巫女を探している最中に、失踪したと思われる父親に遭遇するウクだが、顔を見たこともなく、失踪した理由が「妻が生んだ息子が自分の子どもではない」と言われている彼には、肖像画も残っていないのだ。ウクが分からないのも当然だ。
(私はすっかり彼が亡くなっていると思っていたが、彼がすべての謎のカギを握っているのだ。亡くなっていては謎が謎のままになってしまうか・・・)
こんな風に、若い世代が王妃の謎を解こうとしている中、いわゆる年長者の間に勃発する権力争い。
長女を産んだ際に、保管していた氷の石をウクの父親に差し出してしまい結局返してもらう事が叶わなかったチン家。今回チン・ムが自分に氷の石を差し出し、さらには行方不明になっていた長女も探し出してきてくれたのだ。長女の耳の形が違えども、弱点を握られたチン家としてはすっかりチン・ムの言いなりだ。
氷の石があったから争いが起きたと、チン家に戻った石を消滅させようとする松林の総帥の申し出に「言いがかりだ」と怒るチン家との間の言い争いから、それに乗っかろうとするそれぞれの宗家の思惑のあれやこれやで、石を目の前にした争いが起こる。チン・ムの思惑通りの展開だ・・・
そんな争いを収めようとする、ややはったり気味のウクの振舞い。生まれた星のせいというより、何も知らない彼にとっては、今のところ恐れる事はムドクを失う事だけだ。そんな思いからのウクの行動と思われるが、ウクが騒ぎを収めようと席を外した間に、今まで恐れていた王は「そんなに石の力が偉大なら、その力を見たい。命を落とした者を氷の石をつかって助ける所を見たい」と言い出すのだ。案外しっかりしている息子とは全く違う振舞の父親。こんな事だから王妃が本物でないことにも気づかないのだろう。
そんな、公開処刑のような事に指名されたのは術士でもなんでもないその場にいたムドク。
ムドクが実の娘とも知らずに彼女の息の根を止めようとするチン家の宗主。。。
そんなどさくさに紛れて自分が送り込んだチン家の長女に乗り移り、ゆくゆくは氷の石を持って逃げようとしていた王妃に乗り移っている巫女だが、ムドクが娘と気づいたチン家の宗主の心の揺れが影響したのだろう。一瞬のスキが出来、それに焦った偽のチン家の娘であるソイが刀を振り回した事から、氷の石と風が何と化学反応のような状況になり、ソイとムドクはウクや世子が滞在する場所まで飛ばされてしまうのだ。
とにかく困った時は謎の力が大活躍だ。結界出来てしまったことで出入りは出来ず閉じ込められたウク達は、その中では術が使えない事に気づく。パワースポットの中に入り込んでしまった事で、そのパワースポットを作っている氷の石にすべてのエネルギーを吸い取られるらしい。そしてそのパワースポットの力の及ばない所にいるのがムドクともう一人の魂入れ替え人だ。チン・ムの悪事の証拠にと昏睡状況にに置かれていたはずの魂入れ替え人はまた再び人の気を吸い込み、さらなる獲物と自分をそんな風にしたユルへの仕返しを狙っているのだ。そしてその魂入れ替え人を利用してムドクを亡き者にしようとするソイ。
そして力が戻ったムドクはもう一度、氷の石の力を使い、更には結界にいる人間のパワーを吸い取って魂の入れ替えを試みようとするのだ。弟子ウクとの絆も危機一髪だ。