日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

「カーネーション」の脚本家渡辺あやさん

2012-04-04 06:55:51 | 本・映画・テレビドラマ・絵・音楽
NHKのテレビドラマ「カーネーション」のこと何回書いたかしら。
いつも「脚本渡辺あや」さんってどんな人だろう、と思って書いていた。今日の朝日新聞のインタビュー記事は、そのご当人でした。
やはり「だろうな~」というタイプでした。「70年生まれとは若い!」と年寄り60代の私の感想。ゴメンなさーい。私が彼女の頃は、60過ぎなんておばあちゃん世代と見えていたものね。アッハハ
「不幸や不条理に立ち向かうには、すごく地味なことをコツコツやっていくしかない、というかんじがしませんか。あるところに大きな救いがあって、そこに自分も回収される、というのは絶対うさんくさいし、本物じゃない。小さくて地味で一見『これかよ』みたいなこと。(略)よくよく考えれば、それ(小さくて地味なこと)は美しいことだと思います」
やっぱりね、ちゃんと見てる人。
そして、嬉しいのは、小篠綾子さん(カーネーションの主人公のモデル)は、晩年がもっとも輝いていたそうです、と。

ドラマ展開を見ていて思っていました。
このおばあちゃん、子供たちが有名デザイナーになっていても、自分のポリシーを捨てていないな、と。老いては子に従いとは違う、体が動く限り、自分に出来ることをしようとした女性に描かれていると、思いながら見ていました。
渡辺あやさんの理解もそうだったのですね。
テレビ視聴者の多くも女性と想定しているドラマでしょうし、これから年齢を重ねていくものたちへのエール、と思いました。ハイ

脚本書けたらいいですねー。
と思いながら、映画三谷幸喜の「ラジオの時間」という、シナリオの投稿で優勝した主婦を話題にした映画を思い出しました。ぷっ(笑)

でも、渡辺あやさんの脚本好きでした。
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映画「マーガレット・サッチャー鉄の女の涙」を観る

2012-03-30 06:54:46 | 本・映画・テレビドラマ・絵・音楽
久しぶりに、映画館に封切映画を見に行く。
マーガレット・サッチャー鉄の女の涙
春休みの子供たちも賑やかな映画館。
ホップコーンの甘い香りでイッパイ。劇場もいいものですね。
最後に映画館へ行ったのは・・・と思い返す。あの銃撃シーンが多かった「ミュンヘン」だった。なんという選択癖なのかと、我ながら苦笑。

で、「マーガレット…」の館内は、20人ほどの観客。極めて平均年齢が高い。
ワタシが若手かしら、と。ウッフフ

メリル・ストリープがアカデミー主演女優賞の話題作。
認知症のサッチャー元首相と、若手女性議員として社会にかかわっていく彼女。往年首相として活躍する彼女の幾度もフィードバックする構成になっている。
テーマは、彼女の成したことにあるのではなく、「彼女の成してきたこと」と「今」を描写することにあるのだろう。
社会的有益な仕事に生きていくのだと、恋人に語る若きサッチャーの清々しさ、フォークランド戦争で一歩も引かなかった強固な意志。事実に基づいているだけに、圧倒される。
で、「今」は、亡夫デニスの幻覚との語らいの日々なのである。

メリル・ストリープは、雑誌アエラ(この封切映画のこともあり、表紙を飾っていた)の取材に対する彼女は、同世代として魅力的。
40代になったら、オファーが来るのは、魔女役だったりで、ハリウッドは女性の若さ重視の世界だったと語る。
「私はドアをほんの少し開けただけ。あとに続く女性たちが歩きやすい道であれば、こんな嬉しいことはありません」

そして、ワタシに言い聞かせるために、記事の中からこのフレーズも引用しておく。
「現在の自分の中に、未来の自分も過去の自分も見つかるはずです」
うーん。

つけたし。
比較しては悪いけれど、先日まで見ていたNHKの朝ドラ「カーネーション」の高齢になった糸子のメイキャップ(老人性の肉の首周りのぬるみ具合)とのレベルのちがいの何たることか!映画製作の周到さに圧倒される。


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漫画三昧の日曜日

2010-11-08 11:10:43 | 本・映画・テレビドラマ・絵・音楽
漫画「医龍」を黙々と読んだ。
「ブラックジャックによろしく」を「新」も含めて読了して、次ぎは、こっち。

「…よろしく」に惹きこまれていたもので、初めは、気乗りしない読み心地だつたけれど、読み進めるにつれて、勢いついて、最新刊の24巻まで、一気に読みました。

なんという贅沢。・・・漫画本に没頭できることを贅沢っていうのは、ささやか?
でも、私的にはも充分に興味深く没頭しちゃいました。

漫画って、すごいね~。
これで、大勢の読者がいるんでしょ。

どちらかというと漫画不得意だったのだけれど、返上です。

大人買いした漫画本がリビングにズラッー。
歳を考えると、不釣り合い?
そんなことより、面白いのだから、いいじゃーありませんか。笑
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回答者:上野千鶴子さんの相談室を読んで。つれづれ駄文

2010-10-22 07:14:49 | 本・映画・テレビドラマ・絵・音楽
土曜日の朝日新聞、掲題のコラムを、読むくせになっている。
回答者が交替なので、上野さんと○さんと、△さんの時は読む(笑)。

で、先週の分。・・・紙面が手元になく、記憶で書いています。

40代の主婦が、結婚相手と上手くいかず、離婚を考えていたときに妊娠がわかり踏みとどまり出産。娘が幼いとき虐待した時期があり、その娘が思春期を迎えた今、幼児期の虐待を取り上げて母親に敵愾心を持つ。娘とも上手くいかず、夫とも上手くいかず…、どうしたらいいでしょう、という相談。

相談内容には、上野先生、ぶれることなく、情に流されず回答。
回答があったからといって、相談者の問題がそうすんなり解決するわけでもない。



回答文章の後段で、こんな文章があった。・・・上野先生の表現を抜粋すべきなのに、手元に新聞がない!

-早い時期から、母親の苦労を聞きながら育った子供は、大人になるのが早い、と。

-回答者に、(嫌な夫と、子供のために我慢して生きてきたと生き方ではなく)あなたは、自分が幸せだという生き方を考えなさい(と説きながら)、私も自分の母親にいいたかったのは、そのことだ。

という文で締めくくられていたのが、ココロに引っかかった。

上野先生は、同県出身で、学年は二つ上。
あの世代(というか、私たちの世代)、母親から「我慢してきた」「苦労した」を怒涛の如く聞かされ、聞かされ、育ったものだ、と、ふと自分のことを振り返った。…そんなことも人格形成に影響、……するのか、…するのだろうな、とも、考えたりした。



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漫画「ブラックジャックによろしく」を読んでいる。

2010-10-14 12:27:09 | 本・映画・テレビドラマ・絵・音楽
ストーリーの掘り下げ方に感服。
漫画って、すごいね~。

小説や映画であってもピンキリなのと同じで、いい漫画は人を充分感動させるものなんだよ、と、むか~し、娘が言っていた。
なんだよね、Y子ちゃん。…こう書いても、彼女が拙ブログを読むことはないけど…

・・・私は、長らく、漫画(描くほうです)に夢中になる娘を受け入れられない、頭の固い母親やっていました・・・

で、この本でお医者さんがよくする「当直」についての話

先日、娘婿(R国人)と話していて、うーーん、めんどくさい!と、思っていたことの「解」を得たようで、雑記です。

その時、私は、病院勤務の息子が当直が多いらしい、といったら、夜勤のことですか?と聞き返された。
私たちは微妙に「夜勤」と「当直」を使い分けている。
なぜ、深夜労働について「夜勤」という言葉があるのに、「当直」という言葉もあるのか?
「当直」は「日直」に対応する言葉であり…(小学校の黒板の隅に、日付と日直○○と、書かれていたなー、と思いながら、でも、目の前の人は、その共通体験がない、トホホ)
夜にも仕事をしなくてはいけない…よ。
だったら、「夜勤」じゃない?
「徹夜」のこと?
そう言われてもね~。

夜勤は、昼の勤務とのローテーションで働くことで、
当直は、昼働くのが本来なのに、当番で夜も働くこと。だから、昼働いた続きで、夜通し働く、ということ、かな。

だから、看護婦さんの夜勤は、よる働くという割り当てで働いているので、当直とは言わない。

って、勝手に理解した気になった。
今度会ったときは、この微妙な違いを伝えられるかしら。

タイトルに比して、余禄・雑記の文章でお粗末だけれど、本当に「ブラックジャックによろしく」の人間理解に感心する。

―患者と親しくなってはいけない。
―今は距離をおくのも大事。

どの場面でもってわけではないけれど、適所にちりばめられている含蓄のある医師たちの言葉、抱えている不条理に頷いています。
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今日から楽しみなドラマ始まる NHK BS 「グット・ワイフ」

2010-10-05 07:09:00 | 本・映画・テレビドラマ・絵・音楽
先日、一瞬の番組予告を目にして、10月の火曜日からね、とだけ記憶していた。
今日がその火曜日。早速、番組の毎週予約して、準備OK。
ドラマ「グット・ワイフ
うふふ、主人公は、あの「ER緊急救命室」で看護婦役をしていた、キャロル・ハサウェー(役名でしか覚えていない)。今は見ていないが、10年以上前に、シリーズ1から随分集中してみたもので、グリーン先生、ロス先生って、みんな役名で役者さんを覚えている(苦笑)。
さて、そのキャロルが、今度は主婦から弁護士として活躍という設定。ERでも、奨学金を受けて猛勉強して医師資格を取得したけれど、ロス先生との恋愛が絡んで…、との展開だった。
家人に、キミが好きそうなドラマだね、といわれた。アハハ判りやすい女です。

前記事のヴィヨンの妻とは、まったく正反対ともいえる(笑)。

ま、まだ初回も見ていないのですが、楽しみです。
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太宰治著「ヴィヨンの妻」を読む

2010-10-01 08:50:34 | 本・映画・テレビドラマ・絵・音楽
東京行きの新幹線の中で、iPODに収録した青空文庫で、太宰治の「ヴィヨンの妻」を読む。
去年映画化された作品。実は学生時代に全集を買っているのだけれど、たまたま掲載の巻が見当たらず、よって,読んだかどうかは覚えもない、という状態だった。

ヴィヨンの妻は、太宰の奥さんがモデル(?)との作品紹介の一行も、読んでみようかな、の興味のきっかけか?(自問)
時代は昭和19年頃だから、戦争末期。妻の連れ合いは、30歳で、妻は6歳年下で、幼子を抱えている。
その夫は、中世のフランスの詩人「フランソワ・ヴィヨン」についての論文を書いたり、で、無頼派詩人に傾倒している青年。自分の生活の無頼振りと、ヴィヨンの破天荒振りを重ねて、自分の妻に「ウィヨンの妻」と冠しての話、なのだろう、か。

夫は、旧家の次男で、ゆくゆくは膨大な財産がはいるという立場と、ちゃっかり記されていて、生活素行はハチャメチャで、見るからに出来の悪そうな幼子を抱えた妻は、苦労を背負い込んでいる、という設定。

コレまでに、その昭和の時代を書いたノンフィクションも多々読んできたものにとっては、この戦とも関係なく、お酒に酔いしれ、散財しまくり、あとは財産が転がり込んで…、の設定が、太宰という人の「お話」、それだけのこと、に思えてしまった。
但し、今の私には、です。

昭和40年代始めから中頃、私が太宰を読んだ頃は、彼の、文章は惹きつけて止まない、ものをもっていると感じられて、どの作品も、読み始めると、そこから媚薬のような出ているのではないかとすら思えるほどの、特徴があった、のに。
いつの間にか、太宰を卒業していたのですね。
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司馬遼太郎著「明治という国家」上・下  読了

2010-09-24 13:31:32 | 本・映画・テレビドラマ・絵・音楽
「「明治」という国家」は、よくある、明治維新期を書いたものです。
登場人物の殆どは、かつて歴史教科書で覚えたことがある人物たち。
その歴史上の人たちが、そう、そうなのか、さもありなん、と、頷きたくなる解釈を加え、判り易く説明を展開してくださる。
なんという至福。
あっという間に、2冊を読了。

こんな本を楽しむご同類、いるんでしょうね~。
あっ、私が購入した本じゃなかった。
家人が購入したものを、ついつい先に読了したわけです。
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手塚治虫の漫画「奇子」1、2,、3を読む

2010-09-19 21:12:15 | 本・映画・テレビドラマ・絵・音楽
手塚治虫に「奇子」という漫画があることも、今回勧められて初めて知った。
読み始めて、3冊を一気に読了。
戦後の昭和24年の下山事件や三鷹事件という、教科書でしか知らない戦後の占領軍が統治していた時代をモチーフにした作品。
またまた、先日読んだ井上ひさしの「一週間」が、戦後のシベリア捕虜生活を題材にしていたのと、場所は違えど混乱した時代を書いているので、漫画として登場人物の膨らまし方もさすがだけれど、知らない、戦後という時代を教えてもらえるという要素もあって、良かった。
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井上ひさし著「一週間」を読む

2010-09-17 08:48:38 | 本・映画・テレビドラマ・絵・音楽
東京行きの新幹線の中でも、本を読む気力も戻ってきた。

井上ひさし氏がなくなってまもなく発行された新刊本。
もともとが雑誌連載されていたものが単行本になったもの。

シベリアに抑留生活された捕虜の一週間の話。
敗戦後60万人もの日本人が捕虜としてシベリアへ連行された。
その60万人の兵士は共産党政府下のソ連で、労働力として使役された。
その使役のやり方が、旧日本軍の管理機構を温存して統率するに任せたため、
捕虜たちは、寒さと、威張り腐る上官のもとでの生活となった。
日本人捕虜向けの、日本語による新聞(当然レーニン崇拝、スターリン万歳の路線)が発行されており、その任務につくことになった語学が堪能な主人公の一週間で体験した話です。

末尾には膨大な参考文献が列記してある。話は、井上氏の作話部分もあるのだろうけれど、
そうか、と思う仕入れも多々あり。
例えば、ジュネーブ条約で、捕虜に労働を強いてはいけない、というのは、将校クラスのことであり、兵隊はこの規定に当たらない(?)とあり、・・・そうなのか、と。それぞれ自国に都合の良い解釈をするのでしょうね。
敗戦当時の日本は、東京を始めとして都市部は壊滅しており、60万人もの兵士が帰還しても受け入れる対策も立てられなくて、ソ連が労働と引き換えに、食べさせてくれるのなら、ひとまずそれもあり・・・、という思いが、敗戦日本政府(あったか?)側にあった、と。
元来、ソ連(ロシア)は、極寒の地シベリアの労働力不足であり、囚人の労役としてシベリアでの労働力を確保していた。そんな国だから、敗戦国日本に捕虜の労働力による賠償を期待した、という見方。
本の記述では、ソ連は日本の捕虜に対しても、他のシベリア送りの労働者に対しても、同分量の食料を与えていた、と。しかしながら、捕虜の集団は、旧日本陸軍の階級性を利用して管理されていることから、「上官の命令は天皇の命令」のセオリーが温存されて、食料の均等配分はされず、上官は下級兵士から配給のパンなど食料を巻き上げ、充分に食べ、余りを売りさばいて、市中で、魚や肉を買って太っていた、と。
そう、将校は労働も免除されていたから。

極寒の地での肉体労働はさぞきつかっただろう、自分の父親も23年に帰国した兵士だったから、それは忘れたことはない。
で、この本で、知らなかった捕虜の仕組みを仕入れた、そんな思いです。

日本語新聞では、共産党のいかにすばらしいかを喧伝し、共産党を賛美しないと帰れないぞ、帰してもらえないぞ、そういう風潮がまかり通っていたなかで、
望郷の念を持ち続けて、いかにこころもとなかったことか。

翻って、帰国した捕虜たちは「シベリア帰り」ということで「赤」のレッテルを貼られ、社会復帰に不利益に働いたというから、理不尽極まりない。

戦争という、生の暴力の場に置かれ、思想洗脳というもう一つの暴力の中をいきなくてはならなかったのか、と、父親たちの時代を思う。

自分の父親がシベリア捕虜生活経験者であることで、コレまでも何冊が本を読んできたけれど、これはこれで、教えてもらうことのある本でした。


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