後の13時半更新。

 枝野幸男前立憲民主党代表が呼び掛けた「立憲民主党自衛隊員応援議員連盟」がさきほど令和4年6月14日(火)、議員会館内で発足しました。

 同党国会議員141名のうちおよそ70名本人が出席し、既に105名以上が入会の手続・意向を示しており、発足の時点で、党の3分の2を超える大型議連となりました。大物議員秘書は「驚くべきほどの巨大議連だ」としました。

立憲民主党自衛隊員応援議員連盟が発足、枝野幸男会長、3分の2の議員が出席、日教組の水岡さんも、20220614 宮崎信行撮影  

 枝野さんは冒頭あいさつで「隣にいる野田佳彦元首相らと呼び掛けたが、野田さんは親が自衛隊員でお身内なので、私が会長になる」とスピーチ。自らは官房長官時代に自衛隊員に東日本大震災対応でお世話になったとし、待遇改善について勉強したいと会の趣旨を説明。議員名は伏せつつも、枝野代表時代に、隊舎のトイレットペーパーの改善で実績を挙げたことも紹介しました。

 枝野さんは昨年11月の代表辞任後、党憲法調査会参与をしていますが、会長の肩書就任はこれが初めてとみられます。終了後のブリーフィングで、枝野さんは航空と建設職人の2つの議連会長を以前からしており「代表兼議連会長だった」と明かし、代表辞任後の議連会長就任について問われ、「初めてだが、3つの議連の会長だ」と強調しました。

 発足式には防衛省幹部も陪席して自衛隊員について説明。

 枝野さん、野田さん、玄葉光一郎元外相、渡辺周元防衛副大臣、外務省出身の末松義規財務金融部会長、重徳和徳さんらが、役員席ひな壇に。党本部の逢坂誠ニ代表代行もひな壇に。一般席には、日教組出身の水岡俊一参議院議員会長が最前列。大西健介選対委員長も。泉健太代表・西村ちなみ幹事長の本人の姿はなかったように見えましたが、同党の両院議員の3分の2前後が出席した異例の超大型議連発足となりました。

 議連は55分程度で終了。枝野会長、渡辺周幹事長、重徳和彦事務局長の3人が記者ブリーフィングに応じました。


[写真]議連の冒頭あいさつのようす、宮崎信行撮影。

[写真]「立憲民主党自衛隊員応援議員連盟」終了後の記者ブリーフィングに重徳事務局長ら合計3名で応じた、枝野会長(左)、渡辺幹事長(右)、宮崎信行撮影。

 重徳事務局長によると、きょうは国会議員本人が70名ほど出席し、既に105名以上の議員が入会の意向を示しているとしました。泉健太代表は「顧問」に就任。西村ちなみ幹事長は会員、小川淳也政調会長は本人が出席し、逢坂誠二代表代行が副会長になりました。

 きょうの会合では、役所から初任給、人事院勧告の特例、退職後の再就職について説明がありました。議員からは「私は予備自衛官だ」「役所にいるころ募集業務の仕事をした」との発言がありました。今後の進め方について「国会議員の地元には(陸自の)駐屯地がたいてい1つはある。が、直接訪れて司令官に要望を言って、というのは難しいかもしれない」との意見に、防衛省・自衛隊職員がきょうのご説明に持参したパソコンも実は自費だとするやりとりがありました。議員からは「メンタルヘルス、自さつなどが深刻だ」との言及もあったほか、「議連で視察をしたい」との意見が出て、枝野会長らが今後の進め方を考えることになりました。

 枝野会長によると、党の部会は「処遇改善」を話し合う場なので「応援議連」を立ち上げたかったとしました。タイミングについて「会期末を逃すと、次の臨時国会は2ヶ月後、3ヶ月後になるので、とりあえず役員だけ決めれば動かせる」からだとしました。

 保守的と言われる新聞から「現実的な安全保障をしてこなかったから、あえて立ち上げたのか」と聞かれ、枝野さんは「そう書いていてきたのは、マスコミだ」と気色ばみました。

 役員は、上述以外に安住淳さん、田名部匡代さんも名を連ねました。

 岡田克也常任、菅直人最高顧問は出席しませんでしたが、岡田さんは入会の意向を前日までに伝えました。

 以上です。