私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

ザ・フォーリナー/復讐者

2019-05-05 20:12:15 | 映画鑑賞

ロンドンで中華料理店を営む初老の男性。高校生の娘の成長だけを楽しみにしていたのに、娘は無差別テロに巻き込まれ、自分の目の前で亡くなってしまう。

「娘を殺した犯人の名前を教えてくれ・・・」警察に日参し、答えが聞けるまで同じ質問を繰り返す男性。

アジア系の移民男性が娘を亡くして悲しみから立ち直れないでいるだけ・・・と思っていた警察関係者たちだが、男性は自らの行動で自分の悲しみと復讐心の強さを関係者たちに見せていくのだ。

無差別テロの背景には複雑な北アイルランド紛争が絡んでいる。元過激派でありながらも、現在の友好関係に尽力しているアイルランド人の男。元過激派であることをうまく利用してのし上がろうとしているその男を快く思わない過激派の面々。そして元過激派の男から情報を引き出し、自分の政治活動に利用しようとしているイギリス人の政治家・・・

無差別テロの背後にも複雑な関係があり、関係者も誰が犯人か判りかねるような状況の中で、次々と関係者に接触し、犯人を仕留めようと男性。

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ジャッキー・チェン演じる初老の男性は、カソリックとプロテスタントという宗教上の問題が絡み合う北アイルランド紛争の直接の関係者ではない。それにも関わらず無差別テロに巻き込まれ、否応なしに当事者になってしまうという理不尽さ。そして復讐しても娘が戻ってこないと知りながらも、復讐するという選択肢しかない悲しみ。ロンドンを舞台に、事件の背後に北アイルランド紛争が関係するという題材だったということで、移民として故郷を捨てた喪失感とともに、娘まで失うという男の辛さが伝わってくる。

ピアース・ブロスナン演じる元過激派のアイルランド人は、権力を前にして自分のアイデンティティをさえも捨て去ろうとする。

家族を失った悲しみを癒す術がない男と、家族を失っても権力と保身に走ろうとする男。どちら側からも見られる映画になっているのも面白いと思う。

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私は、同じコメディ色がないジャッキー・チェンの映画@新宿・インシデントよりこちらの映画の方が興味深かった。

 

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