【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

小川敏夫参議院副議長は本会議で「今期で退任します」、塩村あやか「ありがとう」討論、経産省の技術総括審議官は衆議院経済産業委員会でも謝罪、憲法審査会「国民投票法改正案」継続

2022年06月15日 14時28分47秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
[写真]衆院選初日の、枝野幸男代表(当時)と吉田晴美候補(当時)の演説を聴衆に紛れて聞く小川敏夫参議院副議長、きょねん2021年10月19日、東京・阿佐ヶ谷駅南口で、宮崎信行撮影。

 第208回通常国会は、150日間で閉会。政府提出法案はすべて成立で、ほぼ政府原案通りの公布となります。

【参議院本会議 きょう令和4年2022年6月15日(水)】
 山東昭子参議院議長(非改選)に促されて小川敏夫副議長があいさつ。「平成10年から4期24年にわたり参議院につとめさせていただきましたが、この任期を持ちまして退任します」と語り、今期での引退を発表しました。小川さんは、議院内閣制及び二院制において参議院に必要なのは「活発な議論」と強調しました。

 秘書だった吉田はるみ衆議院議員が昨年10月に当選し、本来ならば、向こう6年ないし3年、小川・吉田師弟コンビで、東京に目を光らせるのが理想だったかもしれませんが、手塚仁雄さんに「東京6人区は蓮舫さんと新人の2候補」の流れをつくられてしまい、やむなく引退となったようです。小川さんは、民主党系では初めての「非労組系かつ衆議院の経験がない議員会長」となりました。基盤は弱いことを不安視されましたが、会派の研修会に党本部代表の衆議院議員が講演する際も、党本部に日程の発表をさせないように圧力をかける参議院会派という淀み切った伏魔殿で、徐々に改革を発揮。この流れを後輩の福山哲郎さん、蓮舫さん、芝博一さんら非労組系が助太刀して、水を清くしました。小川さんは党本部で岡田克也代表の財務委員長をつとめました。内閣では法務大臣として死刑執行を命令しつつも、西松・陸山会事件で小沢一郎さんらに指揮権を発動するよう官邸を訪れ、総理大臣に直談判しました。また民事では、週刊新潮のこたつ記事を訴え完全勝訴。良くも悪くも、東京地検特捜部、週刊新潮の存在感が低下したのは、小川さんの各方面でのアクティブな行動があったと思います。これだけのアクティブな行動を振り返ると、個人後援会が希薄な参議院議員としては潮時との声も出るでしょうが、今後も折を見てのご自身の意見発信には、傾聴に値するものがありそうに本心から感じますので、期待したいと思います。
 「令和2年度決算」は一般会計は自公のみ賛成などの結論を得て、承認されました。

 「こども家庭庁設置法」(208閣法38号・208閣法39号)は立憲・維新・共産・れいわが反対し、自民・公明・国民が賛成して可決し、成立しました。

 「こども基本法」(208衆法25号)が共産・れいわが反対し、自公立国維が賛成して可決し、成立しました。

 「AV新法」(208衆法43号)は全会一致で可決し、成立しました

 3月の決算委員会で18歳・19歳取り消し権の対総理質疑で流れをつくった塩村あやかさんが採決に先立つ討論に立ち、冒頭、AV新法の流れにお礼しました。今国会のMVPの意味もあっての登壇だったと思います。塩村さんもツイッターで提出のずっと前から「画期的な立法」と意気込んでいたので、スケジュールがはまって、安どしているでしょう。

 「改正高圧ガス保安法」(208閣法50号)が共産反対、自公立国維賛成多数で可決し、成立しました。この3年間で最後に議了した法律になりますが、経済産業委員会では矢田わか子さん(改選・国民全国比例・電機連合)が朗読した7本の附帯決議が採択されたことも、石橋通宏委員長(改選・立憲全国比例・情報労連)から報告されました。

 請願は、法務と厚生労働だけ採択するという形骸化したかたちで終わりました。

【衆議院憲法審査会 同日】
 新藤義孝さんらが提出した「国民投票法改正案」(208衆法34号)を継続審査とすることを決定しました。

【衆議院政治倫理・公職選挙法改正特別委員会 同日】
 最高裁判所国民審査で在外投票できないことを憲法違反だと断定した5月26日の判決について、最高裁判所から衆議院に対して「上告の判決正本が送付された」とし、「議長から当委員会に参考送付された」ことを浜田靖一特別委員長が語りました。内容についての説明はありませんでした。

【衆議院経済産業委員会 同日】
 政府参考人の立場で、経済産業業の技術総括審議官が出席し、「5月11日の宮本徹委員への答弁で、2011年の三井化学の案件と、2012年の東ソーの案件は、逆だった」と訂正しました。会期末の委員会で政府参考人が発言を求めて、訂正・謝罪するのは異例。

【衆議院本会議 同日】
 上述の通り「国民投票法改正案」(208衆法34号)の継続審査などが決まりました。この後、細田博之議長があいさつしましたが、ヤジが断続的に飛び続け、くすぶったまま、閉会しました。

●週刊文春電子版
 公明党が長年2議席を取り続ける「比例東京ブロック」で第4位に登載されていた公明党40歳男性職員が、匿名アカウントだが鍵がなく誰でも見られる状態になったツイッターに、性交の動画を投稿し、相手の女性は複数であると、15日正午に報道。取材を受けて、公明党は既に職員を解雇。きょうにも離党届を受けて、繰り上げ名簿から削除することを明らかにしました。

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