私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

室町無頼

2025-01-20 21:21:11 | 映画鑑賞

応仁の乱の少し前。大飢饉と疫病、そして膨大な年貢に苦しむ民衆が溢れる京の街。そんな様子を知りながらも無策な幕府。

大泉洋演じる蓮田兵衛は、かつての友で今は悪党一味を率いて市中の警護を担っている骨皮道賢と袂を分かち、無策な幕府に反旗を翻す事を決め一揆の準備を進める。

風来坊のようにも思えながらも、大泉洋演じる蓮田兵衛の絶対的なリーダーであるという存在感が凄い。兵衛が反旗を翻すと言っても、闘う相手は幕府そのものではなく、悪党一味を率いて仕事を請け負っている骨皮だ。袂を分かちながらも、徹底的に反目するということでもなく、お互いに自分のいる場所で自分のやるべき事をやるというどこか潔い感じだ。

食べる物もなく、明日のわが身がどうなるか分からない中であっても、極端な悲壮感はそこにはない。それぞれ剣の達人であっても、兵衛、骨皮ともに、どこかアウトローの雰囲気が漂う。二人の立ち回りは素晴らしいが、いわゆる武士らしい雰囲気ではない二人の佇まいはどこか飄々としている。

風が吹きすさぶ中、繰り広げられる戦い。BGMの雰囲気も相まって、時代劇というより、いい加減だった保安官が町の人々を助ける為に立ち上がり、金持ちにやとわれたかつての旧友と刀を合わせるというような、どこか西部劇の雰囲気のようなものまで感じられる。西部劇が言い過ぎなら、無国籍な雰囲気が漂うといったらいいのか。立ち回りも素晴らしく確かに時代劇なのに、そんな自由な雰囲気が感じられる。

それだけスケールが大きいということだろう。