日々の暮らしから

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司馬遼太郎著「王城の護衛者」の中の短編「英雄児」を読む

2017-11-22 09:07:11 | 
この「王城の護衛者」には5つの短編が入っている。

1、「王城の護衛者」会津藩主松平容保を描いている。

2、「加茂の水」岩倉具視の参謀、玉松操(劉備玄徳における諸葛孔明のような存在)の話。

3、「鬼謀の人」村田蔵六(大村益次郎)の話。

4、「英雄児」河井継之助の話。

5、「人斬り以蔵」岡田以蔵の話。

村田蔵六を書いた本は、先日長編「花神」で読了したばかり。これは「花神」には詳しく触れていなかった明治2年の彰義隊との武力衝突に焦点を当てている。敗血症でなくなったというのは当然同じなのだけれど、50日もイネが看病に当たったということには触れていない。

河井継之助はこれも長編「峠」に描かれている。薩長勢力が官軍となる中、幕府の恩恵を受けてきた親藩長岡藩のために尽力した描写が脳裏に残っています。この短編で河井継之助を再読したのは、また別の視点を持つためにはよかったです。彼は徳川、長岡の殿様のために総力を挙げて戦ったのですが、結果、長岡の町は戦禍に焼け落ち、多くの領民を死なせてしまった。
彼を恨んだ人も多かったのか、死後、彼の墓はすぐくだくだに砕かれ、恨みをかうたちばになった、と。
当時の情報収集能力にたけていたので、刀剣では戦力にならないと判断し、財力を外国製の武器購入にあて、次々と官軍に寝返る藩が多い中、最後まで筋を通そうとしたことが被害甚大という結果を招いたのです。

幕末、明治初年にかけて、横浜などの港には、武器を売る外国船が多く押し寄せていたそうです。南北戦争も下火になり、余った武器の売り先に混乱期の日本がちょうどよいお客になったようです。買い手側の知識がないとわかると、旧式の武器を高値で、、、という商売が横行したりして、欧米技術の情報に詳しい人材がいるかどうかも大事なことだったとか。
きっと、これらはいつの時代にも通ずることなのでしょう。

先日、トランプ大統領が来日して、結果、日本も韓国も大量の軍事関連の出費をすることを約束したと報じられていました。
北朝鮮問題で危機感が増せばますほど、武器商人側がおいしい思いをする、共通している、とおもつた次第です。

幕末明治の有力藩は溶鉱炉を作って自前の武器製造に励もうとしました。
今日の日本はどうなのでしょうすか。確かに武器3原則があるけれど、完成品は作らないけれど、部品には、、、だったり、複雑っぽいですね。
素人にはわかりません。

武器商人は戦争がおいしいんだ! 自分の血が流れない限り。
知らないわけではなかったけれど、きな臭くなって「買いませんか」と言ってすり寄ってくる、今も似ているなと。




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