「男女の双子で生まれた男子を直系の子孫として認める事には難あり」という理由から、女児を亡き者として男児のみを世継ぎとして育てる事にするために、すべての事実を知る者を葬り去る王室。
このドラマだけでなく、善徳女王でも「世継ぎが双子は不吉」というような理由で、双子であった事を隠すエピソードがあった。(個人的には、即位の際に兄弟間でも争いが起こる確率が多い中、双子は更にその可能性が多い事から、このような事が行われていたのだろうと、勝手に推測・・)
しかし、孤児として育っていた女児が女官になった事から実の兄と偶然出会い、出生時と同じ事が少年少女時代の双子の身に再び降りかかった事で、女性でありながら亡くなった兄の変わりに世子として権力争いが渦巻く宮廷で暮らしていく事になるのだ。
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女性でありながら男性として生きていく事になる世子を演じるパク・ウンビンの演技から目が離せない。相手役を演じるロウンとの身長差は30センチ程もあり、他の王族たちも皆彼女よりも一回りも二回りも体格がいい。そんな小柄な彼女がそんな中で男性として対等に渡り合う。その姿がアップだけでなく、ロングショットでも遠慮なく描かれる。
しかしここで凄いのは、体格で負けていても気力では負けないという意気込みと緊張感が伝わってくることか・・・・・女官だった心を隠して王室の娘になり、女性の心を隠して男性として生きる。何重にも自分の心を偽る役柄を演じるというのは、どういうことなのか・・・無理を承知でやり切ろうとする姿が切なくもあり凛々しくもあるのだ。
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去年のちょうど今頃、韓国での放送と同時にネットフリックスで配信されていた事は知っていたが、タイミングを逸してしまい、一年後に一気に鑑賞。
このドラマの後で撮影された、パク・ウンビンの「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」、ロウンの出演した「明日」を先に見てから、このドラマを見るという、ちょと順番が逆になってしまった。
パク・ウンビンが「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」のオファーを受けるかどうか悩んでいたというインタビュー記事を読んだのだが、この恋慕の役柄も同じ位難しい役柄だったように思う。演じる事のプレッシャーにどんな風に立ち向かうのか、その心の中がちょっとだけ気になったりする。