私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

車輪 第9,10話

2023-05-07 18:52:33 | 車輪 韓国ドラマ

暗く怖いドラマだ。人の心の揺れが一番怖い・・・と思っていたせいで、続きを見るのに時間がかかってしまった。

「配信だから、いつでも見られる」と思っているとこういう事になる・・・

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スンヒは友人だった兄を殺したヘジュが許せず(兄の自殺を認めず、「殺した」と言い続ける事に闇がある・・・)自殺した医大生の両親に「自分たちも同じ立場だった」と同じ痛みを持つ者同士だと、加害者だと公になった事で自殺した遺族として力をあわせようと話を持ち掛けるのだが、医大生の両親はまだ息子を亡くした傷も言えず、スンヒの同調することは躊躇するも、ここまで事が大きくなれば、何か動きがあればすぐに皆に知られる事になる。何も動きがなければ秘密も守れるが誰かが何かの意図を思って動けばすぐにそれには尾ひれがついて、話が独り歩きするのだ。

当然「お金も貰っていたのだから、女性側も悪い」という流れから「リベンジポルノはいい事ではないが、お金を貰っていた方にも非がある」という世論も出来上がってくる。(当然、そんな事に金を出した医大生の行動も、彼が亡くなっていたとしても話題に上がる事は止められない。)

孫を亡くした精油店の店主は、息子を亡くした医大生の両親の元をジュンドが弔問で訪れた事を知り、自分が利用されたと孫娘を想い涙するも、逆に自分を利用して「(加害者の死亡後も捜査を続けられるように)法改正を成し遂げて欲しい」と訴えるのだ。とにかく物事の黒白はあっという間にひっくり返る。

政治家ジュンドは妻ヘジュの事を想いつつも、政治家として何かを成し遂げる為に無意識に何かを捨てているかもしれないし、記者の仕事を辞め政治家ジュンドに賭けて政治の世界に足を踏み入れたチャン首席補佐官は、意図的に何かを捨ててジュンドが政治家であり続ける事を守り、更に自分を守ろうとしているように見える。

政治の世界では誰もが黒白があっという間に入れ替わる事を見越して二手、三手先を見ているようなのだが、どうもそれがドラマを見ている側としては非常に不安を感じさせる展開だ。更に政治の世界でなくとも、このドラマは一つの物事が見る立場によって全く違う姿を映し出す事を、これでもかと見せてくれる。

「妻である君を守る」と言っていたのに、ヘジュが隠そうとした過去はあっという間に人の知るところとなる。夫であるジュンドを無条件で信じると言い切るヘジュがどこまでその考えを持ち続けることが出来るのか・・・