1956年制作。途中でインターミッションが入る長編映画。
私が初めて観たのは60歳ぐらいだったかで、その後何度かお薦めしたりして、もう一度観たかな。
今週水曜日にNHKのBSプレミアムで放映された。毎度BSプレミアムを鑑賞しているジムで一緒になる80代の彼女と映画の話題をするようになってもいたことから、再三の「ジャイアンツ」鑑賞をしました。
録画しているので、木曜日に前編を見て、昨日の金曜日に後編を視聴。
ベネディクトというテキサス州に巨大な敷地面積を持つ牧場主の3代目ビック(ロックハドソン)とその妻レズリー(エリザベスティラー)、そして家族を取巻く物語です。
かいつまんで、今回感じたことを書き記しておきます。
ネタバレあり
ビックとレズリー夫婦には3人の子どもが生まれます。長男長女は双子、そのあとに2女、です。
長男の誕生は牧場の後継者誕生と夫は喜び期待をかけるのですが、牧場仕事には不向きで、長じて医師となる道を選びます。
長女は牧場仕事しか知らない使用人と結婚するのですが、彼らにはビックの牧場の跡継ぎになる意思はなく、小さくても自分たちの理想とする牧場を持ちたいと宣言します。
医師になった長男は、先輩医師の看護助手として働いていたメキシコ系の女性と結婚し、生まれた子供もメキシコ系の容貌をしています。
牧場地の一部を3代目の姉の死亡のときに遺言で受け取った使用人のジエット(ジェームズディーン)は、その土地での石油掘削に励み、油井を掘り当てて大金を稼ぎ次々と事業を成功させていきます。
街のホテルも美容室チェーンも経営はジェットの運営会社です。
街をあげてのジェットの事業を讃える記念式典が行われることになり、渋々ながらもビックベネディクト一家も参加します。
長男の妻は開催前に美容室に行ってくると出向くのですが、メキシコ系女性と判った美容室のスタッフからは、待たされるばかりで受付けてもらえません。そのことを知った長男は腹を立てて、パーティ会場にいる経営者であるジェットに向かっていくのですが、にらみ合ったその場で一撃を受けたのは長男の方でした。父親は剣幕で暴力を働いたかつての自分の牧場の使用人であったジェットを追いかけ追い詰めます。
パーティーは知事たちや土地の名士など大勢が集まったのですが無残な結末で終わりました。
そのあとのシーン。
長男は、「お父さんが怒ってジェットに向かっていったのは、差別されたボクの妻のためではなく、跡継ぎの長男が辱められたことを怒っててしたことだろう」というセリフがあります。
ベネディクト当主ビックは牧場主としての権威は何としても守りたい主義だけれど、妻ほど人種差別に理解あるタイプではなかったのです。長男の指摘が彼に何らかの棘となって刺さっていたのかもしれません。
そのあと、家族(長男夫婦と赤ちゃんも)でドライブに向かいハンバーガー店に立ち寄ります。
店主はメキシコ系には食事は出せない、と断ろうとします。
息子の妻も土地の名士であるベネディクトの一族だといって、なんとか追い出されることまではされませんでした。そのあとメキシコ系のお客が数人で入ってきました。店主は「この店はお前たちのくる店ではないから出て行ってくれ」といいます。
この場面でビックは立ち上がり、店主に一発くらわし、お店の中での激闘。ビックは散乱した食器類の中に倒れこみます。
その翌日でしょうか、顔の打撲傷も痛々しいビックに妻のレズリーは言います。初めて会った時のあなたは素敵だったわ、でも先日の壊れた食器類の中に崩れ落ちて倒れていたあなたの姿も素敵だった、と。
東部育ちのレズリーとテキサス育ちのビックには先住民に対する意識の違いを各所で垣間見るのですが、その溝が狭まったシーンということでしょうか。
話は戻って、盛大なパーティーになるはずだった会場のメインの演題で、ジェット(ジェームスディーン)がひとり、空っぽのイスとテーブルに向かって語る。酩酊しながらも、自嘲も織り交ぜての内容。そして、使用人時代にそれとなくかばってくれた牧場主の妻レズリーの美しさを讃え、好きだったと語る。ドアの隙間から聴いているのは、ジェットに好意を寄せているレズリーの2女。自分に特別やさしくしてくれていたのは母への想いの代償だったのかと、彼女の目には一筋の涙。
長い映画を何度も見るのは時間がもったいない気がするけれど、観てよかったと思う。
前回はエリザベスティラーがこんなじんわりとした(ハデハデではない役回りの)作品に出ているのかという感想を持ったけれど、今回はもっとほかのキャストの方がという気がしないでもない。私の独断だけれど知性的なセリフがそんなに似合う風貌には思えないから。
ちなみにエリザベスティラーは20代から60代を演じています。
私が初めて観たのは60歳ぐらいだったかで、その後何度かお薦めしたりして、もう一度観たかな。
今週水曜日にNHKのBSプレミアムで放映された。毎度BSプレミアムを鑑賞しているジムで一緒になる80代の彼女と映画の話題をするようになってもいたことから、再三の「ジャイアンツ」鑑賞をしました。
録画しているので、木曜日に前編を見て、昨日の金曜日に後編を視聴。
ベネディクトというテキサス州に巨大な敷地面積を持つ牧場主の3代目ビック(ロックハドソン)とその妻レズリー(エリザベスティラー)、そして家族を取巻く物語です。
かいつまんで、今回感じたことを書き記しておきます。
ネタバレあり
ビックとレズリー夫婦には3人の子どもが生まれます。長男長女は双子、そのあとに2女、です。
長男の誕生は牧場の後継者誕生と夫は喜び期待をかけるのですが、牧場仕事には不向きで、長じて医師となる道を選びます。
長女は牧場仕事しか知らない使用人と結婚するのですが、彼らにはビックの牧場の跡継ぎになる意思はなく、小さくても自分たちの理想とする牧場を持ちたいと宣言します。
医師になった長男は、先輩医師の看護助手として働いていたメキシコ系の女性と結婚し、生まれた子供もメキシコ系の容貌をしています。
牧場地の一部を3代目の姉の死亡のときに遺言で受け取った使用人のジエット(ジェームズディーン)は、その土地での石油掘削に励み、油井を掘り当てて大金を稼ぎ次々と事業を成功させていきます。
街のホテルも美容室チェーンも経営はジェットの運営会社です。
街をあげてのジェットの事業を讃える記念式典が行われることになり、渋々ながらもビックベネディクト一家も参加します。
長男の妻は開催前に美容室に行ってくると出向くのですが、メキシコ系女性と判った美容室のスタッフからは、待たされるばかりで受付けてもらえません。そのことを知った長男は腹を立てて、パーティ会場にいる経営者であるジェットに向かっていくのですが、にらみ合ったその場で一撃を受けたのは長男の方でした。父親は剣幕で暴力を働いたかつての自分の牧場の使用人であったジェットを追いかけ追い詰めます。
パーティーは知事たちや土地の名士など大勢が集まったのですが無残な結末で終わりました。
そのあとのシーン。
長男は、「お父さんが怒ってジェットに向かっていったのは、差別されたボクの妻のためではなく、跡継ぎの長男が辱められたことを怒っててしたことだろう」というセリフがあります。
ベネディクト当主ビックは牧場主としての権威は何としても守りたい主義だけれど、妻ほど人種差別に理解あるタイプではなかったのです。長男の指摘が彼に何らかの棘となって刺さっていたのかもしれません。
そのあと、家族(長男夫婦と赤ちゃんも)でドライブに向かいハンバーガー店に立ち寄ります。
店主はメキシコ系には食事は出せない、と断ろうとします。
息子の妻も土地の名士であるベネディクトの一族だといって、なんとか追い出されることまではされませんでした。そのあとメキシコ系のお客が数人で入ってきました。店主は「この店はお前たちのくる店ではないから出て行ってくれ」といいます。
この場面でビックは立ち上がり、店主に一発くらわし、お店の中での激闘。ビックは散乱した食器類の中に倒れこみます。
その翌日でしょうか、顔の打撲傷も痛々しいビックに妻のレズリーは言います。初めて会った時のあなたは素敵だったわ、でも先日の壊れた食器類の中に崩れ落ちて倒れていたあなたの姿も素敵だった、と。
東部育ちのレズリーとテキサス育ちのビックには先住民に対する意識の違いを各所で垣間見るのですが、その溝が狭まったシーンということでしょうか。
話は戻って、盛大なパーティーになるはずだった会場のメインの演題で、ジェット(ジェームスディーン)がひとり、空っぽのイスとテーブルに向かって語る。酩酊しながらも、自嘲も織り交ぜての内容。そして、使用人時代にそれとなくかばってくれた牧場主の妻レズリーの美しさを讃え、好きだったと語る。ドアの隙間から聴いているのは、ジェットに好意を寄せているレズリーの2女。自分に特別やさしくしてくれていたのは母への想いの代償だったのかと、彼女の目には一筋の涙。
長い映画を何度も見るのは時間がもったいない気がするけれど、観てよかったと思う。
前回はエリザベスティラーがこんなじんわりとした(ハデハデではない役回りの)作品に出ているのかという感想を持ったけれど、今回はもっとほかのキャストの方がという気がしないでもない。私の独断だけれど知性的なセリフがそんなに似合う風貌には思えないから。
ちなみにエリザベスティラーは20代から60代を演じています。