私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

ベイビー・ブローカー

2022-06-26 19:49:07 | 映画鑑賞

激しい雨が降る夜、釜山の教会の赤ちゃんポストの前に赤ん坊を置いていく一人の若い女性。そんな風に教会に預けられた子ども達は教会が運営する施設内で暮らし続ける子もいれば、養子縁組で新しい家族と暮らす子もいる。ただ、この赤ん坊は教会でアルバイトする若い男性と教会の近所でOKクリーニングという店を運営している中年の男性に連れ去られる。「赤ん坊により良い養父母を探してあげる」と言いながらも、彼らは赤ん坊を欲しい夫婦の元に子どもをあっせんすることを副業にしていたのだ。いつもと同じ副業だったはずなのに、そんな彼らの動きを察知し、彼らを現行犯で逮捕する為に彼らを泳がして尾行する二人組の女性警官と、子どもを捨てたはずの若い女性が戻って来た事でいつもとは様相の違った物になっていく。

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違法な行為をしているはずなのに、男二人組の動きは妙に軽快だ。手慣れた様子で赤ん坊を世話する様子は、赤ん坊が大事な商品だからというよりも、赤ん坊は無条件でかわいらしいというような雰囲気さえ感じられる。更に報酬も思ったほど法外でもない。逆に何とかして男二人組を現行犯で捕まえたい二人の刑事のたくらみの方がやましく見え、悲壮感さえ感じさせる。

ソン・ガンホ演じる前科はあれどどこか憎めないクリーニング店の店主と、カン・ドンウォン演じる自らも母を知らずに育った男性、そしてイ・ジウン(IU)が演じる、子どもを捨てようとするも子どもの行き先を確認したい思いから二人についていく子どもの母親。赤ん坊を売るはずの旅は、赤ん坊の行き先を見届けるという子どもの幸せを見守るような旅になっていく。三人と赤ん坊とそしてもう一人の少年の期間限定の疑似家族を見守る不思議な映画になっていくのだ。

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韓国は家族の結びつきが強い社会だ。そんな韓国で、万引き家族という不思議な家族を描いた監督が、再び人が家族のようなつながりを感じる瞬間を描くことに挑戦する。そこに悲壮感はなく、むしろ小さな幸せさえも感じさせるのはなんだか不思議にも思えてくる。

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今日は日本で舞台挨拶があったらしい。韓国の芸能ニュースに早速記事が上がっていた。記事のタイトルは「ストーリーはソン・ガンホが登場する場面から書いた」となっている。かなり長めの記事だ。

 



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