私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

困った隣人 韓国の急所

2013-04-16 21:33:58 | たまに読んだ本
韓国ドラマは好きでよく見るし、いわゆるK-POPというのもよく聞く。
だからと言って韓国の事が分かっているかというとそうでもない。(更に韓国大好きというのとも違うと思う。)ドラマを見ていても、なんでいつまでも相手の事を恨むのか?なんで大統領経験者の余生(これは時代劇における王と置き換えてもいい)が穏やかなものでないのか?誰でも思うような疑問は常に持っている。
持ってはいても、分かり易いドロドロのドラマ(ようするに昔の大映ドラマのような・・・)が大好きなので、常に韓国ドラマを見ているというのが本当のところだと思う。
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朱子学が示す普遍主義、原理主義にとらわれ、身動きが出来なくなってしまっている道徳的な言動。
朱子学一本で国家国民を統括したというのを呉善花氏は「朝鮮全土を巨大で単一な文化ローラーで余すことなく圧し固め、均一にならしていった」という風に説明しているが、このくだりは非常に分かり易い。万物平等という考え方の仏教を弾圧したことで、上下関係(縦の流れ)に固執する朱子学がさらに台頭したということなんだろう。
ドラマなどを見ているとだれでも感じる上下関係の強さ、違う考えを排除しがちな思考などはこんなところに端を発するんだろうというのがよくわかる。

また身内に対する考え方もそうだ。
とにかく身内は一つだという考え方が強い。
これがさらに進むと「身内を批判するのは許さない」という考え方に流れる。
ドラマなどでも「何があっても私はあなたの味方」という友達同士の強い友情が描かれる場面があるが、逆にこれは友達が何か悪いことをしても批判せずに常に味方になるということでもある。
身内に対する必要以上の固執が、外には牙となっていく場面もドラマでは時々見られる傾向だ。

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これだけドラマを見ていると、なんとなく分かる部分もある。ただそれを言葉にして第三者に説明することは非常に難しい。
この本はそれに対する答えを非常に明確にしめしてくれているので、私のような者には非常にありがたい本だった。



困った隣人 韓国の急所(祥伝社新書313)
クリエーター情報なし
祥伝社

「上から目線」の構造

2013-04-08 21:34:41 | たまに読んだ本
購入したまま読むのを忘れていた本。新書はやっぱり新鮮さが大事かもしれない。今更かもしれないがせっかく読んだので、記録として気になったことを何点か。。。

第4章の目線に敏感な日本人が面白かった。
カウンター席が何故リラックスするのかという話をきっかけに、映画「東京物語」では正面切って話す構図が極力避けられているのはなぜかというくだり。

カウンターがリラックスできるのは当たり前だという風に思っていた私にとっては「なぜ正面を見て話さないのか?」というのが疑問になるなんて思いもしなかった。
欧米人ではないので、正面切って話すのが当然という考えなど一つもなかったのだ。これが大事なことなのかどうなのかは別にして、こういう具体的な事柄を上げて話が進んでいく本なので、私は非常に分かり易かった。
出来事ばかりを取り上げるだけで、新しい視点がないというレビューも見かけたが、当然だと思っていることを具体的に取り上げて、平易な文章に落とし込んであるのは、別に独創的な事を望まない
私のような者には非常にありがたいことだった。

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上司の指導にも「上からですね」という部下がいるという話。
最近パワハラの事が話題になることが多いが、部下が上司に向って言う「上からですね。」というのはパワハラの話にも関連する話だと思う。
セクハラと違いパワハラが難しいのは、業務の伝達など、仕事を教えるということとハラスメントの境界が非常に難しいから。
上司は指導だと思い、また第三者から見ても指導としか思えないことに関しても「パワハラです」と訴えてくる部下が多いというのはよく聞く話だ。
これについての考察を上手くかければいいのだが、なかなか難しい。しかしこの二つには非常に関連性があるような気がする。

「上から目線」の構造 (日経プレミアシリーズ)
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日本経済新聞出版社

迷い婚と悟り婚

2013-01-10 21:42:30 | たまに読んだ本
煩わしいと思うなかれ。
「寂しい」と「煩わしい」では、煩わしい方が人間力をあげてくれる。だから一度は結婚してみるべきという本。

寂しさは何をしても消えない。誰か一緒に居てくれる人を探す以外に解決の方法はない!!

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これは、独りの人も十二分に分かっている話だと思う。ただ・・・私はだからといって、寂しさを解消するためだけに一緒にいてくれる人を探してしまっていいのかという風にも思ってしまう。
ここまで来たら、煩わしさを受け入れて、とことんまでいばらの道を歩んだ方がいっそのこと潔いのではとも思ってしまう。
先日「メゾン・ド・いばら」への入居者を求めていたマツコも(求めていないか・・・同調者を募っていただけか。。。)、そんな風に思っていたんじゃないかと勝手に想像したりする。
あっさり、違うと言われそうでもあるが・・・




迷い婚と悟り婚 (PHP新書)
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PHP研究所

小さいおうち

2013-01-05 20:30:32 | たまに読んだ本
戦前の東京、中流(中産?)階級のおうちで女中として働く少女。
奥様の世話をし、そしてお坊ちゃまの世話をする少女。
少女にお見合いの話が舞い込む頃には、生活と戦争は切っても切れない関係になるのだが、彼女がお仕えする奥様は、どこかふわふわしたままだ。小さなおうちを自分の好きなインテリアで飾り付ける。戦争の声がどんどん近くなってきても、「節約しなければならないのは分かっているけれど、心に余裕がないのは嫌なの。。。」といい、優しい夫とお金の事でいさかいが増えてくる。
しかし奥様からは社会に対する緊迫した思いは伝わってこない。奥様が興味があることは、自分のおうちであり、自分のおうちの中で感じられる幸せな思いだけだ。
でも逆にそれがとてもリアルでとても怖い。そうやって取り返しのつかないところに流れ着いてしまっても、もうどうすることも出来ないのだ。

***
私の両親は、女中である彼女がお世話をするお坊ちゃま世代だったが(もう少し小さかったかもしれない)戦争のせいだけでなく、残念ながら生活はとても苦しかったようだ。「おもちゃを買ってもらっている子もいたが、何も買ってもらえない子の方が大多数だった。おもちゃは作るものだし、なくても我慢するものだった。」
私が子供の頃、何かねだると決まってそんな話を聞かされたものだった。だから昭和初期にこんなモダンな生活をしていたとはにわかに信じがたかった。しかしそのふわふわした感じは、私にはとてもリアルに感じられた。
そのモダンな生活がちょっとずつちょっとずつ失われていく過程が、結果を知っているだけにとても切なく切なく感じられる。



小さいおうち (文春文庫)
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文藝春秋


何か切なくてジーンとするこの絵本が小さいころとても好きだった。
この本の中で、この絵本とまた会う事が出来てとても嬉しい。

ちいさいおうち
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岩波書店

血霧

2012-12-26 21:25:15 | たまに読んだ本
検屍官スカーペッタ・シリーズの新作。。。
ミストレイーのシリーズ物では、独立した読み物として読むことが可能なシリーズもあるが、この本は相変わらずそのような配慮は一切なし。
これまでの経緯を自分できっちり把握していないと、更に今回は前作の続編のスタイルを取っているせいもあり、前作のことをきっちり思い出さないと、いったい何の話か全く分からない作りになっている。ストーリーだけでなく、作者の態度も非常に好戦的だな~と思うのは毎度のこと。

このシリーズ、途中に非常に大きな中だるみがあり、それと好戦的な感じがどんどん鼻について、途中本当に読むのを止めようと思ったのだが、今回はそれほどでもなし。
(ただし、この本、前編、後編に分かれており、前編は非常にだらだらとしたストーリーが続きやや辛い。それを脱せねばならないという、今回も読み切るにはやや大きなハードルあり。)
自分が慣れたのか、それとも作者が大きな中だるみから脱したのかは、不明。

ただ、出てくる電子機器、さらにスカーペッタがリスクと考えることが、時代に連れどんどん変化し、どんどん壮大になっていくのはすごい。そういう点に時代に遅れまいとする心意気と、負けん気の強さを感じてしまう。

*****
シリーズ物全体に流れる「自らの身は自らが守る。それが当然だ」という意識。これはアメリカ人の多くが確実に自分の中に持っているものなんだろう。
今回1年ぶりにこのシリーズを読んで、アメリカの銃規制がなかなか思うように進まない理由をうっすらと理解出来たような気がする。

血霧(上) (講談社文庫)
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講談社

ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪

2012-12-19 21:17:55 | たまに読んだ本
新書だが読み応えあり。

個人的には第6章が非常に読み応えがあった。
若くて有益な人材を遣い潰し、新卒の「選別」と使い捨ての過程で発生する費用を社会への費用転嫁として処理しているというくだりは、非常に説得力がある。
しかしこのくだりは、企業側から見たら、全然別の話が出てくるだろう。
決してコスト転嫁などでなく、社会制度をごく普通の手順で使っているだけだと。制度をキチンと使いこなすことは、恥ずべきことではなく、きちんとした企業運営がなされているだけだと。
企業の社会的責任という言葉がよく聞かれるが、人材育成は、今の日本では企業の社会的責任とは考えられていないのだなというのが、改めてよく分かる


時間がなければ、
第1章ブラック企業の実態
第2章若者を死に至らしめるブラック企業
第3章ブラック企業のパターンと見分け方

これだけでも目からうろこという人も多いと思う。
人からなんとなく見聞きしたことがあることが、系統立てて並んでいるので、順序立てて理解するのにいいと思う。ただこの本の一番の読みどころは、第7章の日本型雇用が生み出したブラック企業の構造と第8章のブラック企業への社会的対策だろう。
コスト削減という観点から日本型雇用のいいとこどりだけが行われていることがよくわかる。
ただ、これも企業側からしたら、「コスト削減のために取りうる手段はすべて取る」という一言で終わってしまうんじゃないだろうか。企業のビジョンは長期的でなく、とても短期的なのだ。何がどう変わるか分からない先の10年を語るより、四半期の売上、半期の利益が大事という企業が多いはずだから。

私もブラック企業と呼んでも差し支えないところに2年弱程務めていたが、「スタッフ部門は利益を生み出さず、コストを食うだけということを忘れるな!」と毎日のように言われていた。
社歌を歌う声が小さく、挨拶の声が小さいと毎日のように叱られていた。従順でなかったことがよくなかったらしい。

****
「社会保険労務士の劣化は深刻。手頃な資格だが、弁護士のように労働法に熟知しているわけではない。労務管理のプロといっても、それは保険関係の処理などに限定されており、契約、法律論を学んでいるわけではない・・・」

社会保険労務士としては、胸が痛む記述だ。
たしかに私が資格取得した1990年代とは全く違い、今は人気資格なようだ。
弁護士から見れば民法、民事訴訟法などの知識は不足しているだろう、労働判例に関する知識も
まだまだだろう。
さらに使用者側に立った仕事が中心だし、試験に合格したばかりでは実務経験も浅いから、質問に関する答えも紋切型になるだろう。
そういう点を考えると、この著者が社会保険労務士に期待していないということもある意味本当だと思う。

私個人としては、社会保険労務士としての活躍の場は、裁判になる前のあっせん段階であるとか、(企業内なら)調整能力にあると思うのだが、それには法律問題もさることながら、問題がどこにあるかを見極める能力が必要になってくると思う。法律問題では弁護士にかなわないなら、そういう点を磨いていきたいと思っているのだが・・・・



ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪 (文春新書)
クリエーター情報なし
文藝春秋

特捜部Q ―檻の中の女―

2012-11-02 21:56:31 | たまに読んだ本
ポケットミステリー版で読み、非常に面白かったこの本。
ポケミス版を読んだ時の感想
昼休みに立ち寄った古本祭りの最中の神保町の本屋で、ミステリ文庫版で発売されているのを知り、うれしくなってしまった。
ポケミスではやや値段も張るし、正直ポケミスを取り扱っている店が身近なところにあるかというと、これもなかなか難しい。話題の本と知っていても、なかなか手に取るチャンスの無かった人も沢山いるはず。文庫版なら本屋で見かける人も多いだろうし、購入するチャンスも広がるというものだ。

かなりページ数がある文庫版になっているようだったが、非常に面白く一気に読めるので厚さはまったく気にならないはずだ。最近ちょっと厚めの本だと簡単に上下巻として発売される傾向があるのでは?・・・と気になることが多かったので、こんな風に一冊でがっつり文庫になっているのを見ると、出版社の良心を感じる。

別に早川書房の回し者でもなんでもないのだが、面白い海外ミステリー本は機会があったら誰かに薦めたいもの。
残念ながらそんな機会は実生活の中ではなく、昼休みに文庫版を見つけてとてもうれしかった気持ちを誰かに伝えたく、こういう時のためにブログがあるんじゃないかと思い、大して意味のないことをつらつらを書きながらも、もう一度ポケミス版を読み返してみようかと思ったりしているところだ。

*****
古本まつりの最中は、毎日のように昼休みに本屋に立ち寄ってしまった。
ネットで購入するのも便利だが、本屋の棚で背表紙を眺めたり、隣に並んでいる本に興味が移ったりと、本屋ならではの楽しみはネットでは味わえないものだ。
ただ、古本まつりに足を運んでいる人の多くは、人生の大先輩の方が多く、若い人の姿は少なかったように思う。
若者よ!本を読もう・・・本屋ではないし、私も沢山本を読むわけではないが、そんな私でもちょっとそんな風に思いたくなる位だ。。。。。



特捜部Q ―檻の中の女― 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕
クリエーター情報なし
早川書房

虚言と虚飾の国・韓国

2012-11-01 21:47:45 | たまに読んだ本
毎日、韓国ドラマを楽しんでいる私がこの本を面白く(いや非常に興味深く)読んだ事をいぶかしがる人もいるかもしれない。
しかし面白かったことは本当だ。
ドラマを面白く見ながらも、どこか合点がいかなかったことに対する答えを見つけるヒントが、さらには答えそのものが、非常に明確に書いてあったからだ。

水に流すという考え方がなく、いつまでも恨という情念に縛られることや、目上の者を敬う考え方を持つはずの儒教の考え方が、なぜ親からもらったはずの身体に必要以上にメスを入れることに血道を上げることに繋がるのかとか・・・・
ドラマを見ながら気になっても、ドラマの中にそれに対する明確な答えがあるわけがない。
心にひっかかるそれらを、確認し、違いを認識する。
そういう作業に非常に手助けになる本だった。
どんなドラマガイドよりも、この本を読んだ方がその背景が分かると思う。

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そうは言っても、今後も、ドロドロのドラマ、こてこてのラブコメを面白く見ることには変わりないと思うが・・・・



虚言と虚飾の国・韓国 (WAC BUNKO)
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ワック

虚言と虚飾の国・韓国

2012-09-27 21:43:08 | たまに読んだ本
直接、本とは関係ないことかもしれないが・・・・
気になったこと。

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これだけいろいろ韓国ドラマを見ているのは、面白いと思ってのこと。
人生の機微のようなものを感じる場面も沢山あるし、シンプルな恋愛物はリラックスするのに丁度いい場合もあるのだが、それでもどうしても納得できないことはいろいろある。

自分の保身のために必要以上に嘘をつき、その嘘がばれても「あの時は、家族のためにああするしかなかったのよ」と開き直るおばあちゃんとか、隣の家の息子がが自分の家の息子よりいい大学出身なことを必要以上にうらやむお母さん。
ちょっとでも、息子に楽をさせたいと、上手い財テク話で全財産を持ち逃げされてしまう母子家庭のお母さん。裕福で何の苦労もない友達を逆恨みするクラスメイト。

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本の中ではいろいろな事例が取り上げられているのだが、これがまぁ各種ドラマに当てはめて具体的にイメージ出来るのだ。
ドラマの中で気になったことをいろいろ思い出しながら、この本を読み進めている所だ。



虚言と虚飾の国・韓国 (WAC BUNKO 169)
クリエーター情報なし
ワック

ハング

2012-09-25 19:52:26 | たまに読んだ本
宝飾店オーナー殺人事件を再調査する特捜。
容疑者が自供したのだが、なぜかチームは突然解散させられる。
警察組織で生きるには異動命令は絶対だ。
不可解に思いながらも命令に従うが、裁判でなぜかありもしなかった自白強要を告白する容疑者。
ありもしなかったことがあったかのようにでっち上げられる。
そして自白を強要したとされる元刑事の自殺。

警官は、警察という大きな組織の一つの駒として動かされる。生き残る駒もあれば、捨て駒もあり。しかしもっと怖いのは、その大きな組織であるはずの警察そのものも、また別の大きな力によって動かされているかもしれないという事実。

知らず知らずのうちにその大きな流れに飲み込まれ、流れから放り出されることになる警官たち。
はめられ、見捨てられるという理不尽さ以上に、自分は何を守りたいのか?ということが非常に熱く、しかしやや青臭く語られる。
そういう真面目さは応援したくなるし、理不尽さに立ち向かうパワーやスピード感は緊張感あり。

*****
ハングというタイトルは意味深だ。タイトルについて何か書くとネタバレになりそうだが、そういわれてみると、新聞記事で時折目にする○○記事。ハングに関係することが多いような気がしてきた。



ハング (中公文庫)
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中央公論新社

起終点駅

2012-06-21 21:48:53 | たまに読んだ本
出会いと別れが繰り返される6つの短編からなる本。

起終点駅というタイトルなのは、始発の駅もある人によっては終点駅だし、終点であっても翌日始発が発車するとなればそれは始発駅になる。
そんな繰り返しだということを意味したタイトルなんだろう。

6つの話はどれもそんな思いを感じさせる話だ。
重い話もあるが、語り口はソフト。さらにそこでとどまるような書き方をしていないせいか、どの話も浮遊感が付きまとう感じだ。

こんな一節あり。
「生きている限りはどんな広い部屋に住まおうと、土に還るまでの仮住まいだ」
さらっとしたこの一節が、この本の雰囲気を表しているように思う。



起終点駅(ターミナル)
クリエーター情報なし
小学館

オレたちバブル入行組

2012-05-31 21:39:24 | たまに読んだ本
新卒として入社した会社が非常に小さい会社だったので、運転資金を借りたりするために、銀行員と上司が交渉しているのをお茶出しのたびに見ていたり、資料を準備したりするのを手伝ったりしたものだった。バブルがやってくる前のことだ。その後通常の運転資金だけだったはずの借入が、バブル時期は、「もっと借りてください」と銀行の人が何度も借入を勧めにきているのを何度も目にした。
バブルがいつの間にかはじけ、利息を返すのも大変だったのもそばで見ていた。
本当に小さい会社だったからだ。
今ではもうあまり思い出さないことを、この本を読みながら思い出した。物語がキチンとありながらも、それだけリアルな語り口だということだろう。

しかし、あれだけ職場の銀行で理不尽なことがありながらも、主人公はどこまでも見返してやろうとあきらめず、理不尽な職場を決して離れようとはしない。

何故、そこまで銀行という職場に固執するのか。分かるようで分からない。何故そこまで銀行員であることに固執するんだろうか。

最後の最後でどうも腑に落ちない感じがぬぐえない。

でも話は非常にリアルで面白い。
職場は理不尽なことばかりだ。それは本当にリアルに伝わってくる。







オレたちバブル入行組
クリエーター情報なし
文藝春秋

ジェノサイド

2012-03-20 19:09:12 | たまに読んだ本
息子の治療費を稼ぐためにコンゴで任務に就く傭兵と、父親の遺志を継ぎ父の残したデータをもとに研究を続ける大学院生。

この二つの話が交差しつつ、そして傭兵がなぜこの任務に就くことになったのかが次第に明かされるのだが、私は非常に面白く感じた。
治療というキーワードしか共通点がないと思っていた話が、人類の存続という壮大なキーワードでつながっていることが分かり、それが思わぬ方向に展開していくのは、エンターテイメントの醍醐味だと思う。
科学的なことにはあまり興味がない私にとっても、そのあたりの展開はわくわくするものだった。

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ジェノサイド(英: genocide)は、一つの人種・民族・国家・宗教などの構成員に対する抹消行為をさすことから、作者が日本に関係が深いと思われるジェノサイドについて非常に意識的に取り上げている箇所があり。
私もやや唐突な取り上げ方に首をかしげないでもなかったのだが、それは作者が意識的にやっていること。そのことがやや話の流れを止めたとしても、エンターテイメントとしての面白さが減るものではないと思う。
その1点を取り上げて「面白くない」「間違っている」という意見もあるようだが、私はそんな風には感じず。


ジェノサイド
クリエーター情報なし
角川書店(角川グループパブリッシング)

日本人の知らない日本語3  祝!卒業編

2012-03-15 21:31:33 | たまに読んだ本
日本語で日本語をどうやって教えるのか?という答えは、教師が生徒の知っている文型と語彙を把握してその範囲内で話をすることだという。

私も(基本的には・・・)韓国語を韓国語で教わっているので、教えてくれるSさんが気を遣って話してくれているのだと思う。その証拠にやっぱりSさんの話はよくわかるし、私の拙い質問の裏にある意図をいろいろ連想しつつ答えてくれる。大変ありがたい。

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アラフォーって「あらかた40歳(フォーティ)のことですか?という素朴な質問。
座布団3枚位差し上げたいと思う。



日本人の知らない日本語3  祝!卒業編
クリエーター情報なし
メディアファクトリー

人生モグラたたき!

2012-03-05 21:47:21 | たまに読んだ本
日常のちょっとした「あるある!!」という感じをうまい感じにくすぐってくれる本。
ノストラダムスの大予言があたったら世界は終わるんだから、宿題やっても仕方ない・・・なんていうのは、同年代ならだれでも思っていたことで、それがかなりのんびりした絵柄で語られているので、リラックス感も感じられる。

しかし映画を取り上げた回では、絵柄からは想像できない結構ハードな韓国映画イ・ビョンホンが主演の「悪魔を見た」を取り上げていたりする。
ビョンホンの顔は似ていなかったが、映画に対する感想はまったくもってその通りというコメント。
テーマがやや硬派なものであっても、リラックス感がある絵柄で程よくブレンドされており、そんなところも気軽に見られるということで、人気の要因なんだろう。


人生モグラたたき!
クリエーター情報なし
文藝春秋