私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

時代革命

2022-08-23 21:25:15 | 映画鑑賞

2019年の香港民主化デモの姿が、オムニバス映画「十年」に関わったキウィ・チョウによって描かれるドキュメンタリー。
香港政府による「逃亡犯条例改正案」に反対する人々は「民主化五大要求」を掲げてデモに参加する。その約180日間の記録。逃亡犯条例改正案の撤回を手に入れる事は出来ても、2020年の夏に香港国家安全維持法が施行された事を知っている中での158分という長尺は見ていて辛く切ない。

警察が暴力を行使して、軍化したらもうどうしようもない。香港で成績が悪くても就職出来るようになってしまった警察官という職業。彼らは命令されるがまま、自分たちと同じ香港市民に手を挙げる。
黒社会と手を組み、自由を求めてデモを行う一般市民に黒社会の構成員が手出しをしやすいようにお膳立てをする警察。

政府によって巧妙に書かれたシナリオ通りに、警察と市民は反目しあい、大学に立て篭もった学生達は逃げ場も与えられずただ包囲され、未成年の高校生でさえ警察のリストに名前が残る。

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カメラは、新界で農業を営んでいた陳おじいさんが、若者を守ると自らが盾のようになって若者を守ろうとする姿を間近で映し、デモに参加した人たちがさっと水のように流れて素早く消え去るさまを上空からドローンで撮影する。同じようにドローンで上空から撮影された700万分の200万人というデモの様子の迫力に息を呑む。(200万というのは主催者側の発表だろう。ただ、あの映像を見たら200万という数字も信じたくなる。それ位のパワーを感じる映像だった)

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中国人の知り合いは、このデモが日本でも報道された際、『700万人の人口で200万人のデモなど嘘だ。NHKが嘘の報道をしていいのですか?』と言い、『香港に住んでいる知り合いは人口700万の香港でデモ参加者が200万人など不可能だし、デモに迷惑していると怒っていた。私は報道より、現地に暮らす人の言葉を信じている。』と言っていた。
知人の知り合いは、香港に居を構える中国本土からの移住者だ。本土出身の中国人にとっては、香港人という概念等は存在せず、本土にも香港にも存在するのは中国人のみということなのだろう。

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インタビューを受ける出演者たちは基本的に顔出しNGだ。その中で韓国語が書かれた黒いキャップを被った若い男性がいた。「ポリン チャシック...」捨てられた子どもの意だ。意味を知って被っていたのだろうか・・・