寮 美千子(作家・詩人) 心をほぐす授業
寮 美千子(作家・詩人)
・心をほぐす詩の授業 ~奈良少年刑務所での取り組み~
61歳、10年前平成17年から去年9月まで、奈良少年刑務所の受刑者を対象に月一回の
詩の授業を行い、受刑者たちの作品を2冊の詩集にまとめ出版しました。
この放送を聞いた人から、多くの反響がありました。
◎ 話の内容の一部を抽出しました。
刑務所で授業中の一場面から
・・・・・前・略・・・・・・
「雲」(タイトル)
「空が青いから白をえらんだのです。」 1行だけの詩
薬物中毒の後遺症のある人で自分に自信がないので、いつも下を向いて早口でしゃべってしまう人でした。
みんなの耳にようやく聞こえるように読んだら、周り中から大拍手をして、急に普段はしゃべらない人が、話したいことがあるがいいですかと、話し始めた。
最初の一言が
「僕のお母さんは今年で7回忌です。
お母さんは体が弱かったが、お父さんはいつもお母さんを殴っていました。
僕は小さかったのでお母さんのことを守ってあげることができませんでした。
お母さんは亡くなる前に僕にこう言ってくれました。
つらくなったら空を見てね、私はきっとそこにいるから。
僕はお母さんの気持になってこの詩を書いてみました。」
というんですよ。
空が青いから私はあなたによく見えるように白という色を選んで浮かんでいますよ、そういう意味だったんです。
・・・・・・・・後・略・・・・・・・
録音されています。
=チョイと、お時間を頂いて=
NHKラジオ深夜便(←クリック)の中で、
≪放送をもう一度・過去の放送をもう一度お聞きになれます≫
顔写真➡「明日へのことば」クリックすると現れます。
私も心が洗われました。
ラジオは、想像力を働かせながら聴くので、
頭の体操になり創造の領域をぐん~と拡げます。
私の身体を清風が吹き抜けた。