香港・日本合作で製作されたドキュメンタリー映画は、@文化大革命@六七暴動@天安門事件・・・それぞれの時代を生きてきたその当時の若者が、現在の若者に話かける形を中心に進んでいく。
文化大革命から逃げるために海を泳いで香港にやって来たカップルは、今でもエネルギッシュで現在の若者も彼らのエネルギーに圧倒される。
天安門事件を経験した男性は、当時何も成し遂げられず、今の人に何も残せなかった事を悔やんでいる。
六七暴動に参加した男性は「信念を持ち続ける事は時間との戦いだ」と現在の運動に参加する若者に語りかける。六七暴動に参加した若者は、香港が中国に返還された後もその前科を取り消される事はなかった。文化大革命の影響を受けた香港左翼が香港政府に対して起こした暴動故、天安門事件や雨傘運動への参加者とは若干色合いが違うかもしれないが、若さゆえの信念で自分の信じる道を選び進んでいこうとした事には違いはない。自らが選んだ道が受け入れられなかったという喪失感はある意味一緒だともいえる。
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彼らはそれぞれ、自分たちの求める自由と安全を手に入れる為に世の中と向き合おうとする。
従えば与えられる安全と、自らの手で選ぶ自由。自由とは安全とは何なのかを考えずにはいられない。日々の生活と政治は密接に関係していることを実感するも、それと同時に、常に政治の心配をせねばならない生活も安全で幸せな事ではないと思う。
どんな自由を求め、どんな安全な世の中を自分たちが欲しているのか・・・誰でもどこにいても、皆同じようにそれについて真摯に向き合う必要があるのだ。
映画『Blue Island 憂鬱之島』予告