日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

映画「ジャイアンツ」を観る。

2023-02-18 07:52:43 | 映画・テレビドラマ・音楽
1956年制作。途中でインターミッションが入る長編映画。
私が初めて観たのは60歳ぐらいだったかで、その後何度かお薦めしたりして、もう一度観たかな。
今週水曜日にNHKのBSプレミアムで放映された。毎度BSプレミアムを鑑賞しているジムで一緒になる80代の彼女と映画の話題をするようになってもいたことから、再三の「ジャイアンツ」鑑賞をしました。

録画しているので、木曜日に前編を見て、昨日の金曜日に後編を視聴。
ベネディクトというテキサス州に巨大な敷地面積を持つ牧場主の3代目ビック(ロックハドソン)とその妻レズリー(エリザベスティラー)、そして家族を取巻く物語です。
かいつまんで、今回感じたことを書き記しておきます。

ネタバレあり

ビックとレズリー夫婦には3人の子どもが生まれます。長男長女は双子、そのあとに2女、です。
長男の誕生は牧場の後継者誕生と夫は喜び期待をかけるのですが、牧場仕事には不向きで、長じて医師となる道を選びます。
長女は牧場仕事しか知らない使用人と結婚するのですが、彼らにはビックの牧場の跡継ぎになる意思はなく、小さくても自分たちの理想とする牧場を持ちたいと宣言します。
医師になった長男は、先輩医師の看護助手として働いていたメキシコ系の女性と結婚し、生まれた子供もメキシコ系の容貌をしています。
牧場地の一部を3代目の姉の死亡のときに遺言で受け取った使用人のジエット(ジェームズディーン)は、その土地での石油掘削に励み、油井を掘り当てて大金を稼ぎ次々と事業を成功させていきます。
街のホテルも美容室チェーンも経営はジェットの運営会社です。
街をあげてのジェットの事業を讃える記念式典が行われることになり、渋々ながらもビックベネディクト一家も参加します。
長男の妻は開催前に美容室に行ってくると出向くのですが、メキシコ系女性と判った美容室のスタッフからは、待たされるばかりで受付けてもらえません。そのことを知った長男は腹を立てて、パーティ会場にいる経営者であるジェットに向かっていくのですが、にらみ合ったその場で一撃を受けたのは長男の方でした。父親は剣幕で暴力を働いたかつての自分の牧場の使用人であったジェットを追いかけ追い詰めます。
パーティーは知事たちや土地の名士など大勢が集まったのですが無残な結末で終わりました。

そのあとのシーン。
長男は、「お父さんが怒ってジェットに向かっていったのは、差別されたボクの妻のためではなく、跡継ぎの長男が辱められたことを怒っててしたことだろう」というセリフがあります。
ベネディクト当主ビックは牧場主としての権威は何としても守りたい主義だけれど、妻ほど人種差別に理解あるタイプではなかったのです。長男の指摘が彼に何らかの棘となって刺さっていたのかもしれません。

そのあと、家族(長男夫婦と赤ちゃんも)でドライブに向かいハンバーガー店に立ち寄ります。
店主はメキシコ系には食事は出せない、と断ろうとします。
息子の妻も土地の名士であるベネディクトの一族だといって、なんとか追い出されることまではされませんでした。そのあとメキシコ系のお客が数人で入ってきました。店主は「この店はお前たちのくる店ではないから出て行ってくれ」といいます。
この場面でビックは立ち上がり、店主に一発くらわし、お店の中での激闘。ビックは散乱した食器類の中に倒れこみます。

その翌日でしょうか、顔の打撲傷も痛々しいビックに妻のレズリーは言います。初めて会った時のあなたは素敵だったわ、でも先日の壊れた食器類の中に崩れ落ちて倒れていたあなたの姿も素敵だった、と。
東部育ちのレズリーとテキサス育ちのビックには先住民に対する意識の違いを各所で垣間見るのですが、その溝が狭まったシーンということでしょうか。

話は戻って、盛大なパーティーになるはずだった会場のメインの演題で、ジェット(ジェームスディーン)がひとり、空っぽのイスとテーブルに向かって語る。酩酊しながらも、自嘲も織り交ぜての内容。そして、使用人時代にそれとなくかばってくれた牧場主の妻レズリーの美しさを讃え、好きだったと語る。ドアの隙間から聴いているのは、ジェットに好意を寄せているレズリーの2女。自分に特別やさしくしてくれていたのは母への想いの代償だったのかと、彼女の目には一筋の涙。


長い映画を何度も見るのは時間がもったいない気がするけれど、観てよかったと思う。
前回はエリザベスティラーがこんなじんわりとした(ハデハデではない役回りの)作品に出ているのかという感想を持ったけれど、今回はもっとほかのキャストの方がという気がしないでもない。私の独断だけれど知性的なセリフがそんなに似合う風貌には思えないから。
ちなみにエリザベスティラーは20代から60代を演じています。







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懐かしのレコード鑑賞。

2022-10-20 09:41:57 | 映画・テレビドラマ・音楽
先日テレビで昭和の音楽特集をやっていた。
その思い出繋がりで、我が家にもレコードがあるハズ、ということで、昨晩はレコードから流れる音を懐かしんだ。

何度も引っ越しをしたけれど、処分を免れたレコードたちです。
「襟裳岬」はまだ子供もいなくて、日中は図書館通いしていました。

大好きで、レコードが傷んだら困るから、もう一枚予備に買っておこうかしら、といったほど連日聴いていました。
東京近郊の新築2階建て風呂なしアパート1DK。家賃月額27000円も覚えています。
夫は司法修習生。まだ私たちは若かった~。

「夜明け」のメロディーが初めて耳にしたのは、北関東に住んでいた時。

夫の4畳半の書斎のラジオからでした。
こんな歌を作る人もいるのか、とココロにしみました。沖縄では海洋博があった年のように覚えています。

ココロに残っている歌というのはその当時の風景と一緒に残っているのですね。
自分の顔を自分に見えないので、あの頃の自分に戻ったような妙な時間でした。

あれから約半世紀経っているのです。
エアコンもなかったし、北関東暮らしのときにようやくガス湯沸かし器がキッチンに入ったころ。
テレビの主題歌を録音したくて、テレビ放映中にテープをまわしていたような時代でした。
レコードジャケットを写メしてブログにアップが自在にできるなんて想像もできなかったのに、凄い変化です。




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NHKのBSで『パリは燃えているか』が放映されていた。

2022-10-14 08:10:50 | 映画・テレビドラマ・音楽
『パリは燃えているか』は数年前に観た(もちろん自宅のテレビ画面で)。
そういう映画だったのか、という感慨を持ったのを鮮明に覚えている。
ヒットラーの戦争も追い詰められてきて、ドイツが占領して4年目に入ったパリの名だたる建造物を爆薬で崩壊させる命令を出すのだけれど、、、、という展開。
ノートルダム寺院も凱旋門もエッフェル塔も今パリの街にあるけれど、あの時、あの将軍の判断で爆破を免れたのだ、と思ったりしていた。
今、この作品を見ながら思う。ウクライナの都市で現在進行形で爆破が起こっていること。当初は映画で描かれた悲惨な場面だと錯覚するほどだったけれど、これは現実

映画では、パルチザンがなんとかフランスを取り戻そうと命を懸けている。ノルマンディーに上陸した連合軍の支援に期待を寄せる。今のウクライナの占領地でも身をひそめながら奪還の日を狙っているパルチザンもいるのかもしれない。戦争というのは命のなんと易々と奪われていくものなのか。そしてそれが今もなのだからやりきれない。

某ニュースの情報では、前線の急遽動員されたロシア兵は、投降しないように、逃亡しないように、督戦隊がついているとのこと。

なんと悲しい。
戦いたくないのに素人の若者が動員されて、訓練もそこそこに武器を持たされ、前に進むよりない、とは。
戦車に白旗をあげて(大砲の砲身に白いズボンをひっかけて)投降する画像も見た。そういえば米軍もフィリピンで敗戦を知らせるビラを飛行機からバラまいたけれど日本軍は信じようとはしなかったという記事も見たことある。
70年以上昔の戦争のことだと思っていたけれど、今、現在、なのです。

テレビ番組はことばではなにも語らずだけれど、この期の『パリは・・・』の放映も、戦争の不毛さを改めて伝えたかったのでしょうね。



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映画『ミュンヘン 戦火燃ゆる前に』

2022-07-20 16:55:29 | 映画・テレビドラマ・音楽
★★★★★。
『戦火燃ゆる前に』
時代は1932年のオックスフォード大学のキャンパスから始まる。
ヒットラーの領土拡大の野望から第2次世界大戦へと突き進んでいこうとする時代を描いている。
第1時世界大戦でたくさんの犠牲者を出した欧州の首脳陣はもう戦争はしたくない、のに。
学生としてオックスフォード大学で出会った二人(一人はドイツ人留学生)が、それぞれイギリス側、ドイツ側の若き官僚となっている。
オックスフォードのキャンパスではヒットラーの台頭を好意的に語っていた若者(ドイツ人留学生)も、彼の野望を阻止すべきだという立場にかわり、首脳会談の末端スタッフとして加わって、なんとか英国側に意図を伝え、イギリスのチェンバレン首相とヒットラーらの共同声明への調印を阻止しようとする。
戦は避けるべきという意見では共通するも、錯綜する情報の中にあって若い役人の意図はチェンバレン首相には伝わらない。
社会の表面には見えていないところで、そういう葛藤が渦巻いているのか、、、と。原作が小説の映画だけれど。

そして、今、現在も、平和を望み、戦争なんてしたくないのに、私たちはこの5か月間、戦争報道が連日飛び込んでくる。
2014年のクリミア侵攻以来、表面には見えないところで、いろんなやり取りが絡み合っているのだろうと思ったりする。

自国の若者を戦場で亡くしたくないのに。どうしてこうなるのか。
相手の不利益を突くのが戦争なのだろう。ガスの輸送ラインを遮断したり、穀物輸出の手立てをストップさせたり、、、。
エネルギーや食糧の高騰という結果をしのがなくてはならない現実。
2月下旬に侵攻が始まったとき、素人な私は、理不尽なことだから、短期で終わるだろうと思っていたのに、まだミサイルが飛び交っている。
各国専門家がよい手立てを考えているだろうに、、、。悲惨なことは少しでも少ない段階で終わってほしいものです。

この映画はネットフリックスオリジナルでウクライナ侵攻前の2021年公開です。
戦争を避けたくても、避けることの困難さ、なのでしょうか。



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この2、3日はドラマにはまっている。

2022-05-24 06:30:04 | 映画・テレビドラマ・音楽
Netflixで「国民の僕(しもべ)」。
まだ第1シーズンの10話を過ぎたあたり。各シーズンが23話ぐらいまであるから、まだたっぷり残っている。時間泥棒か!!?
更に、BSのドラマ「今度生まれたら」原作内館牧子著。このドラマに気が付いたのは第3話から。アーカイブスを観たくなって、昨日と早朝(4時台)に1話、2話を観終えた。私って、なんとまぁ、の生活している!
それに、昨日は短編マンガ本を2冊読み終える。荻生徂徠の経済政策をわかりやすく漫画化した作品「政談」と里中真知子の歴史マンガ「長屋王残照記」の1巻。
NHKオンデマンドにも加入しているし、kindleの定額払いで無料読書ができる仕組みにも加入しているらしい。
こういうのサブスクリプションっていうのかしら。
情報を仕入れる手立てはいっぱいある。でも時間が、、、、。

『今度生まれたら」は70歳の専業主婦の葛藤がテーマ。生きてきた時代が同じだから、頷く部分もあるし、そんなぁ~と、異を唱えたくなる面もある。苦笑  時間がもったいないから原作本を読むことにしようかしら。

「国民の僕」はコメディアンだったウクライナのゼレンスキー大統領が、大統領になる前にウクライナで高視聴率をとっていたドラマです。高校の歴史教師が国政に対する不満をぶちまけているのをクラスの男子がスマホでとっていてSNSに流したらたくさんの高評価を得て、しまいには大統領に当選してしまう。その新大統領が腐敗の蔓延っている政府で展開するアレコレをユーモア交えて描かれている。1話1話は約25分の短編だけれど連続長編です。ドラマの中の新大統領の機知にとんだ清々しい顔は最近よく目にする現実のゼレンスキー大統領と同じです。苦悩をにじませている昨今の大統領の顔に清々しさが戻ってほしいものです。

ここまで走り書きして、庭仕事をしてきます。
庭に出るとやることは尽きません。トホホ
でも、株元を整理してやると、世話をされた樹が「ありがとう」と嬉しがっているような、そんな気がします。うっふふ


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ジムをお休みにすると暇~。映画鑑賞。

2022-05-07 09:03:08 | 映画・テレビドラマ・音楽
帰省客が帰った後のお洗濯ものは洗濯機がやってくれるし、時間がたっぷりあるように感じられた金曜日。
昼間にアマゾンプライムで映画を1作見る。
「陰日向に咲く」。以前観た「青天の霹靂」と同系列の作品かしら、と。
晴天の霹靂ほど深く心が揺さぶられることはなかったのは、作品のせいか、私の年齢のせいかしら、と思ったりする。

夕食後のたっぷりある時間帯にも、地上波やBSの録画を観たりするけれど、マンネリ化傾向にあるので、昨晩はこの時も、昼間に「お気に入り」に登録しておいた作品を観た。
「アイネクライムナハトムジーク」伊坂幸太郎原作の映画。
伊坂幸太郎の小説をのめりこむように連続で読んでいた頃もあったけれど、あれからもずいぶん月日が経ったと思ってしまう。
青年の恋バナの話。
「若いってそれだけできれいだね~」なんて夫は何度もつぶやく。笑
私たちはもうそのころから半世紀も過ぎてしまった。そういう時が来るなんて!
ま、早世してしまった人もいるわけで、健康な70代を送っていることだけでシアワセなのかと思う。

じゃあ、この70代になった自分は何をしたらいいのか、どう過ごすのがいいのか

私には 👆 こういう問いをする癖がある。

幸いに、今の私は医療のお世話にならないで、ジムでのトレーニングという方法で健康維持に努められる。
届く旅行案内のパンフレットを頼りに、少々リッチな旅もできる。ヤケにアバウトな価格設定なので、お笑い種っぽいけれど。ま、いいか、旅行業界もコロナの影響で大変なことだし、お手軽な非日常を用意してもらえるのだからウィンウィンです。

近頃さっぱり活字を読まなくなった。数日家を空けて、読んでいない新聞がたまっていると、おやつが待っている気分みたいなものだったのに。

映画がふんだんにみられる、YouTubeからニュースなどの話題も入手できるという環境と高齢化が相まっての現象なのでしょうか。
全く、ひとは易きに流れる、のパターンかも。

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海外テレビドラマ『ブリジャートン家』シーズン2を見終わる。

2022-04-26 06:34:02 | 映画・テレビドラマ・音楽
同じく海外ドラマ『ダウントンアビー』は第1次世界大戦にも重なっていた。18世紀末から19世紀前半のイギリス貴族社会を描いていた。この作品は👆よりも時代は古い。後年のジョージ3世の王妃シャーロット妃が出てくるから18世紀の初めあたりだろうか。
貴族社会の舞踏会にいかに煌びやかに着飾って、お目当ての殿方をゲットするかが主要話題だったり、貴族社会ってそういうものだったのか、と思いながら見ていた。ピアノや刺繡を趣味として、マナーをわきまえていること、それが人としての値打ちの大事なところだったり。ああ、もちろん貴族社会の中での階層ランクも大事だし、資産が潤沢で結婚するにあたっての持参金も大事な要素。何という別世界なのでしょう。
いわゆる「労働する人たち」とは別世界。ドレープたっぷりなスカートの裾は地面までの長さなのだけれど、きっと衣装の洗濯は「労働者の仕事」であって、自分には関係ないのでしょうね。着替えする際にも使用人に着せてもらう世界なのですから。
それと貴族の館の使用人たちの衣装も、今の時代からすると煌びやか。男性はみんなカツラを付けている。貴族社会のいろんな場面で、従者たちが直立不動で突っ立っているのは辛いだろうな、とも察する。
きっと、それでも貴族の館での仕事に携わっている、ということは誇りなのかもしれない。
ドラマはフィクション(流行小説に基づいているらしい)だけれど、18世紀前半の貴族たちの拘泥の一片と思って見続けていた。
で、英国王ジョージ3世の治世の時代って、はて? と思って検索してみた。
ボストン茶会事件や7年戦争、アメリカの独立戦争とか歴史で学んだことがあるあの時代です。
歴史で学ぶような大きなうねりがあった時代は、こういう歴然とした格差社会でもあったのか、とも思った次第です。


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自分としては「初」のことをしてみた。追加文『浮草』のネタバレあり

2022-04-25 07:24:49 | 映画・テレビドラマ・音楽
昨日のついていたテレビ番組の最後のコーナーで、パネリストの皆さんに、自分の好きな映画は?という質問がなされた。

映画監督さん(多分有名なのかもしれないけれど、私は名前も知らない)のパネリストさんは、時節柄『ひまわり』という映画を採り上げる方もいるかもと思って、ヒマワリは黄色ですから、日本の映画で赤が象徴的に配色されている『浮草』(小津安二郎監督作品)と書きました、と応えておられました。『ひまわり』は24才位のときにロードショーで観ている。良い作品だったというイメージが残っている。横道に反れるけれど、帰宅後に夫がメロディーをバイオリンで奏でたことにもびっくりしたものです。バイオリンは初心者用の価格のものを購入して間もないころでした。主旋律って、音感がある人にはすぐに奏でられるものなんですね。音痴とは雲泥の差です。

それでは、と思ってNetflixで『浮草』も、と夕食後に視聴した。
ひまわりとの引合いで提起された作品だったから、背景に戦争が絡んでいる作品かしら、と思ったけれど、そうではなかった。
小津作品の縦横の線で切り取られる画面がなんとも良質なのに圧倒される。
土砂降りの雨、道を挟んで京マチ子と中村雁次郎がののしり合うシーンが画面としては「美」。女ものの傘の色が雨にくすんだシーンを引き締めている。
良い作品でした。
■ 追加文
ジムのスタジオでBGMがかかる中、ストレッチをしながら、昨日観た映画『浮草』のことを反芻していた。
中村雁次郎演じる旅回り役者の座長の最後まで貫き通すスタンスが切ない。
若い時にもうけた息子の成長を楽しみにしている。
ただし、母親の兄、おじさんだと教えている。旅回りの芝居で息子が暮らす地に行くのは年に一度。向学心にとんだ高校生に育った息子。客の入りも悪いのになんでこの地に留まって、、、役者の宿からいそいそと出かけていく座長の実は、、、の顛末が発覚してしまう。それでの👆の京マチ子と雁次郎のののしり合いシーンなのです。
もうバレてしまったのだから、あなたは稼ぎの中からきちんとお金も送ってくれていたし、もうわかってしまったのだから、自分が父親だといってやって、と母親(杉村春子)はいうのですが、座長は頑として応じません。
父親は早くに死んでしまっことでいいのだ、と。息子には立派な大人らなってもらいたい、だから、あの子は俺のような旅回りの役者の子どもであってはならないんだ、と最後まで受け付けないのです。
旅回興行も経済的に限界が来て解散となる。
みなが散り散りになって、はて年嵩の座長の雁次郎は知合いを頼ろうと駅に。そして同じく駅舎にいた女(京マチ子)も一緒に、という顛末で幕。
昨日観終わった時より今日振返ってみて、改めて見てよかったな、と思いました。
テレビドラマと映画との違いは、ドラマはひとつひとつ説明していくけれど、映画はセリフ以外のもので伝えていくことも多いから、と。杉村春子も雁次郎も京マチ子も若尾文子も存在感アリアリでした。


で、話を最初に戻します。
パネリストのひとりが『笑いの大学』と書いておられました。
「わぁ、作品ひとつ、と言われて、この作品をという人がいるんだ」と不思議に嬉しい気分が湧きました。
日頃は、どちらかというとお気に入りじゃないパネリストさんです。昨日話題にした娘が大学院のときの同級生が、彼の高校大学のクラスメイトだったとか。だから同じ歳でしょうね。
そんな年頃の方が『笑いの大学』(三谷幸喜の脚本・監督)お薦め作品とのことです。


無性に再視聴したくなりました。
で、ネット検索。
プライムでもnetflixでも出てきません。
DVDならあるかしら、と検索したら、〇〇ストアで中古品がある、と出てきました。
〇〇ペイで支払いをするのでいいなら残高が残っているしとヒヤヒヤしながら、購入をクリック。
初回購入者限定で半額にとのこと。
650円で出ていたのに、その半額でゲットです。
キチンと届いてほしいものです。

そうすると、私も「売り」もできるものなのかしら、とちょっと興味もなくはありません。
買って、サイズが合わずで未使用な足ふきマットがあるものですから。
👆 また、横道に行きましたね。

近々『笑いの大学』の視聴できるのは楽しみです。
私的には、この作品はお薦め、といえる仲間もいなくて、抱卵気分な作品です。

これと前後して観た作品『ラジオの時間』(コレも三谷幸喜作品)を好きだといっていたブログ友がいて、嬉しかったものですけどね。








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映画「シェークスピアの庭」を観る。

2022-02-24 07:12:46 | 映画・テレビドラマ・音楽
久し振り(そうでもないか?)、のネットフリックス。

「シェークスピアの庭」

以下、ネタバレアリ

ロンドンで名声をあげた後、劇場の火災などもあって故郷に戻ってから、晩年のシェークスピア(1616年没)です。
1616年は日本なら大阪夏の陣の翌年に当たります。
18才で年上の女性(アン)とできちゃった婚をしています。
故郷に妻子を置いて20年にもわたって、ロンドンで作家活動をしていたので、女の子二人、男の子ひとりの3人の子どもはすべてアンが育てました。
アンは読書きができないので、結婚証明書にサインするときも、自分の名前を書けずに✖を書くしかなかったのが、悲しかったと。長女は読書きができ、お医者さんの妻となっているのですが、夫婦仲が上手くいっていません。
28才になる二女は読書きができず未婚。
唯一の男の子は少年の頃に伝染病かかって病没した。
その息子が書き残した詩を綴った詩編を大切に抱え持っている父親・シェークスピア。
息子の才能を惜しむ心が、帰郷したシェークスピアに、息子を偲んでの庭づくりを思い立たせる。

成功者であるシェークスピアは財産には不足しない。
但し、相続する男子がいないことから(娘が相続する=娘婿の財産扱い?)、2女にも結婚をしてもらいたい、というモードもあったり、、、。

シェークスピアは、息子の死の知らせを受けても、仕事に追われて帰郷することができなかった。
息子の伝染病での死が信じらない。
そのことを家族に詰問する。母親であるアンは伝染病だったと言い張る。
年月が経過してようやくハムネット(息子)の死の悲しみを一緒に暮らしてきた家族で乗り越えてきたのに、突然帰郷して蒸し返さないでほしい、と。

彼は教会で死者の記録を閲覧する。
確かに没年月日と名前は綴られていたけれど、その年の村の子どもの死者数は伝染病の流行した年の死者数とは思われない。

あまりにも、死んだ息子に執着するのを見かねて、未婚の2女は白状する。
その紙片に綴られた詩は
自分が作ったものをハムネットに聴かせたら、文字が書ける彼が書き留めたものだ、と。
アンも言う。この2女は文字は書けないけれど、韻を入れた詩作ができるのよ、と。

ハムネットには父親が褒めたたえるほどの才能の持ち主ではなく、買いかぶり過ぎたったんだと。
池でおぼれているハムネットを見つけた時、破棄された紙片も傍らに浮いていた。

16世紀後半から17世紀初め。
時代考証もしっかりされていて(日本にオランダ人がやってきた頃に重なるので、あの白い襟姿の時代です)、夜の灯りは燭台の蝋燭だけ。16歳で放校となっシェークスピアだから、流行作家となっても貴族の教養であったギリシャ語はできないので、、、などとサラリと位置づけもされている、いい作品でした。

以前に「恋に落ちたシェークスピア」を観ているので、両方見ることができて至福です。

文学史の中で名前を記憶する有名人のイメージですが、こう映画として取り上げられると興味深いです。

追記
この映画のYouTube広告 (👆クリックすると出てくる)の解説には、この映画の監督・主演は、あの「ヘンリー5世」の監督なのですね。映画通ではないので。💦
自宅での映画鑑賞は、多くの場合はひとりで、なのですが、夫にザザッとあらすじを言うと、「キミの好きそうな作品だね」と言われた。そう、同じ監督の作品「ヘンリー5世」の中のセリフも大いに気に入り、日本語字幕を書き写したものです。(そもそもが翻訳なのに、こんなことする人ってレアでしょうね~、苦笑) で、2022年の「ベルファスト」という彼の自伝ものが今年の話題作とか。3月封切。これは滅多にいかない映画館に観に行こうかしら、と思っています。














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さて今日は、、、。つづきを加筆しました。

2022-02-17 08:19:27 | 映画・テレビドラマ・音楽
今は朝。
引き続き寒いけれど、昨日の庭仕事のやりかけは片付けないといけない。
9時半から美容室。その後11時にはジムに向かわなくてはならない。

で、クリックしてスタート部分は観たけれど、いまさら感がしたり、もしてためらっていた映画、やっぱり時間を作ってみようと思う。朝令暮改の感。苦笑

「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」

おば役なのだろうか、メリルストリーブが出演していた。
彼女のこの映画におけるメッセージも、👆 をクリックすると見ることができる。

若い女性のこれからの人生の勢いのまぶしさに、70代の私としては「もういいや」と反応したところがあったのだろうけれど、映画がもたらしてくれる魅力的時間には勝てない。

映画ってスゴイ文化だね~、と確かお正月に帰省した息子も行っていたような。
あの時進めた作品は鑑賞済みだろうか。
ひとことも言って来ない。苦笑



つづく。

映画「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」は観ました。
以下、ネタバレあり。
いわゆる「若草物語」はご存じでしょうから、という前提なのか、話の運び方(時間設定)が、先に進んだり戻ったりするので、煩雑さを感じはしました。(私の吞み込み力が低下した?)
メリルストリーブ演じる伯母のスタンスは、「女性は資産家を見つけて結婚するのが幸せ」という(実は当時だけでなく、現代でもスタンダートか)考え方の持ち主。
妹(4人姉妹の母)は、質素な暮らししかできない牧師と結婚したから、生活はみすぼらしいと思っている。
そして、長女は家庭教師と結婚。末っ子はしょう紅熱で亡くなる。3女のエミリーは近所に越してきた資産家の孫と結婚。
2女のジョーだけは結婚願望はなく、家族を養うために売れる小説を書きたいと願っている。
結婚しなくては女性は幸せは得られないという伯母にジョーは尋ねる。どうして伯母さんも結婚はしていないでしょ、と。
「私はいいのよ、充分な財産があるから」と。
そんな伯母もなくなり、広い館が残される。
伯母の遺言には、館はジョーへの遺産とすることになっていた。
館を譲り受けたジョーはこの館を学校として活用しようと考える、という筋立てでした。
あ、最後に、家庭教師暮らしをしていたニューヨークの下宿で知り合った若者と結ばれるという展開にも。

そうね~、と思うところがありました。
先日YouTubeで観た、「上杉鷹山」という米沢藩の困窮する藩政を描いた映画でも、明治維新後の賊軍とされた長岡藩の悲惨な暮らし向きを描いた「米百俵」という映画でも、結末部分では、人々が学べる学校を作ろう、というシーンがありました。
洋の東西、なんだか通ずるものがあるのだと思った次第です。




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